うぐいすの音

17歳の女子が運営しているブログ。本のレビューなどしていきます。

「ハーバード白熱教室」を読んで

今日は、ハーバード白熱教室(上)という本を紹介しようと思います。
 著者はマイケル・サンデルさんです。NHKで放送されたマイケル・サンデルさんの授業の、書籍版なので、内容は知っている方も多いと思います。
 マイケル・サンデルさんは、ハーバード大学の教授で、哲学の授業を持っています。「JUSTICE(正義)」の授業では、あまりの人気に大学が初めて授業を公開しました。

 この本では、数々の実例から「何が正しい行いなのか」を徹底的に探っています。全12回からできている授業なので、6回・6回に分けて上下巻にしてあります。第一回目のテーマは、「正しい殺人はあるのか」です。
 ブレーキが利かない電車の運転手の君は、目の前に5人の人が行ることに気づく。でもわき道にそれたら1人しかいない。自分からハンドルを回して人を殺すか。  や、
 君と何人かの船乗りは、船に乗っていたが漂流してしまった。食べ物がつきた。瀕死の状態になっている給仕を殺して食べたら生き延びられる。自分で人を殺して食べるか。(この問題は事実に基づいています。)
 などのおもしろい問題をいっぱい出していて、読んでいて楽しくなります。頭を動かすのもたのしいですが、この本は生徒の考え方も乗っているので、自分の考えとはどう違うのか、自分の考えは多数派なのかなどの情報も分かります。
 生徒の質問などもそのまま書いてあるので、臨場感まで味わえる本です。
 私がこの本で一番好きだったのは、自分の考えを形づけられるからです。生徒の何個もの意見の中には、自分の意見と似ているものが見つかります。そのおかげで、サンデル先生が私の考えを、「功利主義」や「リバタリアニズム」などの言葉を使って位置づけてくれます。
 いつも、私たちが本を読むと、問題だけしか書いていない本や、問題を書かずに言葉が分かっていることを前提として書いている本などがあります。でも、この本は自分のはもちろん他の考えがどういう考えなのか説明してくれるし、その意味についても書いてくれるので、とても助かります。
 

 このような理由から、私はこの本が好きになりました。ぜひお読みください。最後まで読んでくださりありがとうございました。