うぐいすの音

17歳の女子が運営しているブログ。本のレビューなどしていきます。

鯨統一郎「歴史はバーで作られる」を読んで

 こんにちは。この頃本がしっかり読めていなくて、ちょっと悲しいです… ちゃんと色々なジャンルの本を読んでいかなきゃな〜と思っています。

 今回は、鯨統一郎さんの「歴史はバーで作られる」と言う本を読んでみました。この本は、図書館で見て題名と表紙に惹かれて借りてみました。
chirpspring.hatenablog.com

  この作家さんの本は読んだことがないので、どのような本なのか全くわからなかったのですが、予想以上に面白かったです。

 本の内容としては、歴史学者の喜多川先生と、学生の「僕」が訪れるバーで、不思議な老人と女性バーテンダーが歴史の謎について解明していく、と言うものです。

 まず、八百屋お七の研究をしていると言い張る村木老人が色々な歴史上の出来事に対してトンデモな説を言い出します。それに対し反論する高名な歴史学者の喜多川先生と先生の話に乗っかる「僕」。ところが、歴史について無知の女性バーテンダーのミサキさんが村木老人の説を立証(?)します。とても考えられないような説だと言うのが素人でもわかるのに、なぜかミサキさんの言うこともあり得るような気がしてくる…

 実際に歴史について詳しく調べると違うのかもしれませんが、この本を読むだけだと、「八百屋お七の本当の目的」だの、「義経は偽物」だのが信じられそうになってしまいます。

 基本的に、ミステリー仕立てらしくはありますが、そこまで深刻な謎などは出てきません。構えず簡単に読めるライトなミステリだと思います。歴史をちゃんと調べて、詳しくなった上で読めばもっと面白く読めると思うけど、歴史に関心がない人でも簡単に読めると思います。読み終わると歴史について少し詳しくなっているような気がするかもしれません。

 実際はあり得ないような説が全部ですが、いくら証拠がなかったり信じられなかったりしても本の中のことだからな〜、と読めばしっかり面白く読めます。その時代にいたわけじゃないから、突拍子のないことを語るのでも「歴史談義」と言えると思いました。

 

 物語に出てくる人たちはキャラがそこまであるわけではなく、好きなキャラなどができるような本ではないと思います。でも、本で取り上げられている歴史談義の範囲がとても広いので、飽きずに読めると思います。テンポはゆっくりで大体同じような展開なのですが、そういう本が好きだと面白いと思います。

 バーでの設定なので、所々で出てくるカクテルや料理がとても美味しそうです。それまで話していた歴史に関係がある材料やイメージで作られているので、何と無く想像もできて美味しそうでした。

 

 最後までお読みくださりありがとうございました。今回読んだ本も好きなものでしたが、とても面白いというほどではなかったかも…? でも、暇な時にまた何回か読んでみると面白いかな、と思っています。