うぐいすの音

17歳の女子が運営しているブログ。本のレビューなどしていきます。

UWC ISAK Japan 一年すごしてみて -ISAKの1番の価値

 こんにちは。今日は、私の在籍している学校、UWC ISAK Japanについて書いていこうと思います。

 

 

UWC ISAK Japanとは、UWC系列の学校で、軽井沢にある全寮制のインターナショナルスクールです。高校1年生〜高校3年生(G10~G12)が在籍しており、夏が学年開始の時期です。

uwcisak.jp

少し前に、私の学校では卒業式が行われました。そして、その後二週間の授業が高校一年生と二年生にはあり、ようやく先日学年を修了したところです。

来年からは、高校2年生として国際バカロレアの教育が始まります。少し不安もありますが、とても楽しみです!

 

今回は、ISAKを一年間過ごしてみた感想として、人間関係などについて書いていきます。この後、その他思ったことについても書いていくつもりです!また、学習について記事を書いているので、ぜひご覧ください!

 

まず、ISAKの環境から話を進めていきます。ISAKは、2014年に設立された全寮制のインターナショナルスクールです。軽井沢に位置し、浅間山の麓で数十カ国からの人たちと一緒に勉強します。基本授業は英語です。

 

そして、また他の記事で詳しく書くかもしれませんが、ISAKは仕組みとしてあまり学校だと断言はできません。どころか、かなり改善点が多い学校だと思っています。新しい形の学校なのだからそれも当たり前ではありますが…。一長一短、この言葉がよく似合う学校です。

実際に、私を含めた数人の生徒が辞めることを考え、今年でやめてしまう同級生も数人います。なんでこうなるかというと、学校の体制と、G10でのカリキュラムが大きな原因です。

 

ですが、辞めることを考えてまで、なんでまだISAKに残っているのか。

それは単に、周りにいる生徒たちが素晴らしいからです。

この記事では、素晴らしい私の友達、仲間について書いていきます。

 

 

 

大好きなハウスの先輩たち!

 

ISAKのキャッチコピーの一つに、「多様性」があります。その言葉通り、今年は有に80カ国以上から生徒が訪れています。

私のハウス(寮)は、ラッキーなことにとても仲の良い、最高と言っても過言ではないハウスでした。メンバーは、13人。最高学年のG12が8人、G11が1人、そして高校一年生のG10が4人です。

ちなみに、もともと14人だったのですが、1人途中から他のハウスに移りました。でも、卒業式の際や他の機会には14人で集まることもできたのでよかったです!

その13人の中で、一番英語が下手なのは私でした。他の人たちは、日本語が流暢な人も数人いますが、ほとんどが英語(かそれぞれの母国語)を日常的に使っている人です。

つまり、日本語で喋って、日本語に逃げるという環境がなかった。

 

最初の頃は、これでかなり辛い気持ちもありました。一番最初の、オリエンテーション前の隔離の際に、アルバニアからの先輩、チュニジアからの先輩、アメリカからの同級生と、四人でそれぞれの国での社会問題について深夜2時まで話していたことがありました。今でも、記憶に残っています。

 

その際、ジェンダー格差や、アメリカでのスクールシューティング(学校内での発砲事件)について話しました。でも、英語がほとんどわからない私は、話の内容も数割しか掴めず、分かったと思ったらもう話題は変わっていました。その時は、自分の英語力のなさに気づき、少し泣いてしまいました。

自分の言いたいこともあるのに、何もいえないってこういうことか…と。

 

でも、最初は辛いと感じたハウスも、今では宝物です。黒の服ばかり着ていた先輩、髪色をすぐに変える先輩(当時はまだ髪の色を染めることに慣れてませんでした)、、、。

最初は少し怖かったですが、やっぱり授業で疲れて帰ってきた際に、共有スペースで誰かがテレビを見ていて、お疲れって言ってくれるのは嬉しいです。夜10時ごろに宿題を終えてキッチンに上がったら、あげたばっかりの冷凍ポテトを差し出してくれる先輩たちには感謝しかありません。シャワールームの中で、一緒に水道の前で何回も真剣な話だったり笑い話だったりをしたシャワールームメンバーは、大好きな人たちです。

なんというか、本当に私のいたハウスって素晴らしかったと思います。もちろんそれぞれのペースがあるので話す頻度に差はありますが、全員としっかり話せるようになりました。大きい問題が上がったこともないですし、お互いがお互いを尊重していました。先輩の言う通り、「私たちのおかげでハウスへの期待値があがっちゃったから来年からが大変」になるかもしれません。

 

ハウスの先輩たちは、何かあったらすぐに駆けつけてくれる、大切な存在です。ハウスで居心地が悪いと帰りたくなくなりますし、ハウスで自分の居場所があると分かっていれば、ハウスに帰るのが楽しみになります。G10として、一番年齢の低い学年でいたことも私にとってはラッキーだったと思います。

すごい変な言い方ですが、私の先輩方は甘やかし度が高かったので、、G10四人は、先輩方に「our baby」と言われることもありました。誇張しているように見えますが、全部本当のことです。

一番最初の隔離で英語力のなさを痛感したときに話していた先輩方とは、最後には冗談を言い合い、それぞれの国の文化について話し合っていました。自分の成長が感じられたとともに、社交性のない私と付き合ってくれた先輩方を改めて尊敬しました。先輩と書いていますが、先輩という呼び方は英語ではないので、たとえ日本人だったとしても名前を呼び捨てです。友達という言葉を使えばいいのかもしれませんが、やっぱり私にとっては可愛がってくれたSenior(先輩)なので、先輩という言葉を使いました。

来年からが不安ですが、、、大好きなSeniorのように、居心地の良いハウスを作っていきたいです。

 

大好きな友達たち!

 

それでは、ハウスの先輩はこれまでにして、次は同学年の話

ISAKを辞めなかった理由に、先ほど周りにいる生徒たちが素晴らしい、と書きました。その多くは、私の同級生にいます(私はあまり外交的ではないので、同学年以外とはあまり話さないです…)。

 

ISAKでは、何個も問題がおこってきましたし、現在進行形でも起こっています。

でも、そう言った問題を一緒に解いていける、考えていけるのが、私の同級生たちです

行動力がただただすごい人、論理的思考がずば抜けている人、色々なところで緩衝材となってはみ出し過ぎたら修正してくれる人、自分の興味のある範囲に突っ走っている人。

色々な人がいます。

あの人たちがどういうふうに動いているのかを近くで見られることは、とても貴重なことだと思っています。あまつさえ、それに少しだけ関わらせてもらったり。

私はあまり自分から行動できるタイプではなく、石橋を叩いて蹴って象に渡らせてから進みたいようなタイプなので、その考え方とは違う方向を示してくれる人たちです。

会えたことが嬉しいですし、もっと勉強させてもらいたいな、と思っています。

 

そして、別に友達はプロジェクトをやっている人たちだけではありません。

一緒にダンスをやる人たち、

コンテンポラリーやバレエを教えてくれる人たち、

アニメを見る人たち、

私の競馬・宝塚・ジャニーズの話に付き合ってくれる人たち、

カメラを持って一緒に写真を撮る人たち、

映画を見る人たち、

お菓子を作る人たち、

ただただ一緒にいて楽しい人たち、、、。

枚挙にいとまがないってこういうことなんでしょうね。

 

大好きな仲間が、増えました。

一緒にいたいなって思う友達ができました。

一緒に泣いた友達ができました。

みんな、本当に大好きな友達です。

違う道をこれから進んでも、きっと数年後にばったりあって、数時間話したりできるんだろうな〜と今から考えています。みんなにとって、私は日常の一コマに過ぎないのかもしれないけど、私にとってみんなは私を助けて支えてくれる大切な存在です。

 

なんというか、一年過ごしただけでそんなに大切な友達ができるのか?って、ISAK入学前の私なら思うと思います。

でも、文字通りISAKでは四六時中一緒なんです。長くても、公立中学にいた頃は朝8時から夕方5時までの合計9時間。3倍近くの時間を一緒に過ごしているわけです。

単純にいえば、ISAK内で一年で触れ合う人たちとは、中学校で三年間過ごした人たちと同じ密度のわけで…。もちろん、こんな単純なわけはありませんし、中学の友達もISAKの友達もそれぞれ違う道で大切です。ただ、そう思えばそこまで大切だと思えるのも不思議ではないのでは。寮生活ゆえの関係だな、とも思います。

 

あと、ISAKに来てから、スキンシップが増えたと思います。みんなハグをしたり、おんぶをしたり、一緒にくつろいだりがよくあるので、特に先輩とになりますが、同級生ともそういったスキンシップは増えたかも。

みんな、私の周りにいる人たちはすごい人ばっかりです。だからこそ自分が小さく見えて不安になる時もありますが、だからこそ私はもっとこの人たちと一緒にいたいな、って思います。

ISAKの生徒たちが優秀だからこそ、これからのISAKがどう変わるのに興味もありますし。あわよくば、私もその変化を作る一員になれたらな、と。

 

色々な人に感謝を!

 

最後に、寮の先輩でもなければ、同室でもない人たち。

私はそこまで外交的ではなく、どちらかというと引きこもりたいので、あまり仲の良い人が多いというわけではないです。しかも、仲の良い人はそのうちの多くがG12ということで、もう卒業しちゃいました。割と本気で、今のG11に特に仲の良い人がいるかが微妙なので、ちょっと心配です。顔を合わせれば話す程度の人はもちろん何人かいますが…。

ただ、部活で一緒の先輩方、他のハウスに行ったときによく喋る人、趣味が共通している人、これからどんどん話せそうな人などはいるので、来年もどうなるのか、楽しみです!特に部活が同じ先輩たちと、趣味が同じ先輩たちには、色々とお世話になってるので、もっと話せていけたらな〜と思っています。ISAKの人って大抵全員面白いので、割と楽観的です!

 

ISAKの人って、話しているととても面白いです。ちょっとおかしいのが、その人の政治的しそうだったり、信念だったり深いところについて知っていても、習い事だったり今まで住んでいた場所だったり、日常会話で出てくるはずのことを知らない、という現象が起きること。面白いな〜と思いつつも、地味に色々なところでディープトーク(深い話)をしていればそういうこともあるか、とも思います。

 

他にも、ISAK外でISAKからのご縁で繋がれた方々も含め、色々な人たちとのつながりが作れました。

来年は、今年できた関係性を軸に、さらに楽しく過ごせて行けたらな、と思います。そこまで楽しくなくてもいいけど、辛い時間が減るといいなとは感じています。英語力も少しずつついてきたので、解消されていくはず!

 

ということで、今回はISAKでの人間関係について書いてきました。私が感謝を書き連ねるだけになってしまいましたが、ここで会えた人たちは一生ものの関係になる人たちがいるんだろうな〜と感じます。ISAKでなくても、どんなところでも、出会えた人たちと仲良くなれれば、それが最高です。

 

最後までお読みくださりありがとうございました。卒業式の前日にハウスの何人かで話した、それぞれの国での「死後」に関する考え方はとても面白かったです。ブータンからの先輩とは、仏教での風習が通じ合えました。そう言った、ふとしたときにできる話を大切にしていきたいです。

自分の本棚からランダムに選択!本紹介

こんにちは!梅雨に入り、長野県もジメジメとした雰囲気で覆われています。でも時々ついさっきまで雨が降っていたことが嘘のようにカラッと晴れる時もあるので、空模様を見ていると楽しいです!

 

 今日は、はてなブログのお題より「本棚の中身」について簡単に書いていこうと思います。

皆さんの家には、どれくらい本があるでしょうか?中には電子書籍の人もいるのでは。

我が家では数年前に本の一部を電子書籍にしましたが、まだ紙の本もしっかり残っています。というか、全員読むなら紙の本が良いのでできるだけ買わずに図書館で本を借りています。そうでないと本が溢れてしまうので…。今も泣く泣く本を捨てなければいけないか考えているところです。

私の部屋でも本が溢れ出したので、本棚を新しく一個買いました。もう一個欲しいところだけど、そこは我慢です…!!

 

 私の部屋では今、天井まである本棚、教科書などをしまっている棚の一番上の段、段ボール1.5箱分、床の上においている本の塊があります。

弁解すると、寮に持って行っていた組み立て式の本棚を持って帰ってからまた組み立てるのが面倒くさいので、本の荷解きを放り投げているだけです。(弁解になってないような。)

 

つまり、部屋中に本が 散らばっている 置かれている状況となっています。今日片付けます。多分。

ということで、ささっと部屋にある本の中で目についたものを紹介していきたいな、と思います!紹介するのは以下の本です。

 

 

 

『月にハミング』

初めて本を読んで自然に泣いた、超感動作。今でも読み返しますし、大好きな本です。

第一次対戦中を舞台に、史実をベースにした戦争の悲劇を描いた感動作。人魚伝説のある島にたどり着いた、何も喋らない少女ルーシーが主人公となっています。

chirpspring.hatenablog.com

 

『魔法使いのチョコレートケーキ』

家族も大好きな本です。石井桃子さん訳で、あたたかい、でもどこかほんのりと切ない話が多く含まれています。言葉も綺麗で、子供が読んでももちろん、大人が読んでも楽しめる本です。

どこかしんみりとした気持ちになります。

 

 

獣の奏者(外伝含む)』

言わずと知れた上橋菜穂子さんの大作。音色を奏でて獣と心を通じ合わせることのできる緑の目をした女の子の話です。小4の時に読んで、そこからどハマりしています。今でも読めば毎回その美しさと壮大さに驚かされますし、あっという間に引き込まれます。

4巻ありますが、まずは最初の2巻を読んでみてください。4巻全部終わったら、外伝の「刹那」を読むとまた違った形の感動が待っています。

 

 

『敗北を抱きしめて』

日本の戦後史を描いた一冊です。戦後の占領政策の中での日本人の姿を客観的に表した本で、政治の観点のみならず様々な観点から物事が書かれています。貴重な写真なども載っていて、上下巻で分かれていますが歴史が好きなら一回は読んでおいて損はない本です。

 

 

『サピエンス全史』

このブログでもなんと7回に分けて感想を書きましたが、ユヴァル・ノア・ハラリさんによるヒトの誕生から今までの歴史を書いた本です。

初めて読んだタイプの本ではありましたが、スッと入ってきましたし色々と考えながら読むことができました。この本読了後、他にもいくつかの歴史考察書のようなものを読みましたが、そこで感じたのはこの本は数万年の歴史を数百ページにまとめているからこそ、入門書として使えるということです。この本を読んだことで、今も参考にできることは多くあります。上記の『敗北を〜』を読んでいても、通じるところがありました。

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うちのトコでは

都道府県を擬人化して描く、県民性漫画です。普通に勉強にもなりますし、単純に読んでいて面白いです。疲れた時などには時々読み返しています。私の部屋には漫画が数十冊ありますが、著者のもぐらさんの漫画(特にこのシリーズ)が一番読む頻度が高いです。

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ひとまずはこんなところでしょうか…。

 

 

あ、あと、忘れてはいけないのが有川浩はやみねかおる

有川浩はまず『図書館戦争』、もしくは『阪急電車』『キケン』などがおすすめです。(有川浩は全部本当におすすめですが。)

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はやみねかおるはどれも良いですが、今も刊行されている『都会のトム&ソーヤ』シリーズがおすすめ。どちらの作家も、本当に何を読んでもハズレがないと思っています。

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ということで、数冊紹介してきたので、今日はこの辺で!

この夏休み中に今ある積読本を全部読んで、感想をまとめていきたいです!

 

最後までお読みくださりありがとうございました。知っている本はあったでしょうか。面白そう、と思った本があれば、ぜひ読んでみてください!

 

 

 

今週のお題「本棚の中身」

UWC ISAK Japan -pre IB (G10) の学習内容まとめ

 こんにちは。今日は、私の在籍している学校、UWC ISAK Japanについて書いていこうと思います。

 

 

UWC ISAK Japanとは、UWC系列の学校で、軽井沢にある全寮制のインターナショナルスクールです。高校1年生〜高校3年生(G10~G12)が在籍しており、夏が学年開始の時期です。

 

uwcisak.jp

 

少し前に、私の学校では卒業式が行われました。そして、その後二週間の授業が高校一年生と二年生にはあり、ようやく先日学年を修了したところです。

私のいたハウス(寮)には高校三年生が多かったため、来年からの寮生活がどうなるのか、少し不安ですが…(笑)

 

今回は、ISAKを一年間過ごしてみた感想の一つ目として、学習面について書いていきます。この後、人間関係だったり、その他思ったことについても書いていくつもりです!

 

それでは、今回はそれぞれの教科ごとに感想を書いていきます!

 

また前置きとして、私はISAKでの勉強に賛成するところもあれば、おかしいのではと思うところもあります。よって、少し否定的に取れるような部分があるかもしれません。ですが、これは完全に個人の意見であって、学年40人以上いるうちの一つの意見だと言うことをご承知ください。

 

ISAKのG10には、10個の基本教科と、2個の少し特殊な教科がありました。

 

Japanese~Leading with Othersまでが、G10の基本教科です。

一つずつまとめていきます。

 

Japanese

 

その名の通り、Japaneseは日本語の授業です。基本的に週に2回あります。

3つのクラスに分かれていて、私が在籍していたJapanese 3は、義務教育を日本語で修了した生徒を対象としています。Japanese 1は初めて日本語に触れる人を主な対象に、Japanese 2は日常会話がある程度こなせる人が対象です。

 

この授業では、自分のアイデンティティを知ることを目的に4冊の本(論説文)を扱いました。基本的に授業体系は変わらず、ディスカッションをメインとしています。全員読了後に章ごとにグループを組み、担当の章でグループとしての要約を発表、その後いくつか議題を考え、ディスカッションをするスタイルです。

続けていく中で、それぞれのグループごとにいくつか工夫を加えて行ったり、いつもとは違う流れにしたり、そう言った変化も見られました。ディスカッションと言っても、受験を経てISAKに集まる、しかもJapanese 3に入る生徒たちはバックグラウンドも考え方もある程度似ています。

その中でいかにディスカッションを面白くするか、もしくはいかにディスカッションを避けるか。それぞれの生徒の個性が出ていたと思います。

 

正直、国語の授業として学んだことがあったかと言われるとかなり微妙です。文法も教わりませんし、新しく入ってきた知識も教科書に載っているようなことはほとんどありません。もともと文章を書くことにはある程度慣れているので、作文(期末課題は毎回作文です)でもそこまで指導を受けることは多くありませんでした。

ですが、自分にとって収穫になったこともありました。

記事にしたこともありますが、月一で書かなければいけない読書ノート。今まで書いたことのない形式だったのですが、「書きたくない」と「書けない」は別物です。「書けない」と言いたくはないので、自分の書きたい文章と、そうでない文章を意識しながら文を作っていくようにしました。

 

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自分が書きたいことがその本の構成だったり使われている語彙だったとしても、求められているのはその本の内容に対して純粋に読んでいて思ったこと。文学作品でそれをやるのは、私にとってはかなり大変ですし、読めば読むほど逆に文章の素晴らしさだったり工夫に惹きつけられていきます。

でも、「書けない」ことがなくなるように、意識して求められているものに合わせました。それがうまくいったこともありましたし、読書ノートに限らず、いい意味でも悪い意味でも「合わせる」ことが上手くなったと思います。「合わせる」ことは時にとても簡単ですが、時に難しくなることもあります。

 

また、最後の本を扱っている間に、私が個人的に調べたいこともあり、先生と相談したのち、授業中にディスカッションなどにあまり参加しないでも良いことになりました。もちろんクラスに了解は取りましたが、発言などを含むいくつかのタスクを毎回やることを前提に、自分の調べたいことを自由に調べられるようになったのでその点については嬉しかったです。

どの授業にも通じることですが、通常とは違う授業をやっているのですから、文句が出てもおかしくありません。でも、文句を言う間にできることもあるのかな、と思っています。例えば、先生との交渉とか。

 

English -英語

 

それでは、英語について!この教科もJapaneseと同じく、1~3まで分けられています。

なぜか私は最初からEnglish 2に入れられていて驚きました。謙遜でもなんでもなく、明らかに私より英語ができる人がEnglish 1にいたり、内容が全くわからなかったり…。少なくとも最初の1ヶ月は、授業中に使われるスライドがなかったら何もわからなかったと思います。

なんでそんなにわからないかというと、最初から使われる単語が知らないものが多かったからです。Englishの授業で使うのは、日本語で言うと例えば「倒置、韻、比喩、品詞、頭括型」などの言葉。それが、事前知識なしに英語で飛び込んでくるんですから、わからないよな〜と思います。

 

特に最初の方はエッセイを書いたり、小説を書いたり、本の感想(どちらかというと分析?)が多いので、大変です。ただ、あまりに身構えすぎていたところもあり、途中からは意外とついていけるな、と言う感触もありました。

そして、コロナの関係で外国にいる生徒が来る時期もわからなくなり、時差に配慮してクラスを組み直した結果、私を含む学校にいた生徒は全員English 3に移動となりました。

ちょうどその時期から、シェイクスピアの作品の分析などに移っていたので、難しすぎることもなく、シェイクスピアの読んでいた作品だったので内容がわからなくなることもあまりなく、良い成績とは言えないまでも、なんとかついていけるようにはなっていました。

どんだけ難しいクラスに入っても、本当にきつかったらもう少し簡単なクラスにも移してくれるし、とりあえずそのままクラスに残っても気づいたら意外とついていけるし成長できるし。

諦めも肝心だけど、それがチャンスなのかの見極めも大事です。

 

Math

 

この教科は、特に日本の学校出身者にとっては1番の鬼門だと思います。

特に一年の最初の方は、簡単すぎます。習う内容が。

イギリスの小学校に昔編入した時も同じ気持ちでしたが、やっぱり日本を含む東アジアの教育はペーパーテストに強いです。ISAKのように習う内容を世界中からの生徒を対象にすると、私を含む日本出身の生徒にとっては一年前に習ったことも含まれています。例えば、(x+y)(x-y)などの中学範囲を、ISAKの数学の最初の方の授業でやりました。

 

受ける気がしない授業ってこう言うことか、と思った時も何回かありました。

でも、交渉して自分たちだけ違う内容のものを受けさせてくれと言えるだけの自信も英語力もやる気もない。

結局、文句を言いながら何も出来ませんでした

途中からは、グラフを作る統計的な作業に移ったりしましたし、個人的には作業は好きなのでそこまで苦痛ではありませんでしたが、作業が苦手な友達には少し大変だったようです。

サイン・コサイン・タンジェントを習った時は、やっと…!と言う気持ちになりました。

 

この時間を、合法的な自習にうつせたりするとよかったのかな〜と思います。この授業に限らず、今まで中学でやってきたような「点の取れる」勉強は、ISAKでは不安になる程しません。必要な授業と、そうでない授業の見極めは大切だと思います。授業をサボる人もいれば、授業中に他の勉強を少しずつやる(私はこれでした)人もいました。

個人的には授業はサボりたくないので、教員と話して解決策を見つけるのが一番良いと思いますが…。

 

Humanities

 

この教科は、ISAKで好きな教科のうちの一つでした。担当の先生がとても良い先生ということを差し置いても、好きな教科です。

基本的に、この教科では単元ごとに少し学んだ後、単元のテーマに沿ったエッセイを自分で内容も決めて書きます

例えば、一番最初のテーマはActivist(活動家)についてでした。何人かの活動家について学びシェアした後、私はエマ・ワトソンを活動家として、その人についてのエッセイを書きました。少し前には、平和と衝突(Peace and conflict)という単元があり、その際は「昭和天皇の戦争責任」について自分で調べてエッセイにしました。

ちなみに、ここでのエッセイとは「随筆」の意味ではなく、「レポート、論文」を指します。

 

主に近代以降の歴史を中心にテーマごとに勉強を進めますが、時折経済だったり政治的概念などについても学びます。

経済、イデオロギー(民主主義、社会主義など)のように全員で学ぶこともありますが、単元の後半は基本的に自分でテーマを決め、それについて各自学習していきます。

自分が調べていて楽しいテーマを見つけられると、本当に楽しいです天皇の戦争責任について調べているときも、このテーマにして良かったと思いました。

人文という意味のあるHumanitiesなので当たり前ですが、歴史が好きな人は楽しめる教科だと思います!

 

Science

 

理科は、今まで英語を使っていなかった場合、少しきついと思います。

私も、一学期末にもらった成績は、理科と英語が特に改善の余地がありました。使われる単語は日常で使わないものが多いため、それ専用の勉強をしないと内容はわかっていても英語でつまづきます。

 

内容は、数学と同じようにある程度今まで習ってきた内容が多いです。もちろんそれ以外のものもありますが、大抵は知っていることでした。ただ、理解していればいるほど、その単語を日本語から英語に変換しなければいけません。

自分としても、まだISAKでの理科を習得したとは思っていません。単純に単語が出来なさすぎるので。

もともと中学校にいた際は理科が好きだったので、その分ISAKでの理科では自分の悪い部分がよく見えました。今までは授業の終わりに先生に毎回何かしら質問していたはずが、ここでは英語が理解できないのと、理解しようとしないのと、余裕がないのが重なって、質問をほとんどしていません。その変わりように気づいた時は、少し驚いたし、悲しかったです。

来年度、どうにかしたいし、どうにかするため勉強します!!

 

Art

 

美術の授業です。パソコンを使って、写真の編集技術を習ったり、絵を描いて、それを最終的には木の板に描いて大きめの作品にしたりします。パソコンで習った写真の編集技術などは、かなり面白かったですし、今でもその時に使ったアプリを使っています。

普通に役に立つこともある一方、個人的に自分の絵を含めた創作能力を全く信頼していないため、絵の授業になった時はちょっと残念でした…。

でも、Artの授業は、この一年で一番先生にとって大変だったと思います。最初の方は海外の生徒が来れないとわかっていたためパソコンでできるものを扱っていましたが、生徒が全員揃ってからもコロナで休校やオンラインが続いたため、途中までやっていた単元も中止するほかなくなりました。運動は家でもできますが、美術の制作は道具もなければ対面でないと協力もできないので…。

最後の方は家でできる課題(ゴミを利用して自分の似顔絵を作る/ 用意された質問について、文章を読んで答えるなど)が多く、やっぱり対面授業が一番だなと感じました。

 

通常なら音楽・美術・書道を選択できるはずですが、ここでは美術のみです。書道を受けられるなら受けてみたいとも思いますが、そう言ったことを差し置いて、授業として普通に楽しかったです!

 

Information Science

 

この授業では、一年の前半にインターネットを利用した資料の見つけ方、後半にプログラミングを学びます。

edXのCS50というプログラミングコースを受けたことがあったため、そこまで苦労はしませんでしたが、楽しかったです。

特に、インターネット上での資料の見つけ方は、今までそう言ったものに触れてこなかったので、とても参考になりました。Google Scholarやニュースサイトなどは知っていても、Gale In ContextやJstor、CiNii、ERICなどの論文を検索できるサービスは、そもそもそう言ったサービスの存在すら知りませんでした。

英語メインということもあると思いますが、アメリカからの同級生はすでに使いこなしているのに、日本の公立中学ではこう言ったことを知らなくても良い(論文はあまり書かないはずです)ため、そこでのズレというか、差を感じました。

 

www.gale.com

cir.nii.ac.jp

 

プログラミングはクラスメイトの中での合う・合わないがはっきりと出ていて、面白かったです。自分自身もかなり忘れているところがあったため、また勉強し直さなきゃな、と感じました

 

P.E.

 

体育は、別に何かが違うわけでもなく、普通に授業を行います。強いていうなら、全てのチーム分けが男女で分かれておらず、混合であるというところでしょうか。

授業の最初に少し走るとこなど、先生が日本出身であることも相まって、今までと同じように受けることができました。バスケ、バレー、バドミントン、長距離、ダンス、、、。コロナの影響で、いくつかはほとんどできませんでしたが、もう実技科目がコロナで影響を受けるのはしょうがないことでもありますよね…。

来年からは国際バカロレア教育が始まるので、数少ない、来年からも変わらず受ける教科です!

 

Leading Self, Leading with Others

 

この二つの教科は、Leadership classと言って、ISAKのキャッチコピーの一つでもある「リーダーシップ」を育てるための授業です。

Leading Selfでは、主に自分の内面の制御の仕方や人との関わり方について学び、Leading with Othersではグループの中での動き方や、プロジェクトに人を惹きつける方法などについて学びます。

 

この2つの授業は、ISAKらしさがよく見えた授業だったと思います。

この授業をめぐって、私の学年ではいろいろな議論がありました。肯定派もいれば、否定はもいて、役に立つのかわからないという人も多くいました。かくいう私も、すでに感覚として知っていることを言葉にして教えてもらっているという印象があり、学びになったと一言で言うのは難しいです。

このリーダーシップクラスにはいくつかの問題点がありました。また、クラスのみでなく、先生の指導の方法も学年の中では評判がかなり分かれていました。私はこの二つのクラスをどちらかというと苦手なクラスとして受けていたので、愚痴にしないためにもここら辺でやめておきます。

それでは、なぜ「ISAKらしさが見えた」とかいたのか。

ISAKにはこの授業も含め、いろいろな改善できるポイントがあります。新しい学校なのですから問題があるのは当たり前ですが、驚くようなことがいくつも起こりました。そのうちの一つに、この授業内で起こったことがありました。

でも、そう言ったことに対して生徒側がデータを集め、他の生徒から話を聞き、そして行動を起こしている。その流れが間近でみられるのは、本当に嬉しいです。

そう言った動きの中心となっている生徒、周りでさまざまな面から手助けしている生徒。どういう風に学校の校長や理事と話をつけるのか。どういう時に連絡するのか。そう言った流れを見ていると勉強になります。問題があっても、生徒が解決しようとするところはISAKの魅力の一つかも。

 

それに、この授業があって良かったと思ったことの一つに、同級生について知るきっかけになったことが挙げられと思います。例えばSelfでは今までの自分の分岐点となってきた過去を振り返るという授業があり、その授業内で友達の意外な経験を知ることになったりしました。Othersでは、自分のやっているプロジェクトを始めた理由をまとめてスピーチにするという授業があり、それも同級生を知るのに役立ったかもしれません。

また、Othersで行った授業の派生として、来年はアニメ好きの友達数人とアニメクラブを作る計画を考えたので、実行に移せるような移すかも…?

 

Hirameki, G10 Service

 

Leadership classまでが毎年G10(高校一年生)が受ける授業ですが、その他にも私の学年では、HiramekiというクラスとServiceというクラスがありました。

Hiramekiは、私の学年から始まった授業で、テーマに沿ったプロジェクトを自分ではじめるためのものです。この授業中に自分のファッションブランドを作ろうとした生徒もいれば、アニメを作ろうとした生徒もいます。

その名の通り、「ひらめき」を大切にしようというコンセプトの授業です。

 

そしてG10 ServiceもHiramekiと同じような内容のクラス。ただ、全ての授業が自分で内容を決められるわけではなく、最初の方はISAK敷地内の森に関する活動をし、途中の方では起業家精神について実際に起業した方々を招いて学習しました。

後半では、Hirameki、そしてHumanitiesと繋がり、三つの授業を交差して一つのプロジェクトをやるという授業に移っていきました。プロジェクトを進める際にメンバー間で共有しておくべき目標や道筋をどうやって決めるか、残しておくかなど、いくつかの指導やサポートが入ります。

私のクラスメイトの中には、ISAKの近くにスーパーマーケットを作ろうとする生徒や、ポッドキャストを開いた生徒もいました。それぞれが自分の興味のあることなどを考えているので、話を聞いていると面白かったりもします。

 

 

ということで、以上がISAKのG10での授業をまとめたものとなります。

如何せん、今まで教科書を使わない勉強をしたことがなく、個人的には教科書を使う勉強も大好きなので、戸惑いもかなり大きかったです。

本当にこれで勉強になっているのか、自分が成長しているのかと言われると、微妙なところもあります。私は知識大好き人間でもあるので。

 

でも、実際に参考になったことはいっぱいありました。授業を生徒がいろいろな形で面白くしようとしている姿や、変えようとしている姿。学校の管理職に話を持っていくような真面目なものから、授業中に課題をやらなかった人にダンスを踊らせると言ったもの(これは、結局踊る気のあった一人だけ踊りました)まで。

単純に、ISAKに来ている人って大体が賢いです。いろいろな意味で。だから、俯瞰している人に話を聞いても面白ければ、いかにも面白そうな人に話を聞いても当然面白い。

そして、考え方が似ている人も一定数いるため、議論が発展しやすい。(一方向に発展しやすいので注意が必要ですが。)

 

合う合わないは人によて違うと思いますし、私にISAKでの授業が完璧にあっているとは言えません。でも、楽しい面もあったことに間違いはないです。

 

最後までお読みくださりありがとうございました。来年からはIB(国際バカロレア)が始まります。またG10とは全然違う方法での勉強となります。すごい楽しみだし、不安も大きいです。とりあえず、なんとかなるでしょうという精神で今までやってきたので、これからもその通り頑張っていきたいです!

 

一日一読はじめました!4月の読書本ふりかえり。やっぱり本が好き。

 こんにちは!お久しぶりです…。やっぱり記事の投稿はなんとなく後回しになっちゃうので、もっと日々思ってることとか書いて行けたらな〜と思っています。

 

 今、私の学校はコロナのせいでかなりずっと隔離状態です。4月の間はかなり長い隔離があり自宅に戻っていて、帰ってきたらまた隔離が数日前に始まって…。ちょっと悲しいです。後1ヶ月でISAKのこの学年も終わるのに…。でも、この状況でもIBの成績を決める試験(ちょうど今真っ最中!)に望んでいる先輩方には尊敬しかありません!

 

 それでは、今回は今月読んだいくつかの本を紹介していきたいと思います。

実は、今月の第3週から、読書ノートをつけるようになりました。隔離の期間を楽しく過ごすため、自分で意識して本を読むようになったからです。

ということで、4月の下半月で読んだ本は15冊。ちょうど4/16から始めて、一日一冊読んで来ました。その中で、自分なりに何冊か紹介していきたいと思います。ジャンルごとに一冊紹介できれば…と思っているのですが、もしかしたらどこかで決められず被ってしまうかもしれません(笑)

また、ここにあげた本もあげなかった本も、詳しくまたどこかで感想の記事を書くかもです!

 

目次

 

岩波少年文庫から、日常を描いた戦争のお話。

小説はいくつか読みましたが、その中でも一番好きだったのはハンス・ペーター・リヒターの『あのころはフリードリヒがいた』

 

 

舞台は、第二次世界大戦ごろのドイツです。

そして、著者は1925年にドイツで生まれた、小説家兼社会学者。

この基本情報と、題名から、やりきれなさがよくわかると思います。題材は、ユダヤ人への迫害。

 

この本を読んだ後の、私のノートに書いた感想はこちらです。

 

本当にめまぐるしく、だけどじわじわと、何かが迫ってくる感じがある。

正直結末はある程度予想していたけど、思ったよりも呆気なく気づいたら終わっていた。

シュナイダーのおばさんもフリードリヒも、命は本当に呆気なく、すぐに消えてしまう。あの少しずつ確実に飲み込まれてる空気の中で、できることはあったのかな。なかったのかな。

 

読みたくないし、目を背けたいけど、

ページをめくることをやめられない。それでも読んでいて辛くなる本。

 

書いた通りです。

書いている題材は、ユダヤ人への迫害。それ自体は私たちにとっては非日常のものです。戦争なんだから、当たり前ですが。

でも、彼らにとってはそれが日常で、しかも気づかないうちに蛇に首を絞められているよう。だって、気づかないままユダヤ人迫害に加担したりしてしまうんですから。

 

長野県の新聞で、一時期「御嶽海」という大関が猛プッシュされていて、連日連日御嶽海のオンパレードでした。それこそ、どこかで売ったらファンに買ってもらえるのでは、というくらいに。

私の両親も、毎日新聞を読んでいるのでふとした時に御嶽海の勝敗が気になってスマホで調べたり。ここまで相撲の話題が出てくるのは我が家では初めてのこと。

 

別にそれをどうこういうつもりは本当にないのですが、それをみて、メディアの影響ってすごいな、と思いました。日常をそのまま過ごしているはずが、気づいたら少しずつ何かに染まってきている。

その染まっているものに登場人物たちは気づかないでいるけど、私たち読み手は第三者だからなんとなく違和感がこびりつきます。

そうして、次第に人がどんどん消えていって、あっけないラストが来る。

 

淡々と、ただ淡々と、何かがうねっておかしくなっていく。でも、私がそこにいたとして、何か手が打てたのでしょうか。一人だけ波に逆らい、それはおかしいと叫べたんでしょうか。そもそも、それがおかしいと気づけたのでしょうか。

正直、私の中にある答えは、、、。自分で書いていても恥ずかしいので、名言はしませんが。

でも、もし次フリードリヒが私の周りで生まれたら、何ができるのか。それは考えていかなければいけないことかな、と思っています。続編もあるらしいので(三部作だそうです)、読んでいきたいです!

 

ちなみに、アンネに関する本も二冊4月には読んだので、それらの感想も違う記事で書いていきたいです。読んだのは、

『アンネフランクに会いに行く』(谷口長世 -岩波ジュニア新書)

『アンネナプキンの社会史』(小野清美)

の二冊です。かなり面白かった本なので、記事を書くのが楽しみです!

 

 

岩波ジュニア新書より。この本に出会えて、本当によかった!!!

さて、お次は、岩波ジュニア新書よりどハマりした本を一冊。

『漢字ハカセ、研究者になる』。国字研究の第一人者である、笹原宏之さんの書いた新書です。

 

 

今年の3月発売ですが、この本は本当に読めてよかったと思っています。

とにかく、めちゃくちゃいい本です。漢字への愛がこれでもかというくらいに伝わってきます。

「好き」を原動力にできるのって、本当に強いですよね。この頃何回も思いますが、「好き」って限りなく大切で、影響力の強い気持ちだと思います。

 

まず、文章が好きです。ノンストップで読めて、すっと頭の中で情景が浮かんでくる。

これは新書のはずなのに、素晴らしい小説を読んだ時のように、噛み砕く時に何も障壁がありません。

181ページ、東日本大震災の際の気持ちを書き記した場所は、とにかく良いです。

初めて新書で涙が出そうになりました。本当に、うるっときたんです。

少しのいつもとの差異で、命が助かった人もいれば、その逆もいる。それが、身にしみた部分でもありました。

 

なんというか、うまく説明ができないけど、多分文章が私の好みなんだと思います。優しく入ってくる文章で、でもどこか硬いところもあって、大事なことを思い出させてくれる。「好き」の究極系を垣間見た気分ですし、忘れちゃいけないことを思い出せる本な気もする。

もっといろんなことを知りたいし、好きなものを見つけたい。

そんな気持ちが溢れ出てきます。

 

あと、ちょっと笑えるのが、謙虚なファインマンさんっぽさ。

『ご冗談でしょう、ファインマンさん』という本のレビューを書いたことがありますが、このファインマンさん、サラッとノーベル賞を取った物理学者なのに、芸術で個展を開いたり、初めて弾いた楽器でサンフランシスコの楽器団に誘われたりしています。いわゆる、ムカつくほどの天才なんですよね。

 

chirpspring.hatenablog.com

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この笹原さんがそうかは分かりませんが、この人にもさらっと「いや、それはできないって…」みたいな行動があったりしちゃう。

読んでいて、面白いと同時にちょっと打ちのめされちゃうみたいな部分もありました。優しい、腰が低い文章なのに、無意識に他人をぶちのめしちゃうようなところも大好きです!

(個人の感想ということを忘れないでください。)

 

何回も言いますが、この本は本当に読めてよかったです。初めてファンレターを送りたいと思いました。(今書いてる途中なので、送ったら追記します。でも、学校中が隔離のせいで郵便ポストにいけない…泣)

新書の中では、一番と言っていいほど好きな本です。出会えてよかった!

 

 

やっと読めた、待望のエッセイ:読書と教育について

次に紹介するのは、ダニエル・ペナックによる『ペナック先生の愉快な愉快な読書法 -読者の権利10箇条』。

 

 

この本、実は3月ごろに会った方にすごくお勧めされていて、絶対に読んでやる!!と思っていた本です。親に頼んで買ってもらい、ネットで届いたものを読みました。内容は、作家でもあり、先生もしていたダニエル・ペナックが自分の国語の授業の内容などを含めた思っていることをつらつらと語っていくエッセイ。

 

私はこの頃学校図書館と、読書教育に興味があります。そう言った身からすると、このエッセイは色々な意味で面白かったです。

読書するとはどういうことか、読書を自らするということはどういうことか。

そう言ったことがペナック先生の視点で描かれていて、賛成するところもあれば、首を傾げたところもありました。

一番記憶に残っているのは、「朗読」についての記述です。

私は朗読がかなり好きなのですが、この頃は朗読をする機会も全くありません。もちろん機会を与えられてやるものではなくても、朗読をするのも聞くのも、寮生活だとちょっと恥ずかしいというか…限界があります。でも、本の中で説かれていた「本を読めという命令ではなく、本を朗読している先生の時間を共有する」というコンセプトはかなり納得しましたし、賛成できました。

 

そして、この本の醍醐味はやっぱり副題にもなっている「読者の権利10箇条」だと思います。

  1. 読まない権利
  2. 飛ばし読みする権利
  3. 読み終えない権利
  4. 読み直す権利
  5. なんでも読む権利
  6. 本の世界に染まる権利
  7. どこで読んでもいい権利
  8. 拾い読みする権利
  9. 声に出して読む権利
  10. 読んだことを黙っておく権利

これらの権利は、本を読む人にとっても読まない人にとっても大切なものです。

私は、この権利を知ってから本を読むことを自分でより決められるようになりました。義務感から本を読むのではなく、数ある選択肢の中から自分で本を読むようになったんです。

重要だな、と思います。当たり前のことかもしれないけど、こうして文字にして意識の片隅に置いていくと読書が気楽になるかもしれません。

 

正直、待ち望んでいた割には、この本の良さを全て理解できたという気は全くしません。まだ一回しか読んでいないんです。

親に「自分たちも読みたいから寮には持っていくな」と言われたので、残念ながらあまり読み返していない…。(もちろん不平不満はありません。ええ、ないです。)

でも、100回読んで、ペナック先生の考えをしっかり理解できたら、もっと本を読むことが楽しめると思います。

本を愛す人になりたいです。なれたらいいな。

 

最後に、この本から学んだことを一つ。

「読む」は「読みなさい」には耐えられない。

 

 

これは秀逸!!インテリには読んでもらいたい本。

最後に紹介するのは、分類が難しいんですが、実用書…??雑学本なのかな??

堀本見の『教養(インテリ)悪口本』です。この本、その名の通り教養のあるインテリ向けの悪口が書き連ねられている本。

 

 

と言っても変なものではなく(いや、あるのか?)、ちょっとした悪口を綺麗に(教養を使って)言おうという本です。家族が何回か話題に出していて、自分だけ「青鯖が空に浮かんだような顔」が通じないのが悔しかったので、読んでみました。

 

かなり面白いし、紹介されているエピソードがいちいち秀逸なので是非読んでもらいたいです。雑学本のようなものかな。

ただ一つ注意したいのが、この本、基本的に悪口として使用する場面に限っているため、話半分で読まないと少し消耗するかもしれません。まあ、ずっと悪口見ていたい人なんてあんまりいませんよね…。

 

うわ、これ自分やん、と思ったのが、

ボキャブラリーをスタックで管理している」という悪口。

対象は、「最近憶えた言葉ばっかり出てきちゃう人」です。これに関する解説がこちら。

「一番最後に積んだものを一番最初に処理する」のが、スタックの本懐である。

ボキャブラリーをスタックで管理してるのかよ」は「最近憶えた言葉ばかり使いやがって!」のみならず、「お前のボキャブラリー貧弱すぎん?」というメッセージも同時に伝えられるのである。実に重厚で、深みのあるインテリ悪口であると言えるだろう。

 

まあ、、しょうがないですよ!だって、新しく覚えた言葉なんて使わないと覚えらんないんですから。

こんな感じで、インテリ悪口が何個も載っています。実際に家で使われたのは、

「青鯖が空に浮かんだような顔」

「ヘロストラトスの名声」

鹿鳴館精神」

などなどでした。意味がわからない…という方は、是非本書を読んで使い道を想像してみてください。ちなみに、「青鯖が空に浮かんだような顔」は、中原中也が酔って太宰治に言った悪口です。

…太宰ぃぃぃ。なに言われちゃってるんですか、言い返してくださいよ!

みたいな気持ちになるのは私が太宰作品が大好きだからなのでしょうか…。それにしても、咄嗟にこれが出る中也はさすがですよね。もう青鯖が太宰の写真を見るたびに思い出されます。

 

職場編から恋愛編、飲み会編、娯楽編など、計六つの章に分かれてインテリ悪口が提唱されています。ぽろっと、「こんな悪口を機転をきかせて思いつけるようになりたい」と言ったら、親に「ここに書かれてることをそのまま言うのっていかにも教養のない人じゃない?」って言われたので、実用書ではなく雑学本として読むことを強くお勧めします!!

 

 

まとめ!

と言うことで、以上4月下半月に読んだ本からおすすめの本を数冊選んできました。名前だけ出した本などもあるので、もう少しブクレポを描いていこうと思っています。世界中の本を読んでみたいけど、それは無理なのでまずは自分の興味のある本をどんどん読んでいきます!

おすすめの本等ありましたら、是非教えてください!正直、隔離が続いてもう飽き飽きしているので…(笑)

それでは、数枚この頃撮った春の写真を載せて、お開きとしたいと思います!

みなさんはGWの途中でしょうか。ISAKでは祝日がないので、私はオンライン授業を受けていますが、みなさんがのんびりと過ごせているといいな〜と思っています。

 

 

(友達とキャンパスの周りを散歩した際に撮りました。ちょうど夕暮れ時で、色々な雰囲気の桜がみられたかな、と思います。)

 

最後までお読みくださり、ありがとうございました。気になる本はあったでしょうか。自信を持っておすすめできる本ばかりなので、手に取ってくださると嬉しいです。次の記事も読んでくださるとありがたいです!

心をほぐす随筆のアンソロジー:『コーヒーと随筆』

こんにちは!今日もお疲れ様です!

更新頻度上げていきます!…って言っても、なかなかすぐには上がらないですね(笑)

 

 

今日は、そんな日々の中で読んだぜひおすすめしたい本を紹介していきます!

読んだ本は、『コーヒーと随筆』庄野雄治編。

この本、久しぶりにめちゃくちゃハマって、親にもすごい勢いで進めた本でした。

 

 

どれくらい「久しぶりにめちゃくちゃ」かというと、記憶を辿っても一冊を親に激推ししたのって、小6のマイケル・モーパーゴ『月にハミング』以来なんですよね。

 

chirpspring.hatenablog.com

 

その際は「死ぬ前に読まなきゃ後悔する」と言って親に読ませました。

 

この『コーヒーと随筆』も、死ぬ前に…とまでは言いませんでしたが、やはりすごく面白かった本です。

今回は、この随筆アンソロジーについて記事を書いていきます!

 

 

まず、この本の概要について。

庄野雄治さんが編集した、近代の随筆を集めたアンソロジーになっています。

いわゆる超有名な文豪たちのエッセイが集まっていて、意外な一面もあったり、思わず笑っちゃうところもあったり…。

 

この庄野雄治さん、編者紹介のところを見ると、かなり意外な経歴が載っていました。

1969年徳島県生まれ。大学卒業後、旅行会社に勤務。

2004年に焙煎機を購入し、コーヒーの焙煎を始める。

ここまではいいんです。

今の職業は、

2014年同じく徳島市内に「14g」を開店。

コーヒーロースター。

だそうで。

前書きでも、確かに「コーヒー屋」と名乗っています。

 

選ばれている随筆、その流れ、色々な点から、作家さんでなくても文学に関係するお仕事をやられているのかな、と思っていたらまさかのコーヒーロースターさんでした。

だから、『コーヒーと』なんだ…納得です。

(前書きの内容を途中から忘れていました、、、ごめんなさい。)

 

そんなコーヒーの専門家の方が選んだアンソロジー、『コーヒーと随筆』。

中身は、錚々たる文豪たちによる随筆の宝庫。

まさに序文の通り、

繰り返し読める随筆集

となっています。

 

以下が、収録されている作品の一部。

 

著者陣を見た時、「こんなに豪華なんだ!」って思いました。

普段は少し敷居が高くて、ちょっと躊躇うような「文豪」の人たちの作品も、この本を読んでからだと少し印象が変わるかもしれません。

100年近く前に書かれた作品も多くあります。

それでも、その面白さが全く損なわれないのは、この随筆アンソロジーの並べ方もあるのでしょう。

 

読んでいくうちに今までの硬いイメージと異なった文章に触れていき、「あれ?」となる。

 

そして、少しずつそれぞれの随筆の中に共通点が出ていきます。

読み終わった時の感覚は、もうたまらないです。

 

まず、一番最初の「畜犬談」インパクトたるや、素晴らしいものがありました。

太宰治のイメージって、基本的には走れメロス」「人間失格などがあると思います。かなり暗いというか、ちょっと特徴的な作風が知られているのかも。

この「畜犬談」は、太宰のキャラクターが好きになる作品だと思います。

いつもの暗い、苦しくなるような作品とは違い、ユーモアに溢れた、つい笑っちゃうような作品。

「畜犬談」を読むと、太宰のイメージは一変すると思います。

卑屈さも備えつつ、弱々しさと優しさも少しずつ出しつつ、最終的にはどうしても本音を捨てられない。

「可愛い」「ツンデレ」なんて言葉は太宰にはあまり使われませんが、この話にはそう言った要素もあるかもしれません。ユーモアに溢れる作品です。

 

ちなみに私は太宰の作品が大好きなので、以下の記事も興味があれば読んでみてください!

chirpspring.hatenablog.com

 

この作品で、一気に惹きつけられて読み進めていくと、北大路魯山人から織田作之助から、それまでのちょっと硬いイメージのあった人たちが日常を書き進めている随筆が並んでいきます。

 

特に芥川龍之介の「ピアノ」は秀逸でした。

芥川の文章を、私も読んでみたことはあるのですが、正直あまり好きにはなれなかったんです。

でも、この随筆はスッと入ってきて、読んでいて表現が心地よいとまで思いました。

また、震災の記憶が(私は実際には体験していないのにも関わらず)蘇ってきたような気がして、空恐ろしくなった作品でもあります。

クラシックを聴きながら読んでみたいな、という作品でした。

 

そして、一番最後に収録されているのは坂口安吾の「不良少年とキリスト」

この作品は、太宰の死についての作品です。

太宰が死んだことに対して感じたこと、太宰という人間に関しての分析、そして太宰のフツカヨイについて。

太宰へのイメージの変化で始まったこの『コーヒーと随筆』は、太宰の死への文章で終わります。

太宰と坂口安吾の仲が少しですが窺い知れる作品だと感じました。

すごい軽い感想に見えますが、太宰に死んでもらいたくなかったんだろうな、と。

 

ちなみに、この本は「文豪ストレイドッグス」が好きな方には特におすすめです。

『不良少年とキリスト』では、太宰、織田作、安吾が出てきますし、他にも何作もキャラクターとして文ストに出てきている人の作品が収録されていますし。

 

とにかく、この本は久しぶりにここまで惹き込まれる本にあった…というレベルで面白かったです。

随筆の縛りの中だと、一気に一番好きな本になったかも

ぜひ読んでみてください。

 

この編者さん、『コーヒーと小説』という本も出版しているそうです。これは、小説のアンソロジー。こちらもコーヒーが合う作品としてとても面白いのだとか…。

見つけ次第読んでみたいです!

残念ながら、『コーヒーと随筆』はコーヒーとともに楽しめなかったので、『小説』はコーヒーも一緒に楽しんでいきたい!

 

 

ということで、『コーヒーと随筆』の感想を書いてきました。

異彩を放つ作品群の並べ方、まとめ方からも、この本の素晴らしさ、編者の方の素晴らしさがわかるかと思います。

序文、結文も必読ものです。ぜひ、この傑作を読んでみていただけると嬉しいです。

 

新しいものは古くなるが、いいものは古くならない。この本に掲載されている随筆は全て半世紀以上前、中には百年以上前に書かれたものもある。これらの作品が、それを証明している。

(序文より)

 

どんどん移り変わっていくこの時代の中で、変わらないコーヒーの味と変わらない随筆の良さを味わっていただければな、と思います。

読めてよかったですし、この編者の方に心からの感謝を伝えたいです。

この方のホームページにも綺麗な文章がたくさん並んでいます!

www.travelers-company.com

 

最後までお読みくださりありがとうございました。この本が読めたことが本当に嬉しかったです!次からのシリーズ本も読んでいきたいです。

歴史を知る:なんで歴史は楽しいんだろう

 こんにちは!お久しぶりです、うぐいすです。

この頃書こうとしても何を書けばいいのかわからなくなってしまい、全く更新できていませんでした…。今回の記事も着地点が見えないまま書き出していますが、自分のために書いているものでもあるのでご容赦ください!

 

目次

 

はじめに

みなさん、『NHKオンデマンド』をご存知ですか?

NHKオンデマンドとは、NHKが放送した番組の一部をネット上で配信しているサービスのことです。

この頃学校でもコロナウイルスの影響が大きく、隔離の後にまた隔離、といった状況が続いています。つまらない時間をできるだけ減らすためにも、親に頼んで見せてもらっているのがこのサービスです。

 

www.nhk-ondemand.jp

 

私は、このサービスでいつも『プロフェッショナル』というシリーズや、歴史関係の番組を覗いています。料理関係の番組などもこの頃よく見ており、自炊してみたい気持ちと面倒くさい気持ちが半々…。

そして、今は上皇陛下の誕生から天皇退位までに関するドキュメンタリーを70分×4本みているところです。

感じたことがあったので、書いていきたいと思います。

 

今回この記事で書いていきたいのは、私にとっての『歴史』です。

 

歴史を学ぶことは、私にとって大きな意味のあることです。

小学校の学校図書館で一番初めに借りたのは、エリザベス女王1世の学習漫画でした。その頃から、歴史を学ぶことは好きでしたし、私自身に知識はそこまでないものの好きな授業の中に歴史は必ず入っていました。

この頃、そう言った自分の持っている知識や考えたことを通して「歴史」を学習すると、不思議な気持ちになることがあります。

 

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歴史を知る

歴史は、個人個人のなかにある。

これからいうことは、至極当然のことなのでしょう。

でも、歴史を学習するとき、特になんらかのビデオを見たり本を読んでいる時によく思うことがあります。

 

「ここの動画にいる人と、私は違う考えを持っている」

 

本当に、当たり前のことだと思うんです。

でも、例えば今の上皇陛下が天皇に即位された直後に沖縄を訪問した際の動画を見たとき。

 

沖縄県民を含む国民とともに 戦争のために亡くなった 

多くの人々の死を無にすることなく 

常に 自国と世界の歴史を理解し 平和を念願し続けていきたいものと思います」

 

そう言ったセリフをおっしゃっていました。

 

この時が、即位後4年経った1993年

結局沖縄に行けなかったことを嘆きつつも昭和天皇崩御したのが1989年

昭和天皇が沖縄に行くことを希望していたにも関わらず、病気で叶わなかったのが1987年。(下記wikipedia参照)

上皇陛下が立太子後初めて沖縄に訪れ、火炎瓶を投げつけられたのが1975年

沖縄独立が1972年

終戦1945年。

 

その後、病臥した1987年(昭和62年)秋に第42回国民体育大会(沖縄海邦国体)への臨席が予定されていたが、自ら訪沖することが不可能と判明したため皇太子明仁親王夫妻を名代として派遣し、「おことば」を伝えた。これに関して「思はざる 病となりぬ 沖縄を たづねて果さむ つとめありしを 」との御製が伝わり、深い悔恨の念が思われる。代理として訪沖した明仁親王は沖縄入りし代表者と会見した際、「確かにお預かりして詣りました」と手にした父帝の「おことば」をおし頂き、真摯にこれを代読した。

その死の床にあっても、「もう、ダメか」と自身の病状よりも沖縄巡幸を行えなかったことを嘆いていたという[112]

(Wikipediaより -昭和天皇 - Wikipedia)

 

今、今上天皇が上記の言葉を発したとしても、それは「2022年におっしゃられた言葉」です。

でも、その言葉と「1993年におっしゃられた言葉」は、一言一句違わなかったとしても、持つ意味が変わってくるはずです。

 

今上天皇は戦争を体験していませんが、上皇は戦争のない時代を終戦まで知りませんでした。そして特に、今は戦後80年近く経っており、当時の記憶が明確に思い出せる人も少なくなってきています。

しかし、当時は実際に沖縄で辛い思いをしてきた人や、日本全体でも戦争の記憶を色濃く受け継いでいる人が多くいたでしょう。

そう言った中で発せられた言葉の重みは、私が感じる言葉の重みとはまた違うはず。

 

同じ言葉でも、私が受け取る印象と他の人(当時の人)が受け取る印象は違います。

それは、歴史を知っていく中で、嬉しい点でもあり少し寂しい点でもあります。

 

私は割と昭和期の歴史に興味を持つことが多く、戦争に関する勉強や、テロ事件に関する勉強、さらには昭和天皇崩御時の社会の動きを調べたりすることがあるのですが、自分の受け取り方とはやはり違う点が多々あるんですよね。

 

 

www.youtube.com

(1993年の動画ではありませんが、ご参考までに!)

 

 

垣間見ていく、一人一人の歴史

 

昭和天皇崩御時に、17歳の少年が天皇陛下万歳と指に記して飛び降り自殺をした。

そう言った文章を読んだことがあります。

(今もう一回調べたらはっきりとした情報源が見つからなかったため、断言はできませんが。)

私は、その事実を起こった事実として受け入れることはできても、共感することはできません。天皇崩御による気持ちを推測することはできても、「そういう気持ちになるよね」と理解はできません。

 

上の例のように、その時代に発された言葉や行動、出来事を受け止めることはできても、そこから派生する感情を全て理解することはできません。

その出来事をなんらかの形で後世に残している人の気持ちだけを、垣間見れます。

 

全ての人の気持ちを知ることができない…

歴史を勉強している時に、残念な点でもあれば、だからこその面白い点でもあります。

私にとっての「醍醐味」というのかも。

 

一つの事実を知ったとしても、そこから調べられる人々の気持ちで、その事実の印象は少しずつ変わっていきます。

そして、その事実は決して独立したものではなく、それまでの流れからなる結果のうちの一つです。

 

例えば、先ほどあげた沖縄訪問時の上皇陛下のお言葉。

その言葉のみを知るのではなく、

 

何年の訪問だったのか、それまでに沖縄を天皇が訪問されたことはあったのか、

言葉の対象は何を経験してきた人々だったのか、その言葉の持つ意味とは何なのか、

 

そう言った言葉の裏の背景や、言葉の先にある感情を予測して初めて、

「知った」ということになると私は思っています。

 

先ほども書いた通り、言葉や事実の先にある感情は人それぞれです。

だからこそ、勉強すれば勉強するだけ、知識を得れば知識を得るだけ、色々な「歴史」を知っていくでしょう。

人の数だけ「歴史」はあると思うし、その中でも自ら歴史を残せる立場にあった人が、今一般に取り上げられているはず。

それでも、少し気になったことを探っていけば、探った分の新しい「歴史」が見えてきます。それは17歳でも天皇後追い自殺をするような思いもよらないものであったり、逆にそれまで持っていた印象を強化するようなものだったりもします。

 

そうやって新しい「歴史」を知ることが、本当に楽しいんです!

もちろん、戦争関連について調べたりしていると直視できない映像を見ることもよくありますし、難しくてよくわからなくなることも多々あります。

でも、結果的に何かを学んだ時がとても楽しい。だからやめられないし、「歴史」をもっと知りたくなる。

 

一人一人にとっての「歴史」は限りなくあって、それを知りたいと思った分だけ知ること。

やっぱり、それが歴史を学ぶことの醍醐味なのかな〜と思います。

 

 

結局やっているのは「人の意見を知る」こと

 

もちろん歴史の醍醐味は他にも多くありますし、歴史が好きな方ばかりではないでしょう。

でも、時代が違うだけで、色々な人の意見や思いを知ることってやっぱり重要だし、貴重な体験。

 

別に「歴史」って、20世紀以前でなければいけないわけではありません。

何かが時間の流れとともに移り変わっているなら、それはもう「歴史」となっていきます。

それこそ、今起こっているウクライナへの軍事侵攻。新型コロナウイルスの流行。数年後には教科書に載るでしょう。

そこまで大きいことではなくても、例えば2022年4月からの「都立高校のブラック校則撤廃」は、校則の歴史の一番新しいページとなるはず。

www3.nhk.or.jp

 

今起こっている事柄に関して、多方面からの意見を知る。

これもまた、「歴史を知る」ということだと思います。

 

この記事を書いて、結局言いたいことは「色々な意見を知る」こと

 

歴史の楽しみ方は無限大です。

事実を調べてそこから自分で想像しても楽しいし、人々の反応を調べて行くのも楽しいし、ただ年号を暗記するだけでも私は楽しいです!

今の学校ではあまり歴史を勉強する機会がないのですが、自分でまた歴史を学んでいきたいです!

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最後に

ということで、久しぶりにブログを書いてきました。文字数は今までより少ないですが、言いたいことが伝われば嬉しいです。

過去にあったことを知ることって、過去に生きた人たちの生き方を垣間見ることで、今の私たちにつながる何かを感じることで、これからの何かを想像することだと思います。

 

歴史はただの暗記科目という印象を持つ人も多いかもしれませんが、一回テストや受験から離れてもう一回歴史に触れてみると、少し変わるのかも。

 

この前、もう一回東京国立博物館に行ってきました。

そして、今はNHKオンデマンドで平成天皇のドキュメンタリーや、『映像の世紀』という番組を見ています。

歴史を「見る」経験をこの頃していると思うので、今度短い記事になるとは思いますが、歴史を見ることについても書いてみたいなと思っています!

 

最後までお読みくださりありがとうございました。うーん、ブログってどうやって書いてたっけ…と考えながら書いてみましたが、これからまたやる気を出して書いていく…ように頑張ります!次の記事も読んでくださると嬉しいです!

東京博物館②:展示品が豪華すぎました

こんにちは。課題が一個終わって、ほっとした気持ちで過ごしています…!

 

今日は、前回出した東博の感想の続きを書いていこうと思います。

展示品一つ一つに注目して、少しネタバレ的な内容にもなっています。

写真等もバンバン出るので、楽しみにしておきたい方はぜひ残りはとっておいて東博観覧予約をしてみてください!

 

chirpspring.hatenablog.com

 

前回の記事でも書いた通り、東博は本当に大きいです。

その中でじっくりみれたのも、一部だけ。ここから紹介することだけが東博の魅力ではありません。

それを頭の隅っこに留めてもらって、東博の凄さをより実感してくれると嬉しいです!

 

まず一番最初にすごいと思った展示作品は、やっぱり仏像です。

私が一番最初に入った展示室11番は、そう言った仏像が多く入っている展示室でした。その上で、やっぱり照明が綺麗なんですよね。

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仏像と一言に言っても、色々なサイズのものがあります。でも、飾られていたのはそれこそ国宝、重文のとても大きいもの。

弥勒菩薩だったり不動明王だったり(すみません、記憶で書いてるので違うかもしれないです)が多く並んでいて、「この仏像は平安時代の目の形の特徴がこういうふうに出ています」と言ったような特徴が載ってある説明文も。

 

みていて、圧倒的な迫力に押される時もあれば、綺麗な目の形に感嘆する時もあり。みていて本当にあきません。できれば、全てを目に焼き付けて帰りたかったんですが、そこまでの記憶力の持ち主ではないため、ちょっとそれは難しかったです。残念…。

 

 

あと、先ほどもちらっと言いましたが、照明が綺麗

色が少しずつ違ってるんですよね。保存のためかわかりませんが、色がオレンジがかっていたり、少し暗かったり、場所によって違いました。

横から見るとちょうど彫刻に後光がさしたようになっていて、色々な角度から楽しめます。それも綺麗に写真に撮りたかったんだけど、ちょっとうまくいきませんでした…。

 

そして展示室11を過ぎると、さまざまな模様の入った蒔絵箱や、昔使われた大判小判、刀やかんざしなどの服飾品、皿などの陶磁器まで綺麗に展示されていました。

 

どれもすごくみていて楽しかったですが、特にはやっぱりみていて面白かったです。

大三島にある大山祇神社という、刀などが多く保管されている場所に見学に行ったことがあります。そこは、国宝・重文指定を受けた武具類の約8割が保管されているという場所。

そこで学んだ刀に関する知識などをまた一から見返して、学び直して、さらに実物も見るという、なんとも贅沢な経験ができました。本当に毎回思いますが、記憶力が欲しい…。もう知っているはずの知識なのに、全然覚えていなかったところも多くあり、ちょっと凹んだりもしました(笑)

 

東博での目玉は、やっぱり天下五剣のうちの一つ、三日月宗近ではないでしょうか。平安時代後期に作刀された、宗近の代表作です。

細身の頭身に三日月の波紋が見られることから三日月宗近との名前がついたようです。

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私が行った時は少し列になっていましたが、カメラで写真を撮る余裕もちゃんとありました。

豊臣秀吉正室高台院の遺品」という文字を見た時、「え、あのおねねの遺品なの?!」とびっくりしました。

私に刀の良し悪しがわかるわけではないので、もし本当は三日月宗近ではない刀に同じ説明文がついていても、信じてしまうでしょう。

その事実は残念ですし、審美眼というか、そう言った価値がわかるようになりたいと思いながらも、やっぱり知っている有名な名前が出てくるとテンションが上がります

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そして、これすごい…と単純に感動したのが、大皿でした。

江戸時代に作られた佐賀藩の鍋島焼なのですが、中国の水墨画を手本として絵画風に表しています。

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他にも、清の時代に輸出用に生産された大皿で、色合いが鮮やかで綺麗な皿もありました。作られたのは数百年前なのに、なんであんなに光沢が綺麗で、色合いも鮮やかなんでしょう…。

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また、確かこれは2階に上がってからなのですが、伊能忠敬大日本沿海輿地全図(伊能図)の一部がありました!

伊能図なんて、教科書の中で見た記憶しかありません…。

いや、普通はそうなんでしょうけど、本当にここまで有名なものが資料として残っていて、(高校生だから)無料で見られるなんてさすが国立…と言った感じです。

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そのあとは、廊下からでられる中庭の風景に目を止めながら(雪が降っている景色はレアでした)、展示室をまた巡ります。

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アイヌ民族の中で使われていた窃盗などの処罰のための制裁棒や、狩野芳崖の『春庭鴛鴦』、荻原守衛の『女』、そして横山大観の『無我』までありました!!

これも美術の資料集に載ってたんですよね。やっぱり、中学校までの知識しかないのにしっかり楽しめる収蔵量ってすごいと思います。

国立さまさまです…。

f:id:chirpspring:20220226184118j:plain制裁棒

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f:id:chirpspring:20220226183032j:plain春庭鴛鴦

bunka.nii.ac.jp




そして!!!!

今回の東博で、一番びっくりした作品は、これでした。

長谷川等伯の、『松林図屏風』

確か普通に教科書にも載っていたような気はしますが、私がこれを知ったのは漫画『国宝トゥナイト』でのことです。割としっかり漫画の中で扱われていて、それを読んだ時から『松林図屏風』のことは頭の片隅にしまわれていました。

それが、なぜかあったんです…。本当、どこまで喜ばせてくれるのか。

www.tnm.jp

間近でじっくりみることもできて、なんと写真も撮れて(上手くはなかったですが)、嬉しかったです、本当に。

 

 

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ここで、素直に「本当に綺麗な作品でした」と言えないのが悔しいです。

私は『松林図屏風』に一番時間を費やして、眼鏡もかけて、しっかり目に焼き付けました(私の記憶力ではもう失われつつありますが…)。

実際、展示室を出るときは後ろ髪を引かれるような気持ちで、何回も見直しました。

そこまで「綺麗」な作品だった。

と言いたいのですが、自分は「肩書き」にとても弱い人間です。

「国宝」「等伯」「代表作」。

そんな言葉が並んでいる作品を見て、それに引っ張られてないとは言えません。

情報を得てからその作品を見ることが好きな代わりに、そのせいで自分が必要以上にその作品の価値を自分で決めているのではないか…。

 

そう考えてしまうので、結局「素敵な作品」と自信を持って言えないんです。特にこういった知名度の高い作品には。

すごい面倒臭いなと思いますが、実際悩んでしまうのだからしょうがない。

 

それでも、ヴァチカンで見た作品や、ダヴィンチの作品、北斎の作品など、知名度があることをわかった上で、今でも鮮明に思い出せるような作品もあります。

私の中では一線を画するというか、本当に好きだった作品のみです。それも片手で数えるくらいの数なので、そこに入らないと「素敵」と胸を張って言えないのは、なんだか勿体無いというか。

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そんなことをうじうじ考えたりもしますが、実際この作品は見ることができてよかったです。

とても嬉しかったし、これからも時々思い出す作品になると思います。

皆さんにも、機会があればぜひみてもらいたいです。『松林図屏風』が展示されていた部屋は、月替わりで名作が展示される部屋。

次に行くときには何がみられるのか。とても楽しみです!

 

 

他に印象に残っているのは、『大井戸茶碗』でしょうか。

私の家は家族揃って落語が好きなのですが、落語の中に『井戸の茶碗』という話があります。

井戸の茶碗』を演じる噺家さんの中でよく聞くのは、柳家喬太郎さんの『歌う井戸の茶碗』です。弟と暗唱に挑戦するくらいには好きな作品なんですよね。

その話の中に、「井戸の茶碗か大井戸の茶碗、我が朝の土で焼かれたものにはございません!」というセリフがありました。

ここに出てきた「大井戸の茶碗」が直に見られるなんて…!

個人的にとても嬉しかったです(笑)

 

最後に紹介したいのが、タンスです。

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こちらの箪笥、源氏物語の一場面を意匠としたもの。『初音蒔絵源氏箪笥』と言います。

源氏箪笥とは、『源氏物語』の冊子を収める物です。

松の枝に鶯、2個の髭籠は、第二十三帖『初音』で、明石の上が娘である明石の姫君に送った正月の祝物を表しています。

内部には54帖の外題を全面に記した6個の引き出しを収めている、というもの。

(ほとんど博物館の展示説明をコピペしました。)

 

源氏物語は昔から好きで、全編しっかりと読んだことはまだないのですが、この場面は何回か読んだことがあります。

ですので思い入れのあるというか、印象強い意匠。

見ていてとても面白かったです!

外題を全面に記した〜と書きましたが、実際にそれぞれの帖の名前が書かれていて、読めました。

江戸時代に作られた物なので時代的にとても古いというわけではないですが、なんか嬉しかったです。

 

 

まだまだ刀剣、浮世絵、百人一首を描いたもの、本当に色々な作品がありました。

全部見たかったのに、見られなかった…。

しょうがないですよね、今度また東京に行く用事があるので、その際にしっかり見てこようと思います。

多分次に行っても、前見た作品の記憶の6割はないんだろうな。

こういう時は自分の記憶力のなさが歯痒いですが、毎回新鮮な感動をもてるということでいいことでもあるのかも!

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ということで、以上東博の作品(一部)を紹介してきました。

余談ですが、カメラでの写真撮影が許されているため、すんばらしいカメラを携えた方々が数名…。

自分もカメラを持っていったのですが、写真撮影にはあまり集中できず(負け惜しみ)、撮影の練習という意味では特に何もありませんでした…。

次はもうちょっと頑張ってみたい!

 

私は長時間作品をじっくりと見るタイプですが、色々な楽しみ方があると思いますし、一人一人にあったいつもの習慣もあると思います。

ただ、東博に収められている作品は(もちろん他のどの博物館にも共通していることですが)みていて嬉しくなるくらいに素晴らしいです。

ぜひ、機会があれば楽しんでもらいたいな〜と思いました。

 

最後までお読みくださりありがとうございました。色々なことがある今日この頃ですが、ときには博物館で心を落ち着かせて、リラックスした時間を過ごしてみてください!