うぐいすの音

17歳の女子が運営しているブログ。本のレビューなどしていきます。

高校に入って気づく、自分自身のこと

 こんにちは!今日は、備忘録がわりに自分が今興味があることについて書いていこうと思います。

 今までずっと公立校にいて、高校から私立のインターに行ってはや一年。

この一年で、自分の興味のあることや、進路について少しずつ考えることが増えてきました。今日は、その中から少しずつ感じたこと・考えたことについて書いていこうと思います。

 

今日話す内容は、こんな感じになっています。

 

それでは、早速書いていきます!

 

理系と文系:決めなきゃいけない?

 

まずは、このテーマについて。

「理系」と「文系」という言葉は、特に高校生や大学生にとっては聞き馴染みのある言葉なのではないでしょうか。

高校生からは進路も理系か文系かによって変わりますし、大学も基本的には理系・文系で別れています。

私のいるインター校、ISAKでは、国際バカロレア教育法(IB)を採用しています。用意されている教科から6科目を選び学習していく教育法なのですが、ここでも理系、文系といった区別が地味にありました。

6科目しか取れませんから、当然取れる教科に制限はあります。例えば言語や歴史、政経などはいわゆる文系と言われる"Humanities"に分類されますし、科学や数学、情報関連は理系として”Science”に分類されています。

ちょうど3-3で取ればどうなるのかはわかりませんが、4-2だったりすると偏っているため、文系・理系となんとなく分類されてしまいます。また3-3でとっても、IBの教科はそれぞれ High Level (発展的内容)と Standard Level (基礎的内容) に別れているため、HLがどちらに何個あるかでも文理をなんとなくつけられます。

 

私自身は4-2で文系科目を多く取り、HLも文系に2個、理系に1個です。なので、周りには「文系」と言われることが多いです。生徒からの学習的相談に乗る先生も、「Humanities系なんだね」と言ってきました。

 

ただ、個人的にはこの「理系」「文系」に少し違和感があります。

単純に文系の授業を多くとっているから「文系」ということは別に間違ってはいないのですが、私はあまりこの言葉が好きではありません。確かに、私は昔から本も多く読んでいるし、言語や歴史にとても興味を持っています。だから、文系と言われることは間違ってはいないのかもしれないです。それでも、文系と言われると違和感が。

文系、理系という言葉を使っている人について書いているわけではなく、自分がそう呼ばれたくないな、というだけの話ですが…。

 

なんというか、私はちゃんとした日本の教育を中学校までしか受けていません。中学の時点で文系・理系がしっかりわかることはあまりないと思いますし、私も全教科同じような出来でした。高校に行ってもう少し専門的な教育を受けた後で文系・理系に別れることはまだわかりますが、ISAKではあまり学習指導要領に沿った勉強をしないため、自分が文系なのか理系なのかはわかりません。

 

そして、私は確かに言語や歴史に興味があるし好きだけど、それと同時に数学や化学も好きです。中学校でも一番質問を聞いていたのは理科でしたし、数学はIBでもHLを撮りました。

つまり、文系教科も好きだけど、同じように理系科目も私は好きです。だから、「文系」が「文系寄りの科目を多くとっている」という意味のみだとしても、あまり「文系」と言われることが好きではありません。理系科目も好きなので、ちょっと複雑だからです。

 

もちろん、完璧に「自分は理系/文系」と言い切る人もいますし、それは本当に人それぞれだと思います。まだ私は「文系・理系」に分類されるほど勉強していないので、実際に勉強して自分の得意なもの、好きなものを自覚できれば抵抗はなくなるんじゃないかな〜と思っています。

 

 

「日本」と「海外」の大学

 

これもまた分類の話になるのですが、ISAKももちろん高校なので進路の話がよく出てきます。大学はどうするのかとか、そもそも大学に行くのかとか。

 

話を聞いているときに私が少しだけ引っ掛かるのは、生徒の多くが「日本」の大学に行くのか「海外」の大学に行くのかを聞いてくること。それ自体は何の問題もないのですが、人によっては「絶対に日本の大学にはいきたくない」という人もいます。

 

ISAKを目指してきた生徒が集まっていますから、特に日本で教育を受けてきた人たちは日本の教育に少し疑問がある人も多いのでしょう。

私も、そういった人たちに囲まれていると少しずつ「日本の大学に行くのは悪い選択なのかもしれない」という考えに慣れてしまいます。

 

でも考え直してみると、私は一度も日本の教育方法(いわゆる「知識を詰め込む教育」)で不利益を被ったことがありません。どちらかというと、順応して楽しんでいた方です。

自分の中に確固とした意見がないのに、周りの意見を聞くだけで自分も大学を選ぶ基準を「海外」「日本」にすることは避けたいな、と思いました。

日本の教育方針をそこまで忌避したいわけでもないのなら、「海外」「日本」で選ばずに、「自分がやりたいことを追求できる」とか「充分な学費がある」とか「尊敬している教授がいる」とかで選ぶべきだと思っています。

ついつい「海外の大学」とか「日本の大学」とかの言葉を使ってしまいますが、海外も日本も関係なく自分のやりたいことを学べる場所に行くのが私の中で一番大事なことです。

 

私の周りには、日本の教育に疑問を持っている人が多くいます。かくいう私もISAKでの教育の仕方に興味があったからこそISAKに入りました。でも、日本の教育を苦手とするしっかりとした理由がある人たちに比べて、私はそこまで意見が強くありません。

ちゃんとした意見もなく、何なら小中学校の勉強を悪感情も無く楽しんできた自分が、「日本(もしくは海外)の大学だから行かない」と学ぶ場所を選ぶことは避けたいです。

周りの選別の仕方に慣れていくと、無意識に合わせてしまうこともあるかもしれません。だからこそ気をつけていかなければな、とこの頃感じました。

 

 

知識が大切、だけれども

 

3つ目は、「知識」について。

知識を詰め込むことを楽しんできたと言った通り、私は知識を得ることが楽しいです。

本を読むことも、ドキュメンタリーを見ることも好きだし、もちろん勉強も好きです。雑学もちゃんとした勉強も、ふとした時に知識と知識が繋がる瞬間はいつも本当に楽しいので。

 

だから東京国立博物館に行けば行くほど自分の知識のなさを痛感しますし、色々な美術館に行くときは作品の解説もじっくり読みます。少し前にISAKのの近く(上田)で行われていたアルフォンソ・ミュシャ展にいきました。ミュシャの絵をしっかりと見るのは初めてだったのですが、スラブ叙事詩など後半生の作品もパネルで解説してあり、とても楽しめました。

 

学校で生活していても、しっかりとした裏付けをせずに何かを明言している発言にはまず疑問を抱きます。例えば「日本の教育だとアイヌ琉球民族などの先住民について学ばないだろう」と言われた時は、何を根拠に発言しているのか、どこの教育と比較しているのか、そこに主観は入っていないのかなどを真っ先に感じました。というか、中学校で数度に分けてアイヌ琉球について勉強するので、その発言は単純に間違いですが。

 

というように、私は自分でも知識をかなり重視していると思っていますし、それが悪いとは思いません。

でも、そちら側に重心を傾けすぎていても問題が出てくるのかもしれないと薄々感じています。

それを強く感じたのは、この前磯谷博史の展覧会「動詞を見つける Find Your Verb」に行った時です。

 

bijutsutecho.com

 

この展覧会は、コラージュや写真などの作品を一つの出来事として認識し、「動詞を見つける」ことに観客を誘っています。「落ちる」「まざる」など、さまざまな時間の移り変わりやものの変化が現れていました。印象に残った作品もあったので、以下に写真を貼っておきます(撮影OKでした)。

 

 

作品一つ一つは見ていてとても面白かったのですが、全体を通して何とも言えない不思議な雰囲気がありました。作者の狙いはなんと無くわかるけど、どこか一歩足りないというか、多分作品をしっかりと楽しめていないな、と言った感覚。よくわからないところもあり、なんかモヤモヤするというか…。

 

私は基本的にいわゆる現代アートが所蔵されている美術館にはいきません。自分が好きな絵画はルネサンス絵画で、それ以外でも大抵は写実的なものか解説があるものを好みます。

それは、絵を見て楽しみ、その後知識を得てもう一回楽しむやり方に慣れているし、そのやり方が好きだからです。

 

だから、自分にここまで解説のないものを楽しむ力がないとは思いませんでした。ある程度は楽しめても、あと一歩が楽しめない。

いわゆる現代アートは、難しいことを考えずに、自分がその作品で感じたことをそのまま受け止めることが大切だ と何かで読みました。わからないと感じたなら、そのわからないと感じることも現代アートを楽しむための第一歩 だと。

多分私は現代アートを見て何かを感じても、その裏付けというか、正解を求めてしまうんだと思います。正解のないものがあまり得意ではないのかもしれません。自分の思ったことに自信が持てないから、「もっと知りたい」という気持ちもなくなり、後には違和感が残る。そう言ったループなのかも。

 

現代アートでも、見ていて楽しい作品もあります。でも、かなりの頻度でこんがらがってしまう。それは、今まで知識だったり解説だったりを使いながら作品を楽しんできた弊害なのかもしれません。知識があればより楽しめる作品を中心に見てきたからこそ、その道から外れた時に自信を持って楽しめない。

 

別に解説を読むやり方を好きでいても問題は何もないと思うけど、あまりにそれを重視しすぎて他のやり方を楽しめないのは何か違うと思います。

一番良いのは、どんなやり方でも楽しめること

時には自分の考え方に自信を持って、よくわからないと思った作品でも一回前提を取っ払って自分だけで考えてみることが大切なのでしょう何でも楽しめるような人間になりたいです。

 

と言っても、あまり自分から現代アートを見に行くことはないとは思いますが、今回感じたことを忘れずに、これからも色々な作品を楽しんでいきたいです!

 

*というふうに、偉そうに「知識を使って」だとか「解説のある作品」だとか言ってきましたが、たった16年しか生きていないので、別にそこまで知識があるわけでもありません。他に言い表せる言葉が見つからなかっただけでそこまでしっかり美術を勉強しているわけでもないです…。

 

 

ということで、3つの内容について書いてきました。自分の感じたこと、考えたこと、あまり振り返ることもまとめることもないので、少し新鮮でした。普通に生活していても、学校でも家でも他人と一緒にいるわけだからどこかで新しい考え方に触れます。

そう言った時に、それに釣られすぎず、反発しすぎず、自分の考え方をしっかり確立していくことが大切になってくるのでしょう。

 

最後までお読みくださりありがとうございました。ここまで読んでくださる方がいることが本当にありがたいです!この頃完璧に自分のために記事を書いているので…(笑)

UWC ISAK Japan -結局どんな学校?一年のまとめ

 こんにちは。今日は、私の在籍している学校、UWC ISAK Japanについてまたまた書いていこうと思います。

 

ISAK内のツリーハウス

 

UWC ISAK Japanとは、UWC系列の学校で、軽井沢にある全寮制のインターナショナルスクールです。高校1年生〜高校3年生(G10~G12)が在籍しており、夏が学年開始の時期です。

 

uwcisak.jp

 

少し前に、私の学校では卒業式が行われました。そして、その後二週間の授業が高校一年生と二年生にはあり、ようやく先日学年を修了したところです。

一年間過ごしてみて感じたことを、以下の二つの記事の総括として書いていこうと思います!

また、この記事は完璧に個人の意見ということを先にご了承ください!

 

 

記事にも少しずつ書きましたが、ISAKに行って一番分かったのは、決してどこも理想郷ではない、ということでした。

ISAKを理想の場所だと思って入学したら、度重なるコロナの影響、勉強(特に数学、理科、国語)の簡単さ、学校の仕組みも改善が必要。

同じ長野県から来たのに、ISAKに来て通算7回ほどの隔離を経験しました。それまで学校休講の時以外隔離なんてしたことなかったのに。学校も、生徒への対応が杜撰すぎて、教職に少しばかり興味があった自分からすると笑うしかないほど。

なんで学校を辞めないんだろう、という話を何回も友達としました。

 

でも、結局やめなかったのは、素晴らしい人たちがいたからです。

周りにいる友達、先輩、そしてISAKの周りにいる人たち。

そう言った人たちとの関わりは本当に楽しく、刺激的で、こちらがときには劣等感を感じてしまうほどでした。それこそ「多様性」を感じる瞬間もありましたし、日本の公立では知らなかったであろう海外の学校の実情などもいろいろ教えてもらって、考え方が変わったところもあったと思います。

 

ISAKは、本当に一長一短な部分が多いです。そして、その短所は同時に長所にもなり得ます

学校の杜撰な部分は、生徒が自分たちで変えていく様子を見ることができる長所になります。

授業のつまらないところは、自分たちが想像を巡らせて変化を作っていける部分になります。

 

そういえば、プロジェクト学習が盛んなところも、この学校の特徴の一つです。生徒は、必ず1つ以上のプロジェクトを何か抱えています。私も、学校の学習で3つ、授業外でもいくつか、やっていることがあります。

ただ、プロジェクトと言っても、自分で何をやりたいのかをしっかり考える時間はあまり与えられていません。それを学校もわかっているのか、春休み前には一週間の”spring project week”という期間が与えられます。

学校から25000円の資金を生徒が1人ずつもらい、自分で興味のある人に連絡してインタユーをしたり、オンラインコースをとってみたり。端的にいうと、自分で自由に行動して動ける期間です。お金をもらい、授業ではなく自分でやりたいことを探す。そういった時間が与えられていることは本当にありがたいです。

 

なんというか、学校にいろいろと改善点があることは否定できません。ただ、それを生徒が改善しようと動くことに寛容な学校だな、と思います。

寛容であろうとそうでなかろうと突っ走っていく生徒も何人かいますが、それでもやはりある程度までなら学校は支援してくれて、アドバイスをくれる時もある。だからこそ次の行動に移しやすい。

もちろん、やろうとしているプロジェクトによってはかなり消極的になることもあります。例えば学校の仕組みを変えようとしているときなどは。でも、そういうときには空気をいい意味で読まずひたすらに良い環境を求めて突っ走っていく先導者がいたりするので、これからの2年間でどう学校が変わっていくのかが本当に楽しみです。

 

今、ISAKを知り合いの子に推薦できるかと言えば、「合う人と合わない人が完璧に分かれる学校だと思う」としか言えません。自分が、絶対にこの学校にあっている!という確証を持てないので。自信を持って自分のいる学校を知り合いにお勧めできるようになるまで、ISAKの変化をできる限り支えたいな、と思っています。

 

ちょうど今、ISAKの体制は少しずつ変わっています

というか、今まで届いていなかった生徒たちの意見がだんだんと届くようになっています。まだ全然安心はできない状況ですが、それでも少しずつ変化が生まれていっているのは確かです。

そういった変化はISAKだからこそ見れる醍醐味です。クラブも行事もそうだけど、いい意味でも悪い意味でも行動するのは生徒です。だからこそ生徒の「自主性」に注目がいきやすいし、だからこそ安全管理などで驚くことも時たまある。問題点もあるけれども、生徒が大抵動きやすい環境という言葉に嘘はありません。

 

結局、今までダラダラとISAKについて書いてきました。

いろいろと愚痴というか、マイナスなことも書いてしまいました。

ISAKのマーケティングは本当に上手なので、期待して入ってきた分少しがっかりしてしまう人も多くいます。そう言った悲しいことがないよう、ISAKの実情もどんどん変えていきたいと思っていますが、それでも予防線のためにここでマイナスのことを書いておいてもいいかなと思ってのことです。

 

「え、じゃあISAK入んない方がいいの…?」って思った人もいるかもしれません。私も、もう一回ISAKを受験しろと言われたらかなり悩むかもしれません。でも、結局はISAKを選ぶと思います。というか、なんならもう一回ISAKに入って、今度は早い段階から学校の問題点の炙り出しを進めていくかも。

この頃は、なんで今取り組んでいることを冬ごろからできなかったんだろう、と思うことが多いので…(笑)

 

 

まとめとして、私の感じたISAKでの一年間の総評を。

私が今の学校にいてよかったと感じる点は、場が用意されていることです。

生徒が何かをしてもそれを容認する余力が学校にあります。いろんな意味ですごい人が、学年に何人もいます。というか、そういう「すごい人」が集まる学校です。

そういった「すごい人」を集めて、野放しにしている学校もさすがだなと感じます。

 

何かやりたいと思ったときに、少なくとも場所がないから、と諦めることはありません。応援してくれる人も、話せば絶対に見つかります。

だから、その与えられた場をどう使うかは全て自分次第です。燻ってしまう人もいるかもしれないし、その場を有効活用して人生の学びを得る人もいるかもしれない。ある地点までは引っ張ってくれるけど、そのあとは全部自分で決めていかなければ何も変わりません。

最初から、全部自分で完遂できる人なんて一握りです。だから、周りの力を借りながら、自分で進んでいきます。

「場」が用意されていることは、当たり前のようでいてそうでもありません。

その「場」を楽しみながら、自分で利用していくことが来年度の目標です。

自分がしたいことを、したいようにする。

 

 

ということで、ISAKの感想の総括のようなものを書いてきました。割とネガティブなことも書いてしまったと思いますが、最後にこれは全て個人の感想だということを強調しておきます。

私はISAKに入れてよかったとも思っていますし、一つの道を選べば自動的に他の選択肢は消えていきます。そのことがしっかりわかっていれば、私が今まで書いてきたISAKへの愚痴は、本当にただの愚痴でしかありません。「場」はあるんだから、どう変えてくかは生徒の力量にもかかっています。

 

来年からは、新しい勉強と授業も始まります。

どうなるかはわからないですが、どうなっても一生懸命目の前のことに取り組んでいくだけです!今年は、自分個人としても反省しなければいけない点がたくさんありました。その反省点を活かして来年もがんばります!

 

最後までお読みくださり、ありがとうございました。コロナに気をつけて、お過ごしください!

UWC ISAK Japan 一年すごしてみて -ISAKの1番の価値

 こんにちは。今日は、私の在籍している学校、UWC ISAK Japanについて書いていこうと思います。

 

 

UWC ISAK Japanとは、UWC系列の学校で、軽井沢にある全寮制のインターナショナルスクールです。高校1年生〜高校3年生(G10~G12)が在籍しており、夏が学年開始の時期です。

uwcisak.jp

少し前に、私の学校では卒業式が行われました。そして、その後二週間の授業が高校一年生と二年生にはあり、ようやく先日学年を修了したところです。

来年からは、高校2年生として国際バカロレアの教育が始まります。少し不安もありますが、とても楽しみです!

 

今回は、ISAKを一年間過ごしてみた感想として、人間関係などについて書いていきます。この後、その他思ったことについても書いていくつもりです!また、学習について記事を書いているので、ぜひご覧ください!

 

まず、ISAKの環境から話を進めていきます。ISAKは、2014年に設立された全寮制のインターナショナルスクールです。軽井沢に位置し、浅間山の麓で数十カ国からの人たちと一緒に勉強します。基本授業は英語です。

 

そして、また他の記事で詳しく書くかもしれませんが、ISAKは仕組みとしてあまり学校だと断言はできません。どころか、かなり改善点が多い学校だと思っています。新しい形の学校なのだからそれも当たり前ではありますが…。一長一短、この言葉がよく似合う学校です。

実際に、私を含めた数人の生徒が辞めることを考え、今年でやめてしまう同級生も数人います。なんでこうなるかというと、学校の体制と、G10でのカリキュラムが大きな原因です。

 

ですが、辞めることを考えてまで、なんでまだISAKに残っているのか。

それは単に、周りにいる生徒たちが素晴らしいからです。

この記事では、素晴らしい私の友達、仲間について書いていきます。

 

 

 

大好きなハウスの先輩たち!

 

ISAKのキャッチコピーの一つに、「多様性」があります。その言葉通り、今年は有に80カ国以上から生徒が訪れています。

私のハウス(寮)は、ラッキーなことにとても仲の良い、最高と言っても過言ではないハウスでした。メンバーは、13人。最高学年のG12が8人、G11が1人、そして高校一年生のG10が4人です。

ちなみに、もともと14人だったのですが、1人途中から他のハウスに移りました。でも、卒業式の際や他の機会には14人で集まることもできたのでよかったです!

その13人の中で、一番英語が下手なのは私でした。他の人たちは、日本語が流暢な人も数人いますが、ほとんどが英語(かそれぞれの母国語)を日常的に使っている人です。

つまり、日本語で喋って、日本語に逃げるという環境がなかった。

 

最初の頃は、これでかなり辛い気持ちもありました。一番最初の、オリエンテーション前の隔離の際に、アルバニアからの先輩、チュニジアからの先輩、アメリカからの同級生と、四人でそれぞれの国での社会問題について深夜2時まで話していたことがありました。今でも、記憶に残っています。

 

その際、ジェンダー格差や、アメリカでのスクールシューティング(学校内での発砲事件)について話しました。でも、英語がほとんどわからない私は、話の内容も数割しか掴めず、分かったと思ったらもう話題は変わっていました。その時は、自分の英語力のなさに気づき、少し泣いてしまいました。

自分の言いたいこともあるのに、何もいえないってこういうことか…と。

 

でも、最初は辛いと感じたハウスも、今では宝物です。黒の服ばかり着ていた先輩、髪色をすぐに変える先輩(当時はまだ髪の色を染めることに慣れてませんでした)、、、。

最初は少し怖かったですが、やっぱり授業で疲れて帰ってきた際に、共有スペースで誰かがテレビを見ていて、お疲れって言ってくれるのは嬉しいです。夜10時ごろに宿題を終えてキッチンに上がったら、あげたばっかりの冷凍ポテトを差し出してくれる先輩たちには感謝しかありません。シャワールームの中で、一緒に水道の前で何回も真剣な話だったり笑い話だったりをしたシャワールームメンバーは、大好きな人たちです。

なんというか、本当に私のいたハウスって素晴らしかったと思います。もちろんそれぞれのペースがあるので話す頻度に差はありますが、全員としっかり話せるようになりました。大きい問題が上がったこともないですし、お互いがお互いを尊重していました。先輩の言う通り、「私たちのおかげでハウスへの期待値があがっちゃったから来年からが大変」になるかもしれません。

 

ハウスの先輩たちは、何かあったらすぐに駆けつけてくれる、大切な存在です。ハウスで居心地が悪いと帰りたくなくなりますし、ハウスで自分の居場所があると分かっていれば、ハウスに帰るのが楽しみになります。G10として、一番年齢の低い学年でいたことも私にとってはラッキーだったと思います。

すごい変な言い方ですが、私の先輩方は甘やかし度が高かったので、、G10四人は、先輩方に「our baby」と言われることもありました。誇張しているように見えますが、全部本当のことです。

一番最初の隔離で英語力のなさを痛感したときに話していた先輩方とは、最後には冗談を言い合い、それぞれの国の文化について話し合っていました。自分の成長が感じられたとともに、社交性のない私と付き合ってくれた先輩方を改めて尊敬しました。先輩と書いていますが、先輩という呼び方は英語ではないので、たとえ日本人だったとしても名前を呼び捨てです。友達という言葉を使えばいいのかもしれませんが、やっぱり私にとっては可愛がってくれたSenior(先輩)なので、先輩という言葉を使いました。

来年からが不安ですが、、、大好きなSeniorのように、居心地の良いハウスを作っていきたいです。

 

大好きな友達たち!

 

それでは、ハウスの先輩はこれまでにして、次は同学年の話

ISAKを辞めなかった理由に、先ほど周りにいる生徒たちが素晴らしい、と書きました。その多くは、私の同級生にいます(私はあまり外交的ではないので、同学年以外とはあまり話さないです…)。

 

ISAKでは、何個も問題がおこってきましたし、現在進行形でも起こっています。

でも、そう言った問題を一緒に解いていける、考えていけるのが、私の同級生たちです

行動力がただただすごい人、論理的思考がずば抜けている人、色々なところで緩衝材となってはみ出し過ぎたら修正してくれる人、自分の興味のある範囲に突っ走っている人。

色々な人がいます。

あの人たちがどういうふうに動いているのかを近くで見られることは、とても貴重なことだと思っています。あまつさえ、それに少しだけ関わらせてもらったり。

私はあまり自分から行動できるタイプではなく、石橋を叩いて蹴って象に渡らせてから進みたいようなタイプなので、その考え方とは違う方向を示してくれる人たちです。

会えたことが嬉しいですし、もっと勉強させてもらいたいな、と思っています。

 

そして、別に友達はプロジェクトをやっている人たちだけではありません。

一緒にダンスをやる人たち、

コンテンポラリーやバレエを教えてくれる人たち、

アニメを見る人たち、

私の競馬・宝塚・ジャニーズの話に付き合ってくれる人たち、

カメラを持って一緒に写真を撮る人たち、

映画を見る人たち、

お菓子を作る人たち、

ただただ一緒にいて楽しい人たち、、、。

枚挙にいとまがないってこういうことなんでしょうね。

 

大好きな仲間が、増えました。

一緒にいたいなって思う友達ができました。

一緒に泣いた友達ができました。

みんな、本当に大好きな友達です。

違う道をこれから進んでも、きっと数年後にばったりあって、数時間話したりできるんだろうな〜と今から考えています。みんなにとって、私は日常の一コマに過ぎないのかもしれないけど、私にとってみんなは私を助けて支えてくれる大切な存在です。

 

なんというか、一年過ごしただけでそんなに大切な友達ができるのか?って、ISAK入学前の私なら思うと思います。

でも、文字通りISAKでは四六時中一緒なんです。長くても、公立中学にいた頃は朝8時から夕方5時までの合計9時間。3倍近くの時間を一緒に過ごしているわけです。

単純にいえば、ISAK内で一年で触れ合う人たちとは、中学校で三年間過ごした人たちと同じ密度のわけで…。もちろん、こんな単純なわけはありませんし、中学の友達もISAKの友達もそれぞれ違う道で大切です。ただ、そう思えばそこまで大切だと思えるのも不思議ではないのでは。寮生活ゆえの関係だな、とも思います。

 

あと、ISAKに来てから、スキンシップが増えたと思います。みんなハグをしたり、おんぶをしたり、一緒にくつろいだりがよくあるので、特に先輩とになりますが、同級生ともそういったスキンシップは増えたかも。

みんな、私の周りにいる人たちはすごい人ばっかりです。だからこそ自分が小さく見えて不安になる時もありますが、だからこそ私はもっとこの人たちと一緒にいたいな、って思います。

ISAKの生徒たちが優秀だからこそ、これからのISAKがどう変わるのに興味もありますし。あわよくば、私もその変化を作る一員になれたらな、と。

 

色々な人に感謝を!

 

最後に、寮の先輩でもなければ、同室でもない人たち。

私はそこまで外交的ではなく、どちらかというと引きこもりたいので、あまり仲の良い人が多いというわけではないです。しかも、仲の良い人はそのうちの多くがG12ということで、もう卒業しちゃいました。割と本気で、今のG11に特に仲の良い人がいるかが微妙なので、ちょっと心配です。顔を合わせれば話す程度の人はもちろん何人かいますが…。

ただ、部活で一緒の先輩方、他のハウスに行ったときによく喋る人、趣味が共通している人、これからどんどん話せそうな人などはいるので、来年もどうなるのか、楽しみです!特に部活が同じ先輩たちと、趣味が同じ先輩たちには、色々とお世話になってるので、もっと話せていけたらな〜と思っています。ISAKの人って大抵全員面白いので、割と楽観的です!

 

ISAKの人って、話しているととても面白いです。ちょっとおかしいのが、その人の政治的しそうだったり、信念だったり深いところについて知っていても、習い事だったり今まで住んでいた場所だったり、日常会話で出てくるはずのことを知らない、という現象が起きること。面白いな〜と思いつつも、地味に色々なところでディープトーク(深い話)をしていればそういうこともあるか、とも思います。

 

他にも、ISAK外でISAKからのご縁で繋がれた方々も含め、色々な人たちとのつながりが作れました。

来年は、今年できた関係性を軸に、さらに楽しく過ごせて行けたらな、と思います。そこまで楽しくなくてもいいけど、辛い時間が減るといいなとは感じています。英語力も少しずつついてきたので、解消されていくはず!

 

ということで、今回はISAKでの人間関係について書いてきました。私が感謝を書き連ねるだけになってしまいましたが、ここで会えた人たちは一生ものの関係になる人たちがいるんだろうな〜と感じます。ISAKでなくても、どんなところでも、出会えた人たちと仲良くなれれば、それが最高です。

 

最後までお読みくださりありがとうございました。卒業式の前日にハウスの何人かで話した、それぞれの国での「死後」に関する考え方はとても面白かったです。ブータンからの先輩とは、仏教での風習が通じ合えました。そう言った、ふとしたときにできる話を大切にしていきたいです。

自分の本棚からランダムに選択!本紹介

こんにちは!梅雨に入り、長野県もジメジメとした雰囲気で覆われています。でも時々ついさっきまで雨が降っていたことが嘘のようにカラッと晴れる時もあるので、空模様を見ていると楽しいです!

 

 今日は、はてなブログのお題より「本棚の中身」について簡単に書いていこうと思います。

皆さんの家には、どれくらい本があるでしょうか?中には電子書籍の人もいるのでは。

我が家では数年前に本の一部を電子書籍にしましたが、まだ紙の本もしっかり残っています。というか、全員読むなら紙の本が良いのでできるだけ買わずに図書館で本を借りています。そうでないと本が溢れてしまうので…。今も泣く泣く本を捨てなければいけないか考えているところです。

私の部屋でも本が溢れ出したので、本棚を新しく一個買いました。もう一個欲しいところだけど、そこは我慢です…!!

 

 私の部屋では今、天井まである本棚、教科書などをしまっている棚の一番上の段、段ボール1.5箱分、床の上においている本の塊があります。

弁解すると、寮に持って行っていた組み立て式の本棚を持って帰ってからまた組み立てるのが面倒くさいので、本の荷解きを放り投げているだけです。(弁解になってないような。)

 

つまり、部屋中に本が 散らばっている 置かれている状況となっています。今日片付けます。多分。

ということで、ささっと部屋にある本の中で目についたものを紹介していきたいな、と思います!紹介するのは以下の本です。

 

 

 

『月にハミング』

初めて本を読んで自然に泣いた、超感動作。今でも読み返しますし、大好きな本です。

第一次対戦中を舞台に、史実をベースにした戦争の悲劇を描いた感動作。人魚伝説のある島にたどり着いた、何も喋らない少女ルーシーが主人公となっています。

chirpspring.hatenablog.com

 

『魔法使いのチョコレートケーキ』

家族も大好きな本です。石井桃子さん訳で、あたたかい、でもどこかほんのりと切ない話が多く含まれています。言葉も綺麗で、子供が読んでももちろん、大人が読んでも楽しめる本です。

どこかしんみりとした気持ちになります。

 

 

獣の奏者(外伝含む)』

言わずと知れた上橋菜穂子さんの大作。音色を奏でて獣と心を通じ合わせることのできる緑の目をした女の子の話です。小4の時に読んで、そこからどハマりしています。今でも読めば毎回その美しさと壮大さに驚かされますし、あっという間に引き込まれます。

4巻ありますが、まずは最初の2巻を読んでみてください。4巻全部終わったら、外伝の「刹那」を読むとまた違った形の感動が待っています。

 

 

『敗北を抱きしめて』

日本の戦後史を描いた一冊です。戦後の占領政策の中での日本人の姿を客観的に表した本で、政治の観点のみならず様々な観点から物事が書かれています。貴重な写真なども載っていて、上下巻で分かれていますが歴史が好きなら一回は読んでおいて損はない本です。

 

 

『サピエンス全史』

このブログでもなんと7回に分けて感想を書きましたが、ユヴァル・ノア・ハラリさんによるヒトの誕生から今までの歴史を書いた本です。

初めて読んだタイプの本ではありましたが、スッと入ってきましたし色々と考えながら読むことができました。この本読了後、他にもいくつかの歴史考察書のようなものを読みましたが、そこで感じたのはこの本は数万年の歴史を数百ページにまとめているからこそ、入門書として使えるということです。この本を読んだことで、今も参考にできることは多くあります。上記の『敗北を〜』を読んでいても、通じるところがありました。

chirpspring.hatenablog.com

 

chirpspring.hatenablog.com

 

うちのトコでは

都道府県を擬人化して描く、県民性漫画です。普通に勉強にもなりますし、単純に読んでいて面白いです。疲れた時などには時々読み返しています。私の部屋には漫画が数十冊ありますが、著者のもぐらさんの漫画(特にこのシリーズ)が一番読む頻度が高いです。

chirpspring.hatenablog.com

 

ひとまずはこんなところでしょうか…。

 

 

あ、あと、忘れてはいけないのが有川浩はやみねかおる

有川浩はまず『図書館戦争』、もしくは『阪急電車』『キケン』などがおすすめです。(有川浩は全部本当におすすめですが。)

chirpspring.hatenablog.com

 

はやみねかおるはどれも良いですが、今も刊行されている『都会のトム&ソーヤ』シリーズがおすすめ。どちらの作家も、本当に何を読んでもハズレがないと思っています。

chirpspring.hatenablog.com

 

chirpspring.hatenablog.com

 

ということで、数冊紹介してきたので、今日はこの辺で!

この夏休み中に今ある積読本を全部読んで、感想をまとめていきたいです!

 

最後までお読みくださりありがとうございました。知っている本はあったでしょうか。面白そう、と思った本があれば、ぜひ読んでみてください!

 

 

 

今週のお題「本棚の中身」

UWC ISAK Japan -pre IB (G10) の学習内容まとめ

 こんにちは。今日は、私の在籍している学校、UWC ISAK Japanについて書いていこうと思います。

 

 

UWC ISAK Japanとは、UWC系列の学校で、軽井沢にある全寮制のインターナショナルスクールです。高校1年生〜高校3年生(G10~G12)が在籍しており、夏が学年開始の時期です。

 

uwcisak.jp

 

少し前に、私の学校では卒業式が行われました。そして、その後二週間の授業が高校一年生と二年生にはあり、ようやく先日学年を修了したところです。

私のいたハウス(寮)には高校三年生が多かったため、来年からの寮生活がどうなるのか、少し不安ですが…(笑)

 

今回は、ISAKを一年間過ごしてみた感想の一つ目として、学習面について書いていきます。この後、人間関係だったり、その他思ったことについても書いていくつもりです!

 

それでは、今回はそれぞれの教科ごとに感想を書いていきます!

 

また前置きとして、私はISAKでの勉強に賛成するところもあれば、おかしいのではと思うところもあります。よって、少し否定的に取れるような部分があるかもしれません。ですが、これは完全に個人の意見であって、学年40人以上いるうちの一つの意見だと言うことをご承知ください。

 

ISAKのG10には、10個の基本教科と、2個の少し特殊な教科がありました。

 

Japanese~Leading with Othersまでが、G10の基本教科です。

一つずつまとめていきます。

 

Japanese

 

その名の通り、Japaneseは日本語の授業です。基本的に週に2回あります。

3つのクラスに分かれていて、私が在籍していたJapanese 3は、義務教育を日本語で修了した生徒を対象としています。Japanese 1は初めて日本語に触れる人を主な対象に、Japanese 2は日常会話がある程度こなせる人が対象です。

 

この授業では、自分のアイデンティティを知ることを目的に4冊の本(論説文)を扱いました。基本的に授業体系は変わらず、ディスカッションをメインとしています。全員読了後に章ごとにグループを組み、担当の章でグループとしての要約を発表、その後いくつか議題を考え、ディスカッションをするスタイルです。

続けていく中で、それぞれのグループごとにいくつか工夫を加えて行ったり、いつもとは違う流れにしたり、そう言った変化も見られました。ディスカッションと言っても、受験を経てISAKに集まる、しかもJapanese 3に入る生徒たちはバックグラウンドも考え方もある程度似ています。

その中でいかにディスカッションを面白くするか、もしくはいかにディスカッションを避けるか。それぞれの生徒の個性が出ていたと思います。

 

正直、国語の授業として学んだことがあったかと言われるとかなり微妙です。文法も教わりませんし、新しく入ってきた知識も教科書に載っているようなことはほとんどありません。もともと文章を書くことにはある程度慣れているので、作文(期末課題は毎回作文です)でもそこまで指導を受けることは多くありませんでした。

ですが、自分にとって収穫になったこともありました。

記事にしたこともありますが、月一で書かなければいけない読書ノート。今まで書いたことのない形式だったのですが、「書きたくない」と「書けない」は別物です。「書けない」と言いたくはないので、自分の書きたい文章と、そうでない文章を意識しながら文を作っていくようにしました。

 

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自分が書きたいことがその本の構成だったり使われている語彙だったとしても、求められているのはその本の内容に対して純粋に読んでいて思ったこと。文学作品でそれをやるのは、私にとってはかなり大変ですし、読めば読むほど逆に文章の素晴らしさだったり工夫に惹きつけられていきます。

でも、「書けない」ことがなくなるように、意識して求められているものに合わせました。それがうまくいったこともありましたし、読書ノートに限らず、いい意味でも悪い意味でも「合わせる」ことが上手くなったと思います。「合わせる」ことは時にとても簡単ですが、時に難しくなることもあります。

 

また、最後の本を扱っている間に、私が個人的に調べたいこともあり、先生と相談したのち、授業中にディスカッションなどにあまり参加しないでも良いことになりました。もちろんクラスに了解は取りましたが、発言などを含むいくつかのタスクを毎回やることを前提に、自分の調べたいことを自由に調べられるようになったのでその点については嬉しかったです。

どの授業にも通じることですが、通常とは違う授業をやっているのですから、文句が出てもおかしくありません。でも、文句を言う間にできることもあるのかな、と思っています。例えば、先生との交渉とか。

 

English -英語

 

それでは、英語について!この教科もJapaneseと同じく、1~3まで分けられています。

なぜか私は最初からEnglish 2に入れられていて驚きました。謙遜でもなんでもなく、明らかに私より英語ができる人がEnglish 1にいたり、内容が全くわからなかったり…。少なくとも最初の1ヶ月は、授業中に使われるスライドがなかったら何もわからなかったと思います。

なんでそんなにわからないかというと、最初から使われる単語が知らないものが多かったからです。Englishの授業で使うのは、日本語で言うと例えば「倒置、韻、比喩、品詞、頭括型」などの言葉。それが、事前知識なしに英語で飛び込んでくるんですから、わからないよな〜と思います。

 

特に最初の方はエッセイを書いたり、小説を書いたり、本の感想(どちらかというと分析?)が多いので、大変です。ただ、あまりに身構えすぎていたところもあり、途中からは意外とついていけるな、と言う感触もありました。

そして、コロナの関係で外国にいる生徒が来る時期もわからなくなり、時差に配慮してクラスを組み直した結果、私を含む学校にいた生徒は全員English 3に移動となりました。

ちょうどその時期から、シェイクスピアの作品の分析などに移っていたので、難しすぎることもなく、シェイクスピアの読んでいた作品だったので内容がわからなくなることもあまりなく、良い成績とは言えないまでも、なんとかついていけるようにはなっていました。

どんだけ難しいクラスに入っても、本当にきつかったらもう少し簡単なクラスにも移してくれるし、とりあえずそのままクラスに残っても気づいたら意外とついていけるし成長できるし。

諦めも肝心だけど、それがチャンスなのかの見極めも大事です。

 

Math

 

この教科は、特に日本の学校出身者にとっては1番の鬼門だと思います。

特に一年の最初の方は、簡単すぎます。習う内容が。

イギリスの小学校に昔編入した時も同じ気持ちでしたが、やっぱり日本を含む東アジアの教育はペーパーテストに強いです。ISAKのように習う内容を世界中からの生徒を対象にすると、私を含む日本出身の生徒にとっては一年前に習ったことも含まれています。例えば、(x+y)(x-y)などの中学範囲を、ISAKの数学の最初の方の授業でやりました。

 

受ける気がしない授業ってこう言うことか、と思った時も何回かありました。

でも、交渉して自分たちだけ違う内容のものを受けさせてくれと言えるだけの自信も英語力もやる気もない。

結局、文句を言いながら何も出来ませんでした

途中からは、グラフを作る統計的な作業に移ったりしましたし、個人的には作業は好きなのでそこまで苦痛ではありませんでしたが、作業が苦手な友達には少し大変だったようです。

サイン・コサイン・タンジェントを習った時は、やっと…!と言う気持ちになりました。

 

この時間を、合法的な自習にうつせたりするとよかったのかな〜と思います。この授業に限らず、今まで中学でやってきたような「点の取れる」勉強は、ISAKでは不安になる程しません。必要な授業と、そうでない授業の見極めは大切だと思います。授業をサボる人もいれば、授業中に他の勉強を少しずつやる(私はこれでした)人もいました。

個人的には授業はサボりたくないので、教員と話して解決策を見つけるのが一番良いと思いますが…。

 

Humanities

 

この教科は、ISAKで好きな教科のうちの一つでした。担当の先生がとても良い先生ということを差し置いても、好きな教科です。

基本的に、この教科では単元ごとに少し学んだ後、単元のテーマに沿ったエッセイを自分で内容も決めて書きます

例えば、一番最初のテーマはActivist(活動家)についてでした。何人かの活動家について学びシェアした後、私はエマ・ワトソンを活動家として、その人についてのエッセイを書きました。少し前には、平和と衝突(Peace and conflict)という単元があり、その際は「昭和天皇の戦争責任」について自分で調べてエッセイにしました。

ちなみに、ここでのエッセイとは「随筆」の意味ではなく、「レポート、論文」を指します。

 

主に近代以降の歴史を中心にテーマごとに勉強を進めますが、時折経済だったり政治的概念などについても学びます。

経済、イデオロギー(民主主義、社会主義など)のように全員で学ぶこともありますが、単元の後半は基本的に自分でテーマを決め、それについて各自学習していきます。

自分が調べていて楽しいテーマを見つけられると、本当に楽しいです天皇の戦争責任について調べているときも、このテーマにして良かったと思いました。

人文という意味のあるHumanitiesなので当たり前ですが、歴史が好きな人は楽しめる教科だと思います!

 

Science

 

理科は、今まで英語を使っていなかった場合、少しきついと思います。

私も、一学期末にもらった成績は、理科と英語が特に改善の余地がありました。使われる単語は日常で使わないものが多いため、それ専用の勉強をしないと内容はわかっていても英語でつまづきます。

 

内容は、数学と同じようにある程度今まで習ってきた内容が多いです。もちろんそれ以外のものもありますが、大抵は知っていることでした。ただ、理解していればいるほど、その単語を日本語から英語に変換しなければいけません。

自分としても、まだISAKでの理科を習得したとは思っていません。単純に単語が出来なさすぎるので。

もともと中学校にいた際は理科が好きだったので、その分ISAKでの理科では自分の悪い部分がよく見えました。今までは授業の終わりに先生に毎回何かしら質問していたはずが、ここでは英語が理解できないのと、理解しようとしないのと、余裕がないのが重なって、質問をほとんどしていません。その変わりように気づいた時は、少し驚いたし、悲しかったです。

来年度、どうにかしたいし、どうにかするため勉強します!!

 

Art

 

美術の授業です。パソコンを使って、写真の編集技術を習ったり、絵を描いて、それを最終的には木の板に描いて大きめの作品にしたりします。パソコンで習った写真の編集技術などは、かなり面白かったですし、今でもその時に使ったアプリを使っています。

普通に役に立つこともある一方、個人的に自分の絵を含めた創作能力を全く信頼していないため、絵の授業になった時はちょっと残念でした…。

でも、Artの授業は、この一年で一番先生にとって大変だったと思います。最初の方は海外の生徒が来れないとわかっていたためパソコンでできるものを扱っていましたが、生徒が全員揃ってからもコロナで休校やオンラインが続いたため、途中までやっていた単元も中止するほかなくなりました。運動は家でもできますが、美術の制作は道具もなければ対面でないと協力もできないので…。

最後の方は家でできる課題(ゴミを利用して自分の似顔絵を作る/ 用意された質問について、文章を読んで答えるなど)が多く、やっぱり対面授業が一番だなと感じました。

 

通常なら音楽・美術・書道を選択できるはずですが、ここでは美術のみです。書道を受けられるなら受けてみたいとも思いますが、そう言ったことを差し置いて、授業として普通に楽しかったです!

 

Information Science

 

この授業では、一年の前半にインターネットを利用した資料の見つけ方、後半にプログラミングを学びます。

edXのCS50というプログラミングコースを受けたことがあったため、そこまで苦労はしませんでしたが、楽しかったです。

特に、インターネット上での資料の見つけ方は、今までそう言ったものに触れてこなかったので、とても参考になりました。Google Scholarやニュースサイトなどは知っていても、Gale In ContextやJstor、CiNii、ERICなどの論文を検索できるサービスは、そもそもそう言ったサービスの存在すら知りませんでした。

英語メインということもあると思いますが、アメリカからの同級生はすでに使いこなしているのに、日本の公立中学ではこう言ったことを知らなくても良い(論文はあまり書かないはずです)ため、そこでのズレというか、差を感じました。

 

www.gale.com

cir.nii.ac.jp

 

プログラミングはクラスメイトの中での合う・合わないがはっきりと出ていて、面白かったです。自分自身もかなり忘れているところがあったため、また勉強し直さなきゃな、と感じました

 

P.E.

 

体育は、別に何かが違うわけでもなく、普通に授業を行います。強いていうなら、全てのチーム分けが男女で分かれておらず、混合であるというところでしょうか。

授業の最初に少し走るとこなど、先生が日本出身であることも相まって、今までと同じように受けることができました。バスケ、バレー、バドミントン、長距離、ダンス、、、。コロナの影響で、いくつかはほとんどできませんでしたが、もう実技科目がコロナで影響を受けるのはしょうがないことでもありますよね…。

来年からは国際バカロレア教育が始まるので、数少ない、来年からも変わらず受ける教科です!

 

Leading Self, Leading with Others

 

この二つの教科は、Leadership classと言って、ISAKのキャッチコピーの一つでもある「リーダーシップ」を育てるための授業です。

Leading Selfでは、主に自分の内面の制御の仕方や人との関わり方について学び、Leading with Othersではグループの中での動き方や、プロジェクトに人を惹きつける方法などについて学びます。

 

この2つの授業は、ISAKらしさがよく見えた授業だったと思います。

この授業をめぐって、私の学年ではいろいろな議論がありました。肯定派もいれば、否定はもいて、役に立つのかわからないという人も多くいました。かくいう私も、すでに感覚として知っていることを言葉にして教えてもらっているという印象があり、学びになったと一言で言うのは難しいです。

このリーダーシップクラスにはいくつかの問題点がありました。また、クラスのみでなく、先生の指導の方法も学年の中では評判がかなり分かれていました。私はこの二つのクラスをどちらかというと苦手なクラスとして受けていたので、愚痴にしないためにもここら辺でやめておきます。

それでは、なぜ「ISAKらしさが見えた」とかいたのか。

ISAKにはこの授業も含め、いろいろな改善できるポイントがあります。新しい学校なのですから問題があるのは当たり前ですが、驚くようなことがいくつも起こりました。そのうちの一つに、この授業内で起こったことがありました。

でも、そう言ったことに対して生徒側がデータを集め、他の生徒から話を聞き、そして行動を起こしている。その流れが間近でみられるのは、本当に嬉しいです。

そう言った動きの中心となっている生徒、周りでさまざまな面から手助けしている生徒。どういう風に学校の校長や理事と話をつけるのか。どういう時に連絡するのか。そう言った流れを見ていると勉強になります。問題があっても、生徒が解決しようとするところはISAKの魅力の一つかも。

 

それに、この授業があって良かったと思ったことの一つに、同級生について知るきっかけになったことが挙げられと思います。例えばSelfでは今までの自分の分岐点となってきた過去を振り返るという授業があり、その授業内で友達の意外な経験を知ることになったりしました。Othersでは、自分のやっているプロジェクトを始めた理由をまとめてスピーチにするという授業があり、それも同級生を知るのに役立ったかもしれません。

また、Othersで行った授業の派生として、来年はアニメ好きの友達数人とアニメクラブを作る計画を考えたので、実行に移せるような移すかも…?

 

Hirameki, G10 Service

 

Leadership classまでが毎年G10(高校一年生)が受ける授業ですが、その他にも私の学年では、HiramekiというクラスとServiceというクラスがありました。

Hiramekiは、私の学年から始まった授業で、テーマに沿ったプロジェクトを自分ではじめるためのものです。この授業中に自分のファッションブランドを作ろうとした生徒もいれば、アニメを作ろうとした生徒もいます。

その名の通り、「ひらめき」を大切にしようというコンセプトの授業です。

 

そしてG10 ServiceもHiramekiと同じような内容のクラス。ただ、全ての授業が自分で内容を決められるわけではなく、最初の方はISAK敷地内の森に関する活動をし、途中の方では起業家精神について実際に起業した方々を招いて学習しました。

後半では、Hirameki、そしてHumanitiesと繋がり、三つの授業を交差して一つのプロジェクトをやるという授業に移っていきました。プロジェクトを進める際にメンバー間で共有しておくべき目標や道筋をどうやって決めるか、残しておくかなど、いくつかの指導やサポートが入ります。

私のクラスメイトの中には、ISAKの近くにスーパーマーケットを作ろうとする生徒や、ポッドキャストを開いた生徒もいました。それぞれが自分の興味のあることなどを考えているので、話を聞いていると面白かったりもします。

 

 

ということで、以上がISAKのG10での授業をまとめたものとなります。

如何せん、今まで教科書を使わない勉強をしたことがなく、個人的には教科書を使う勉強も大好きなので、戸惑いもかなり大きかったです。

本当にこれで勉強になっているのか、自分が成長しているのかと言われると、微妙なところもあります。私は知識大好き人間でもあるので。

 

でも、実際に参考になったことはいっぱいありました。授業を生徒がいろいろな形で面白くしようとしている姿や、変えようとしている姿。学校の管理職に話を持っていくような真面目なものから、授業中に課題をやらなかった人にダンスを踊らせると言ったもの(これは、結局踊る気のあった一人だけ踊りました)まで。

単純に、ISAKに来ている人って大体が賢いです。いろいろな意味で。だから、俯瞰している人に話を聞いても面白ければ、いかにも面白そうな人に話を聞いても当然面白い。

そして、考え方が似ている人も一定数いるため、議論が発展しやすい。(一方向に発展しやすいので注意が必要ですが。)

 

合う合わないは人によて違うと思いますし、私にISAKでの授業が完璧にあっているとは言えません。でも、楽しい面もあったことに間違いはないです。

 

最後までお読みくださりありがとうございました。来年からはIB(国際バカロレア)が始まります。またG10とは全然違う方法での勉強となります。すごい楽しみだし、不安も大きいです。とりあえず、なんとかなるでしょうという精神で今までやってきたので、これからもその通り頑張っていきたいです!

 

一日一読はじめました!4月の読書本ふりかえり。やっぱり本が好き。

 こんにちは!お久しぶりです…。やっぱり記事の投稿はなんとなく後回しになっちゃうので、もっと日々思ってることとか書いて行けたらな〜と思っています。

 

 今、私の学校はコロナのせいでかなりずっと隔離状態です。4月の間はかなり長い隔離があり自宅に戻っていて、帰ってきたらまた隔離が数日前に始まって…。ちょっと悲しいです。後1ヶ月でISAKのこの学年も終わるのに…。でも、この状況でもIBの成績を決める試験(ちょうど今真っ最中!)に望んでいる先輩方には尊敬しかありません!

 

 それでは、今回は今月読んだいくつかの本を紹介していきたいと思います。

実は、今月の第3週から、読書ノートをつけるようになりました。隔離の期間を楽しく過ごすため、自分で意識して本を読むようになったからです。

ということで、4月の下半月で読んだ本は15冊。ちょうど4/16から始めて、一日一冊読んで来ました。その中で、自分なりに何冊か紹介していきたいと思います。ジャンルごとに一冊紹介できれば…と思っているのですが、もしかしたらどこかで決められず被ってしまうかもしれません(笑)

また、ここにあげた本もあげなかった本も、詳しくまたどこかで感想の記事を書くかもです!

 

目次

 

岩波少年文庫から、日常を描いた戦争のお話。

小説はいくつか読みましたが、その中でも一番好きだったのはハンス・ペーター・リヒターの『あのころはフリードリヒがいた』

 

 

舞台は、第二次世界大戦ごろのドイツです。

そして、著者は1925年にドイツで生まれた、小説家兼社会学者。

この基本情報と、題名から、やりきれなさがよくわかると思います。題材は、ユダヤ人への迫害。

 

この本を読んだ後の、私のノートに書いた感想はこちらです。

 

本当にめまぐるしく、だけどじわじわと、何かが迫ってくる感じがある。

正直結末はある程度予想していたけど、思ったよりも呆気なく気づいたら終わっていた。

シュナイダーのおばさんもフリードリヒも、命は本当に呆気なく、すぐに消えてしまう。あの少しずつ確実に飲み込まれてる空気の中で、できることはあったのかな。なかったのかな。

 

読みたくないし、目を背けたいけど、

ページをめくることをやめられない。それでも読んでいて辛くなる本。

 

書いた通りです。

書いている題材は、ユダヤ人への迫害。それ自体は私たちにとっては非日常のものです。戦争なんだから、当たり前ですが。

でも、彼らにとってはそれが日常で、しかも気づかないうちに蛇に首を絞められているよう。だって、気づかないままユダヤ人迫害に加担したりしてしまうんですから。

 

長野県の新聞で、一時期「御嶽海」という大関が猛プッシュされていて、連日連日御嶽海のオンパレードでした。それこそ、どこかで売ったらファンに買ってもらえるのでは、というくらいに。

私の両親も、毎日新聞を読んでいるのでふとした時に御嶽海の勝敗が気になってスマホで調べたり。ここまで相撲の話題が出てくるのは我が家では初めてのこと。

 

別にそれをどうこういうつもりは本当にないのですが、それをみて、メディアの影響ってすごいな、と思いました。日常をそのまま過ごしているはずが、気づいたら少しずつ何かに染まってきている。

その染まっているものに登場人物たちは気づかないでいるけど、私たち読み手は第三者だからなんとなく違和感がこびりつきます。

そうして、次第に人がどんどん消えていって、あっけないラストが来る。

 

淡々と、ただ淡々と、何かがうねっておかしくなっていく。でも、私がそこにいたとして、何か手が打てたのでしょうか。一人だけ波に逆らい、それはおかしいと叫べたんでしょうか。そもそも、それがおかしいと気づけたのでしょうか。

正直、私の中にある答えは、、、。自分で書いていても恥ずかしいので、名言はしませんが。

でも、もし次フリードリヒが私の周りで生まれたら、何ができるのか。それは考えていかなければいけないことかな、と思っています。続編もあるらしいので(三部作だそうです)、読んでいきたいです!

 

ちなみに、アンネに関する本も二冊4月には読んだので、それらの感想も違う記事で書いていきたいです。読んだのは、

『アンネフランクに会いに行く』(谷口長世 -岩波ジュニア新書)

『アンネナプキンの社会史』(小野清美)

の二冊です。かなり面白かった本なので、記事を書くのが楽しみです!

 

 

岩波ジュニア新書より。この本に出会えて、本当によかった!!!

さて、お次は、岩波ジュニア新書よりどハマりした本を一冊。

『漢字ハカセ、研究者になる』。国字研究の第一人者である、笹原宏之さんの書いた新書です。

 

 

今年の3月発売ですが、この本は本当に読めてよかったと思っています。

とにかく、めちゃくちゃいい本です。漢字への愛がこれでもかというくらいに伝わってきます。

「好き」を原動力にできるのって、本当に強いですよね。この頃何回も思いますが、「好き」って限りなく大切で、影響力の強い気持ちだと思います。

 

まず、文章が好きです。ノンストップで読めて、すっと頭の中で情景が浮かんでくる。

これは新書のはずなのに、素晴らしい小説を読んだ時のように、噛み砕く時に何も障壁がありません。

181ページ、東日本大震災の際の気持ちを書き記した場所は、とにかく良いです。

初めて新書で涙が出そうになりました。本当に、うるっときたんです。

少しのいつもとの差異で、命が助かった人もいれば、その逆もいる。それが、身にしみた部分でもありました。

 

なんというか、うまく説明ができないけど、多分文章が私の好みなんだと思います。優しく入ってくる文章で、でもどこか硬いところもあって、大事なことを思い出させてくれる。「好き」の究極系を垣間見た気分ですし、忘れちゃいけないことを思い出せる本な気もする。

もっといろんなことを知りたいし、好きなものを見つけたい。

そんな気持ちが溢れ出てきます。

 

あと、ちょっと笑えるのが、謙虚なファインマンさんっぽさ。

『ご冗談でしょう、ファインマンさん』という本のレビューを書いたことがありますが、このファインマンさん、サラッとノーベル賞を取った物理学者なのに、芸術で個展を開いたり、初めて弾いた楽器でサンフランシスコの楽器団に誘われたりしています。いわゆる、ムカつくほどの天才なんですよね。

 

chirpspring.hatenablog.com

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この笹原さんがそうかは分かりませんが、この人にもさらっと「いや、それはできないって…」みたいな行動があったりしちゃう。

読んでいて、面白いと同時にちょっと打ちのめされちゃうみたいな部分もありました。優しい、腰が低い文章なのに、無意識に他人をぶちのめしちゃうようなところも大好きです!

(個人の感想ということを忘れないでください。)

 

何回も言いますが、この本は本当に読めてよかったです。初めてファンレターを送りたいと思いました。(今書いてる途中なので、送ったら追記します。でも、学校中が隔離のせいで郵便ポストにいけない…泣)

新書の中では、一番と言っていいほど好きな本です。出会えてよかった!

 

 

やっと読めた、待望のエッセイ:読書と教育について

次に紹介するのは、ダニエル・ペナックによる『ペナック先生の愉快な愉快な読書法 -読者の権利10箇条』。

 

 

この本、実は3月ごろに会った方にすごくお勧めされていて、絶対に読んでやる!!と思っていた本です。親に頼んで買ってもらい、ネットで届いたものを読みました。内容は、作家でもあり、先生もしていたダニエル・ペナックが自分の国語の授業の内容などを含めた思っていることをつらつらと語っていくエッセイ。

 

私はこの頃学校図書館と、読書教育に興味があります。そう言った身からすると、このエッセイは色々な意味で面白かったです。

読書するとはどういうことか、読書を自らするということはどういうことか。

そう言ったことがペナック先生の視点で描かれていて、賛成するところもあれば、首を傾げたところもありました。

一番記憶に残っているのは、「朗読」についての記述です。

私は朗読がかなり好きなのですが、この頃は朗読をする機会も全くありません。もちろん機会を与えられてやるものではなくても、朗読をするのも聞くのも、寮生活だとちょっと恥ずかしいというか…限界があります。でも、本の中で説かれていた「本を読めという命令ではなく、本を朗読している先生の時間を共有する」というコンセプトはかなり納得しましたし、賛成できました。

 

そして、この本の醍醐味はやっぱり副題にもなっている「読者の権利10箇条」だと思います。

  1. 読まない権利
  2. 飛ばし読みする権利
  3. 読み終えない権利
  4. 読み直す権利
  5. なんでも読む権利
  6. 本の世界に染まる権利
  7. どこで読んでもいい権利
  8. 拾い読みする権利
  9. 声に出して読む権利
  10. 読んだことを黙っておく権利

これらの権利は、本を読む人にとっても読まない人にとっても大切なものです。

私は、この権利を知ってから本を読むことを自分でより決められるようになりました。義務感から本を読むのではなく、数ある選択肢の中から自分で本を読むようになったんです。

重要だな、と思います。当たり前のことかもしれないけど、こうして文字にして意識の片隅に置いていくと読書が気楽になるかもしれません。

 

正直、待ち望んでいた割には、この本の良さを全て理解できたという気は全くしません。まだ一回しか読んでいないんです。

親に「自分たちも読みたいから寮には持っていくな」と言われたので、残念ながらあまり読み返していない…。(もちろん不平不満はありません。ええ、ないです。)

でも、100回読んで、ペナック先生の考えをしっかり理解できたら、もっと本を読むことが楽しめると思います。

本を愛す人になりたいです。なれたらいいな。

 

最後に、この本から学んだことを一つ。

「読む」は「読みなさい」には耐えられない。

 

 

これは秀逸!!インテリには読んでもらいたい本。

最後に紹介するのは、分類が難しいんですが、実用書…??雑学本なのかな??

堀本見の『教養(インテリ)悪口本』です。この本、その名の通り教養のあるインテリ向けの悪口が書き連ねられている本。

 

 

と言っても変なものではなく(いや、あるのか?)、ちょっとした悪口を綺麗に(教養を使って)言おうという本です。家族が何回か話題に出していて、自分だけ「青鯖が空に浮かんだような顔」が通じないのが悔しかったので、読んでみました。

 

かなり面白いし、紹介されているエピソードがいちいち秀逸なので是非読んでもらいたいです。雑学本のようなものかな。

ただ一つ注意したいのが、この本、基本的に悪口として使用する場面に限っているため、話半分で読まないと少し消耗するかもしれません。まあ、ずっと悪口見ていたい人なんてあんまりいませんよね…。

 

うわ、これ自分やん、と思ったのが、

ボキャブラリーをスタックで管理している」という悪口。

対象は、「最近憶えた言葉ばっかり出てきちゃう人」です。これに関する解説がこちら。

「一番最後に積んだものを一番最初に処理する」のが、スタックの本懐である。

ボキャブラリーをスタックで管理してるのかよ」は「最近憶えた言葉ばかり使いやがって!」のみならず、「お前のボキャブラリー貧弱すぎん?」というメッセージも同時に伝えられるのである。実に重厚で、深みのあるインテリ悪口であると言えるだろう。

 

まあ、、しょうがないですよ!だって、新しく覚えた言葉なんて使わないと覚えらんないんですから。

こんな感じで、インテリ悪口が何個も載っています。実際に家で使われたのは、

「青鯖が空に浮かんだような顔」

「ヘロストラトスの名声」

鹿鳴館精神」

などなどでした。意味がわからない…という方は、是非本書を読んで使い道を想像してみてください。ちなみに、「青鯖が空に浮かんだような顔」は、中原中也が酔って太宰治に言った悪口です。

…太宰ぃぃぃ。なに言われちゃってるんですか、言い返してくださいよ!

みたいな気持ちになるのは私が太宰作品が大好きだからなのでしょうか…。それにしても、咄嗟にこれが出る中也はさすがですよね。もう青鯖が太宰の写真を見るたびに思い出されます。

 

職場編から恋愛編、飲み会編、娯楽編など、計六つの章に分かれてインテリ悪口が提唱されています。ぽろっと、「こんな悪口を機転をきかせて思いつけるようになりたい」と言ったら、親に「ここに書かれてることをそのまま言うのっていかにも教養のない人じゃない?」って言われたので、実用書ではなく雑学本として読むことを強くお勧めします!!

 

 

まとめ!

と言うことで、以上4月下半月に読んだ本からおすすめの本を数冊選んできました。名前だけ出した本などもあるので、もう少しブクレポを描いていこうと思っています。世界中の本を読んでみたいけど、それは無理なのでまずは自分の興味のある本をどんどん読んでいきます!

おすすめの本等ありましたら、是非教えてください!正直、隔離が続いてもう飽き飽きしているので…(笑)

それでは、数枚この頃撮った春の写真を載せて、お開きとしたいと思います!

みなさんはGWの途中でしょうか。ISAKでは祝日がないので、私はオンライン授業を受けていますが、みなさんがのんびりと過ごせているといいな〜と思っています。

 

 

(友達とキャンパスの周りを散歩した際に撮りました。ちょうど夕暮れ時で、色々な雰囲気の桜がみられたかな、と思います。)

 

最後までお読みくださり、ありがとうございました。気になる本はあったでしょうか。自信を持っておすすめできる本ばかりなので、手に取ってくださると嬉しいです。次の記事も読んでくださるとありがたいです!

心をほぐす随筆のアンソロジー:『コーヒーと随筆』

こんにちは!今日もお疲れ様です!

更新頻度上げていきます!…って言っても、なかなかすぐには上がらないですね(笑)

 

 

今日は、そんな日々の中で読んだぜひおすすめしたい本を紹介していきます!

読んだ本は、『コーヒーと随筆』庄野雄治編。

この本、久しぶりにめちゃくちゃハマって、親にもすごい勢いで進めた本でした。

 

 

どれくらい「久しぶりにめちゃくちゃ」かというと、記憶を辿っても一冊を親に激推ししたのって、小6のマイケル・モーパーゴ『月にハミング』以来なんですよね。

 

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その際は「死ぬ前に読まなきゃ後悔する」と言って親に読ませました。

 

この『コーヒーと随筆』も、死ぬ前に…とまでは言いませんでしたが、やはりすごく面白かった本です。

今回は、この随筆アンソロジーについて記事を書いていきます!

 

 

まず、この本の概要について。

庄野雄治さんが編集した、近代の随筆を集めたアンソロジーになっています。

いわゆる超有名な文豪たちのエッセイが集まっていて、意外な一面もあったり、思わず笑っちゃうところもあったり…。

 

この庄野雄治さん、編者紹介のところを見ると、かなり意外な経歴が載っていました。

1969年徳島県生まれ。大学卒業後、旅行会社に勤務。

2004年に焙煎機を購入し、コーヒーの焙煎を始める。

ここまではいいんです。

今の職業は、

2014年同じく徳島市内に「14g」を開店。

コーヒーロースター。

だそうで。

前書きでも、確かに「コーヒー屋」と名乗っています。

 

選ばれている随筆、その流れ、色々な点から、作家さんでなくても文学に関係するお仕事をやられているのかな、と思っていたらまさかのコーヒーロースターさんでした。

だから、『コーヒーと』なんだ…納得です。

(前書きの内容を途中から忘れていました、、、ごめんなさい。)

 

そんなコーヒーの専門家の方が選んだアンソロジー、『コーヒーと随筆』。

中身は、錚々たる文豪たちによる随筆の宝庫。

まさに序文の通り、

繰り返し読める随筆集

となっています。

 

以下が、収録されている作品の一部。

 

著者陣を見た時、「こんなに豪華なんだ!」って思いました。

普段は少し敷居が高くて、ちょっと躊躇うような「文豪」の人たちの作品も、この本を読んでからだと少し印象が変わるかもしれません。

100年近く前に書かれた作品も多くあります。

それでも、その面白さが全く損なわれないのは、この随筆アンソロジーの並べ方もあるのでしょう。

 

読んでいくうちに今までの硬いイメージと異なった文章に触れていき、「あれ?」となる。

 

そして、少しずつそれぞれの随筆の中に共通点が出ていきます。

読み終わった時の感覚は、もうたまらないです。

 

まず、一番最初の「畜犬談」インパクトたるや、素晴らしいものがありました。

太宰治のイメージって、基本的には走れメロス」「人間失格などがあると思います。かなり暗いというか、ちょっと特徴的な作風が知られているのかも。

この「畜犬談」は、太宰のキャラクターが好きになる作品だと思います。

いつもの暗い、苦しくなるような作品とは違い、ユーモアに溢れた、つい笑っちゃうような作品。

「畜犬談」を読むと、太宰のイメージは一変すると思います。

卑屈さも備えつつ、弱々しさと優しさも少しずつ出しつつ、最終的にはどうしても本音を捨てられない。

「可愛い」「ツンデレ」なんて言葉は太宰にはあまり使われませんが、この話にはそう言った要素もあるかもしれません。ユーモアに溢れる作品です。

 

ちなみに私は太宰の作品が大好きなので、以下の記事も興味があれば読んでみてください!

chirpspring.hatenablog.com

 

この作品で、一気に惹きつけられて読み進めていくと、北大路魯山人から織田作之助から、それまでのちょっと硬いイメージのあった人たちが日常を書き進めている随筆が並んでいきます。

 

特に芥川龍之介の「ピアノ」は秀逸でした。

芥川の文章を、私も読んでみたことはあるのですが、正直あまり好きにはなれなかったんです。

でも、この随筆はスッと入ってきて、読んでいて表現が心地よいとまで思いました。

また、震災の記憶が(私は実際には体験していないのにも関わらず)蘇ってきたような気がして、空恐ろしくなった作品でもあります。

クラシックを聴きながら読んでみたいな、という作品でした。

 

そして、一番最後に収録されているのは坂口安吾の「不良少年とキリスト」

この作品は、太宰の死についての作品です。

太宰が死んだことに対して感じたこと、太宰という人間に関しての分析、そして太宰のフツカヨイについて。

太宰へのイメージの変化で始まったこの『コーヒーと随筆』は、太宰の死への文章で終わります。

太宰と坂口安吾の仲が少しですが窺い知れる作品だと感じました。

すごい軽い感想に見えますが、太宰に死んでもらいたくなかったんだろうな、と。

 

ちなみに、この本は「文豪ストレイドッグス」が好きな方には特におすすめです。

『不良少年とキリスト』では、太宰、織田作、安吾が出てきますし、他にも何作もキャラクターとして文ストに出てきている人の作品が収録されていますし。

 

とにかく、この本は久しぶりにここまで惹き込まれる本にあった…というレベルで面白かったです。

随筆の縛りの中だと、一気に一番好きな本になったかも

ぜひ読んでみてください。

 

この編者さん、『コーヒーと小説』という本も出版しているそうです。これは、小説のアンソロジー。こちらもコーヒーが合う作品としてとても面白いのだとか…。

見つけ次第読んでみたいです!

残念ながら、『コーヒーと随筆』はコーヒーとともに楽しめなかったので、『小説』はコーヒーも一緒に楽しんでいきたい!

 

 

ということで、『コーヒーと随筆』の感想を書いてきました。

異彩を放つ作品群の並べ方、まとめ方からも、この本の素晴らしさ、編者の方の素晴らしさがわかるかと思います。

序文、結文も必読ものです。ぜひ、この傑作を読んでみていただけると嬉しいです。

 

新しいものは古くなるが、いいものは古くならない。この本に掲載されている随筆は全て半世紀以上前、中には百年以上前に書かれたものもある。これらの作品が、それを証明している。

(序文より)

 

どんどん移り変わっていくこの時代の中で、変わらないコーヒーの味と変わらない随筆の良さを味わっていただければな、と思います。

読めてよかったですし、この編者の方に心からの感謝を伝えたいです。

この方のホームページにも綺麗な文章がたくさん並んでいます!

www.travelers-company.com

 

最後までお読みくださりありがとうございました。この本が読めたことが本当に嬉しかったです!次からのシリーズ本も読んでいきたいです。