うぐいすの音

17歳の女子が運営しているブログ。本のレビューなどしていきます。

UNKNOWN-古処誠二 を読んで

 こんにちは。今回は、古処誠二さんの、UNKNOWNを読んだ感想を書きたいと思います。

 この本は、読む本がなくなった私が母にお勧めを聞いたところ、家の本棚から出して来たもので、私はこの本の存在すら知りませんでした。他に勧められた本を最初に読み、外見からシリアスなものだろうな〜と思って、敬遠(?)していましたが、読む本がなくなり、腹をくくりました。

 内容としては、一言で言うと自衛隊のお話です。二言で言うと自衛隊への盗聴器、三言なら自衛隊と密室の盗聴器といったところでしょうか。やはり、シリアスなもので、私がそんなに読まないジャンルでした。そもそも、スプラッタとかホラーとかが大嫌いで、ミステリも好きだったのですが、シャーロックホームズの「バスカヴィル家の犬」と「技師の親指」を読んで、ミステリも積極的には読まなくなってしまいました。(それでもホームズは好きだし、二十面相も好きです!) この話も、紹介文に「本格ミステリ」だとか、「リアリティ溢れる」とか書いてあったので、怖くて読めなかったのですが、いざ読んでみるととても面白かったです。

 

 私は、有川浩の本をよく読むので、自衛隊のラブコメには慣れています。この本は、私の中で、自衛隊ってこんな風にもお話になるんだ…と言う印象を与えてくれました。

 話は、少し田舎にある自衛隊基地で起こります。なんと、隊長室に盗聴器が仕掛けられたと言うのです。幸いなことに隊長である大山三佐がノイズに気づき、防衛部から調査官が送られて来ました。

ホームズ役は防衛部調査官の朝香二尉で、ワトソン役は野上三曹です。この二人は、階級がとても離れている上役職も大きく異なるので、接点はなかったのですがこの事件が起こったことで、野上三曹が朝香二尉の補佐となりました。野上三曹はまだペーパーで、努力もそこまでしないのに、鉛筆サイコロで三曹のテストに受かっていた人です。なぜか彼が補佐という役割になりました。朝香二尉はコーヒー中毒?の人で、見た目は優男です。

 

 話自体は簡単なトリックからなっていて、すごく悩ませるという訳ではありませんでした。それでも、人物のかきかたがとても生き生きしていたと思います。臨場感があふれ、引きつけられるし、野上三曹が少し間抜けなキャラなので、想像しやすくわくわくできます。また、ホームズとワトソンの掛け合いがとてもコミカルで、シリアスなはずなのに思わず笑ってしまう所もいくつかありました。重くなる事が多い自衛隊の話題ですがそのおかげで頭に入ってきやすく、自然に自衛隊と自分を重ねて共感してしまう所も何カ所かありました。朝香二尉のキャラも少しミステリアスで、いくつかの伏線が張ってあって読み進めるのが面白かったです。

 多分本格的なミステリというより、ラノベに近い感じだと思います。UNFINISHEDという続編も読みましたが、同じように面白かったです。

 

 本格的な物が好きな人には会わないかもしれませんが、軽快な作品で私は読みやすかったです。ぜひ読んでみてください。最後までお読みくださりありがとうございました