うぐいすの音

17歳の女子が運営しているブログ。本のレビューなどしていきます。

西村京太郎「京都駅殺人事件」を読んで

 こんにちは。最近本当に寒くなって、通学中の歩き読書がつらくなってきました... 

今回は、読書レビューをしたいと思います。私は、ラノベが好きで、有川浩作品のような物を良く読むのですが、今回は少し違うジャンルに手を出してみました。友達から進められた西村京太郎さんの「京都駅殺人事件」です。

 

 元々ミステリは好きでも嫌いでも...といった感じで、アガサ・クリスティコナン・ドイルなどの有名どころは普通に読みますが、日本人作家のミステリはほぼ読んだ事がありません。少し前にレビューした古処誠二のUNKNOWN以来でしょうか...(といってもUNKNOWNもそこまでミステリ要素が強い訳ではなく、普通にキャラがたっていて軽かった気がします)

 

chirpspring.hatenablog.com

 

 友達から進められ、「京都駅殺人事件」を読んでみましたが、話の展開が面白いなと思いました。

 東京の浪人生の部屋で同級生が死体で発見→浪人生は爆弾を作っていた模様

 京都駅には駅舎に不満を満った物からの爆破予告が...

 身代金や、浪人生の兄の死亡、浪人生の後任爆弾魔まで現れ、事態がどんどんややこしくなる... という話です。

 

京都駅は見た事がなかったので、自分で探しながら読みましたが、京都駅を実際に見たり、物語に出てくる所に実際にいったらもっと面白いのかな、というような本でした。この本を読み、当時の京都駅に対する人々の意識がリアルに感じられました。京都駅は、今が四代目の建物で、コンペが行われそこで出た案によりデザインが決定されたそうです。京都の雅な雰囲気とは少し変わった物で、近代的で大きい建物となっています。

 エッフェル塔だって、建築当時は賛否両論あり、エッフェル塔を絶対見たくないという人もいたくらいですから、大きな改築はどんな時でも賛否両論を生むのかなと思いました。

 この作品の魅力は、犯人の目的が曖昧な所です。京都駅の外観の修繕だけが目的のようにも思えるし、そう思えば身代金でつれそうな面も見せる。でも結局金が目的の様でもなく、動機・目的が曖昧な犯人に十津川警部達が振り回されていきます。読んでいても、犯人がいったい何をしたいのかがわからず、霧の中のようでした。ココで思い出さなければいけないのが、犯人は浪人生の若者という所です。若いのに良くココまで翻弄できるなと思ったら、まさかの事故死。それまでに実際爆破予告を実行させ、この若者はすごいな、と思わせておいて結局死なせるのは少し混乱してしまいました(笑) そこから、若者の兄が死んでついに黒幕が登場していくのですが、そこの展開もしっかり読まないと振り落とされてしまいます。

  結局、この事件のきっかけはつまらないもので、動機としては弱いような気がしました。でも、そこまでの道のりが複雑怪奇だったので逆に動機として納得してしまいました。小さなことでもこじらせるとすごいことになります…

 

 久し振りにミステリを読んでみました。話自体は文章が簡潔で、サクサク読めるのですが、しっかり内容をつかんで行かないと付いていけなくなり、よくわからなくなります。私はしっかり読み込むのが苦手なので、やはりラノベの方が簡単なんだなと思いました。でも、たまにはこういうものを読むのもいいかもしれません。西村京太郎の本は他にも何冊か読みましたが、「ななつ星」の本も面白かったです。実際に現地に行きたくなるような本ばかりなので、旅の共とするのが一番あっているのかなと思います。

 最後までお読みくださりありがとうございました。長旅の予定などありましたら是非読んでみてください。