うぐいすの音

17歳の女子が運営しているブログ。本のレビューなどしていきます。

「ヤング・シャーロック・ホームズ」を読んで

 こんにちは。私の住む地域では一週間の天気予報に雪の文字が現れてきました… ついにこの時期がきたかと戦慄しています… でも今年は暖冬らしい⁈今年が暖冬で良かったという気持ちと、来年からどうなるのかという気持ちが混ざっています。

 

 今回は、「ヤング・シャーロック・ホームズ」という本のレビューをしたいと思います。アンドリュー・レーンさんの書いた本で、子供の頃のシャーロック・ホームズを主人公とした作品です。私はもともとそこまでパロディのようなものを読むほうではなく、このような本を読んだのは初めてだと思います。コナン・ドイル財団公認という言葉につられ、学校図書館で借りてみました。シリーズ物となっていて、私はまだ1巻の「死の煙」しか読んでいないのですが、もう6冊ほど刊行されているそうです。

 私はホームズは普通に好きで、自分で買った本も何冊かあるという感じですが、どちらかというと「ホームズらしさ」は感じられませんでした。ホームズは確かに頭の回る少年ではありますが、推理力が表されているというより好奇心旺盛な子供の成長が描かれているといった感じです。私は「シャーロック・ホームズ」を求めてこの本を借りたので、「別にホームズが主人公じゃなくてもいいのでは…」と思ってしまいました。シャーロック少年が、兄のマイクロソフトに「早く僕に会いに来て」と手紙に書く部分があるのですが、そこは私の知っているホームズではない気がしました。しかし、14歳という年齢設定はいいと思いました。それ以上幼いと流石に事件へ首は突っ込みにくいし、もっと大きいとドイルのホームズっぽくなりそうなので、ホームズの小さい時と割り切って読めばいいのかもしれません。

 それに、普通の冒険ものとして読むと面白いと思います。ホームズの家庭教師をするクロウ先生がどちらかというとホームズらしかったです。一応子供向けですが、人の死んだりする描写が結構出てきたので、ヤング・アダルト向けといった方が正しいかもしれません。

 事件自体は、確かにゾッとするような真相で、トリックも考えられていると思いました。ホームズは引退後養蜂家として過ごしていくのですが、そのような未来を匂わせる描写が所々に出てきます。推理物というより、冒険が多く、大胆な行動やスリル満点の事件もいろいろ起こるので、休めない特急列車に乗っている感じでした。しっかり考えたい方は、じっくり注意深く読まないと内容が掴みにくいかもしれません。華麗に事件を解決するわけではなく、危険な目にあったり、少し思慮が少ないと思わせるような行動もしてました。そこで好みは分かれるかもしれません。私はどちらかというと好きな感じでした。スリル満点の冒険ものと割り切ると、内容も深く作られているしミステリーとしても面白いと思います。

 地味に恋愛要素も入っていて、あのシャーロックホームズが恋してる!と少し驚いてしまいました。彼はどちらかというと女性不信のように描かれるのですが、まさかの恋愛要素にびっくりしました。ここから、どういう経路で私のよく知るシャーロック・ホームズになるのか楽しみです。

 

 結論をいうと、この本は「シャーロック・ホームズ」を求めて読む人には物足りないかもしれません。どちらかと言うと、家庭教師のクロウ先生がホームズ役ですし、ホームズの一人称なので心情がわかりやすく、ドイルの作風とも違うと思います。

 でも、「ホームズ」になりそうな片鱗も見せているので、もともと違うものと割り切ってから読むと、「ホームズ」と比較したりしても面白いと思います。ホームズを読んだことのない人でも、ヤングアダルト向けの冒険ミステリーとして楽しめると思います。14歳の少年の冒険物として読んでみてはいかがでしょうか。興味のある方はぜひ手に取ってみてください。私も二巻からを読み進めてみたいと思います。