うぐいすの音

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落語「ガーコン」の感想 ー軍歌について考えてみた

 こんにちは。私が住んでいる地域でも、この頃とても暖かくて、10度を超えることもあり驚いています。このまま春になるのでしょうか…

 さて、今回は、私がこの頃はまっている落語について書いていこうと思います。このブログでも何回か落語に関する話題を出したことがありますが、休校になってから父の職場に同行することが多くなっているので、行き帰りに必ず落語を聞きます。 

 

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 この時まで家で落語が流れることはなくなりましたが、通勤中に必ず落語がかかるので、行き帰りで1日2回は落語を聞いています。

 それで、この頃よく聞いている落語というのが川柳川柳(かわやなぎ せんりゅう)さんの『ガーコン』という落語です。ガーコンは、どちらかというと落語ではなく漫談のジャンルに入るのだと思いますが、川柳さんの小さい時から聞いている軍歌などを解説を挟みながら紹介している演目です。

 元々は「歌で綴る太平洋戦記」などと呼ばれていたそうですが、オチに使われた脱穀機を動かす音からこの演目名がつきました。

 

 内容は、「歌は世につれ」という言葉が重となって進んでいくものです。川柳さんは1931年生まれで、ちょうど太平洋戦争の時に私と同い年くらいでした。なので、太平洋戦争の状況の移り変わりに少しずつ触れながら、当時の軍歌などを紹介しています。ところどころに滝廉太郎の話や高校野球の応援歌のエピソードなどを入れています。

 当時、日本中が一丸となって戦争に協力していたこともあり、寄席の園芸の中では落語・漫才が一番先に非難されたとか。同じ寄席でも講談などは軍記物を話したりできますから、喜ばれたそうです。噺家も多くが徴兵され、有名なところでも二十人ほど行っているそう。当時も今も落語家は別に人気の職業ではないでしょうから、それで何人も行っているのはやはり怖いなと思いました。

 

 太平洋戦争の時の歌を特に多く発表しているのですが、それがとても面白いです。軍歌は、「空の神兵」「月月火水木金金」などを最初に紹介しています。これらは戦争初期の歌で、毎日ラジオで流れていたそうです。戦争がうまく行っているうちは、明るい曲調の歌がよく作られていました。歌自体は聞いていると明るくなりそうな曲調なのですが、歌詞に気をつけてみるとやはり戦争色が色濃く出ています…

 英国東洋艦隊に勝った時の歌も、「今ぞ沈みゆきぬ」「海の荒鷲よ(日本海軍を荒鷲に例えています)」などと戦争ということを実感させるような歌詞が多くちりばめられています。

 それでも、リズムは応援歌のようで、「心躍らせる」ようなリズムになっています。当時は、今の私のように本やネットがあったわけではないので、ラジオからの音にいやでも注意が向くでしょう。それで、楽しいリズムの歌が流れてきたらその歌を口ずさむようになると思います。その歌詞が戦争万歳な歌詞だったら、洗脳されるのではないでしょうか。当時は情報も限られていて、不利な情報は極力流していませんでした。勝っていると思い込んでいますし、意識はそう思っていなくても洗脳されていくでしょう。現在の、敗戦という歴史を知っている私たちだって、毎日軍歌を聞かされていたら洗脳される可能性は大きいと思います。例えば、戦争を推奨している歌がもし政府やテレビ局によってよく流されるようになったら。軍歌の再来です。そのような状況になることはないと願いたいですが、歌にはそれだけの力があるのだなと思いました。

 

 今までの「心躍らせる」歌は全て戦争初期に作られた歌となっています。しかし、戦争半ばの頃から軍歌は変わって来るそうです。(川柳さんの落語の中だと、「戦中からは明るい長調音階の曲ではなく物悲しい短調音階となってきている」という話がありました。それについての真偽は調べても出てきませんでしたが、ここからの話はその言葉を基として書いて行きます。)

「同期の桜」という歌に見られるよう、「咲いた花なら散るのは覚悟 見事散ります国の為」など、特攻で死ぬことを想像させるような歌になってきています。リズムも、重々しいというか物悲しいというか、厳かな感じになってきています。

 これらの曲を聴くと戦況が変わっているというのをいやが応にも自覚させられるのではないでしょうか。ここからは私見ですが、今まで通りの明るい歌だと「いざ特攻」となった時に、話が違うと思う人もいると思います。そうではなく、「自分の命」ではなく「国の為の命」ということを歌にすることで、特攻への抵抗感を減らすことができると、政府は考えたのではないでしょうか。

 

 そのように、戦中の歌を解説していった後で敗戦。アメリカ軍の管理により、軍歌などは全て禁止されました。逆に、それまで流すだけで逮捕だったジャズ音楽が毎日流れるように。川柳さんのジャズはまさに「名人芸」です。体全体を使ってジャズを演奏しますが、本当に面白いので是非聞いてみてください。

 

 川柳川柳さんは、今年で89歳。三月には「誕生日を祝う会」が新宿で行われるそうです。高座に上がるのはお弟子さんや川柳さんにゆかりのある人たちだそうですが、いってみたいな〜と思いました。私の親も、10年ほど前にガーコンを聞きにいったそうですが、まだお元気なんですね… 川柳さんの持ちネタもいくつかありますが、この頃はガーコンのみらしく、逆に川柳さんが高座に上がるときはガーコン目当てのお客さんばかりだそうです。私も機会があったら聞いてみたいです…

 

 今回は、ガーコンの感想として軍歌について書いてみました。軍歌は、歌として元気になりそうだったりするものが多かったですが、それはつまり洗脳しやすい歌ということにもなります。現代の人でも洗脳される人はされるでしょう。軍歌を聞くことで、学べることも多いと思います。しっかりとした知識を身につけてから軍歌を聞くことは学びにつながるだろうと思いました。軍歌の怖さを知ることで、敗戦の時の日本人のショックなども少しですが感じることができるかもしれません。

 

 最後までお読みくださりありがとうございました。まさか落語からこんなに学びの可能性を見つけられるとは… 色々と考えることができ、改めて歌というもののすごさも考えることができました。これからも、ちゃんとした知識を持った上で軍歌を少し聞いてみたいなと思いました。

 

 

 


【落語】川柳川柳/ガーコン(2001年4月)

 


月月火水木金金

 


<軍歌>同期の桜