うぐいすの音

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「蒼のマハラジャ」読みました!!

 こんにちは。またまた今日も雪が降って、家の中で凍えてます… いつになったら春になるんでしょう。

 

 今回は、今日読み終わった漫画の感想を書いていきます。今回読了した本は神坂智子さんの「蒼のマハラジャ」です。

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〜ネタバレ含みながらの感想になります〜

 「蒼のマハラジャ」は、第二次世界大戦直前に主人公のモイラがインドのジョドプールに母と引っ越してくることから始まります。モイラは思い立ったらすぐ行動するある意味猪突猛進な女子で、インド大使となった父のためにイギリスから越してきました。当時インドは独立してなく、イギリスの支配の下、多くの藩に分かれていました。その藩の1つが舞台となるジョドプールです。

 表向きは友好的なインド大使の父ですが、その父と大臣の陰謀や、王子シルバ暗殺計画など、どんどん話が進んでいきます。ここら辺は、私が少し読み飛ばしているのもあると思いますが、本当に展開が急なのでしっかり読まないと2度読みすることになると思います。(私は何回か人物確認のため戻りました。)

 やがて、モイラはその地で一人になってしまい、しかも祖国と対立することに。祖国との対立を少女が一人で決めたことは本当に周りにとってもびっくりすることだったと思います。そこからまた紆余曲折あって、モイラは王子シルバと婚約することになります。

 ここで終わりかと思いきやそんなことは全くなく、そこからが大変になっていきます。王の暗殺、戴冠、戦争、色々なことがスピーディーにおこっていきます。この間、モイラもイギリスからインドへ、その間にサウジの王子に会ったり、本当に盛りだくさんです。

…とここまでがだいたい一巻のあらすじになっています。この漫画は全5巻あるのですが、一巻だけでこの重み… 結構読破には時間を使うかもしれません。

この物語は、次から次へと目まぐるしく状況が変わっていく感じがします。まさに「一難去ってまた一難」で、シリアスなところもいくつかあります。が、基本的に色々なところに笑えるポイントがあるので全体的にコミカルな感じだと思います。細かいところをそこまで気にしなければ読み飛ばすことも可能です。

 

 南アジアを舞台にした小説というのはそこまで多くないので、今回読んだのも新しい知識がいっぱい会って良かったです。当時のインドのカースト制や、インド独立の裏側にあったマハラジャ(王)たちの悩みなども面白かったです。

 また、それぞれの登場人物がとても個性豊かで、憎めない人たちが多いです。主人公のモイラは私と同い年ぐらいだろうに、芯が強くてなんでもやり通して。「気丈」とか、「勇敢」と言った言葉が似合うのかなと思いました。途中からはモイラの祖母も登場してきますが、祖母もとてもモイラに似てて(あれ?モイラが祖母に似ているんですね!)活発で諦めない人でした。祖母とモイラを見ていると、なぜモイラの父はジョドプールを陥れるほどの悪い人に育ったのか疑問です…

 この物語はモイラが幼い頃から大人になってマハラジャの妃になるまでを描いていて、結構長い期間となっています。その間に色々と歴史的要素を織り交ぜてくるので、大河ドラマみたいだな〜と思いました。

 それに、忘れてはならないのがこの物語がラブコメでもあることです。モイラとシルバの出会いから、彼らの婚約、結婚、そして最後は出産までを描いています。そう考えると、結構辛い恋路になっている気がします。両思いなのに、離れ離れなのがずっと続いたり、恋敵が出てきたり、姑たちが邪魔してきたり… よくある王道の設定ですが、盛りだくさんです。しかも途中には、どちらも命を狙われながら合流しようとしてる場面なども出てきます。これは、私だったらめちゃくちゃきついな〜と思いました。耐えられているモイラはすごい!です。

 でも、シルバもモイラもとても一途で、モイラは言い寄られても絶対シルバの元へ行くし、シルバはシルバでとてもモイラのことを心配してるし、破壊力結構あると思います。歴史漫画なだけではなく、ラブコメとしても楽しめるでしょう。

 

 この物語に出てくる事件のいくつかは、モイラ(イギリス)の常識とシルバ(インド)の常識が違うことで生み出されています。カースト制度の話から始まり、後宮問題や外出の時の決まりごと、妃としての振る舞いの仕方… 結構モイラの立場による問題も多そうですが、モイラとシルバは大戦後独立を果たすインドの統治者の一員として、古い風習を変えていこうとしています。モイラとシルバは変化を求めますが、追い出されたくない後宮の女たちや、甘い蜜を吸いたい役人、伝統を大切にしたい付き人、色々な人に止められスムーズにはいきません。

 ここの見所は、モイラの祖母が言った「伝統も大切にしなければいけない」というところにあるかなと思います。「温故知新」の「温故」もとても大切なことだと思いました。また、シルバたちが後宮の女性たちと話し合い、最初の考えを改めて後宮を残したところも良かったです!考えを変えて実行できる人で良かった…

 シルバは本当にかっこよくて、特に即位してからは革新的なアイデアを出して、国のことを考えています。最初は結構わがままな王子だったのに、モイラと出会ってから少しずつかっこよくなっていきます。シルバのアイデアで後半のインドの情勢は少しずつ変わっていきます。(前半もですが)後半からのシルバの動きには尊敬の念を抱きます。

 

 という風に、本当に盛りだくさんの『蒼のマハラジャ』。登場人物はもちろん、話の移り変わり、本当に面白かったです。勉強もほっぽって、全部読んでしまいました。興味あったら是非読んでみてください!

 

 最後までお読みくださりありがとうございました。なんか断片的に魅力を書いてしまい、まとまった記事にならなかったかもしれません… 読みづらかったらごめんなさい!でも、本当に面白い作品でした。勧めてくれた母に感謝です!