うぐいすの音

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人を判断するとは -新書「マイケルジャクソン」より

  こんにちは。

今回は、講談社の新書「マイケルジャクソン」を読んだ感想を、私のこの頃の出来事に含ませて書こうと思います。

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 私が今回読んだ本は、西寺郷太さんの「マイケル・ジャクソン」です。マイケルジャクソンについて書いてある本は何冊か読んだことがありますが、これは講談社が出版している新書でした。

 マイケルジャクソンは、一般的には「キング・オブ・ポップ」として昔の有名なミュージシャンという印象があると思います。が、それと同時に虐待や整形などのイメージ(奇人変人というイメージ)がある人も多いのではないでしょうか。

 私が今までに読んだマイケル関連の本も、マイケルを犯罪者として捉えて書いている本、マイケルを擁護している本、色々ありました。私はマイケルが好きなので、悪く書いている本は嫌いな部類に入っていました。

 この本の著者は、マイケルが本当に好きなのだと思います。事実を時系列順に並べて、整理して、マイケルがそんなことをしていないというのを説得力を持って書いていました。ここまでしっかり事実が書いてある本は初めて読んだし、初めて知ることも多かったです。 

 マイケルジャクソンの虐待疑惑については、情報がしっかりまとまってWikipediaに乗っているので是非読んでみてください。マイケルが無実だとわかると思います。マイケルは二回裁判を起こされましたが、最初の一回は金銭的決着をつけたことから世間に悪印象を与えました。しかし、おおよその事実はしっかりWikipediaにも乗っています。2回目の裁判は、全面的に無罪となっています。

 新書の方では特に1回目の裁判についてが人物の相関図を含めて詳しく乗っていました。これについては、今まで勝手なイメージで「違う」と思い込んでいたところもあったので、今確信を持って「違う」と言えるようになってよかったです。当時、マイケルにとって有利な報道をした人はほとんどいなくて、今はマイケルのそうした過去はほとんど扱わないです。しかも、「Leaving Neverland」という映画が公開されましたが、あれは被害者側からの証言を描いたものであって、事実をしっかり検証したりマイケル側からの意見を描いたものではありません。虐待を訴えた家族の父親がマイケルを陥れようと公言している電話も公開されています。「マイケルジャクソンの真実」なども含め、被害者側から見たドキュメンタリーが多いですが、新書「マイケル・ジャクソン」では事実を踏まえた上でマイケルの無実を証明しています。

 

 また、この本ではマイケルのみではなく、The Jackson 5やThe Jacksonsのメンバーであるマイケルの兄弟についても詳しく書いています。兄弟がマイケルにとってどのような存在だったか、それぞれにとってのThe Jacksonsなど。そのようなことが色々書かれています。今まで、マイケルの小さい時の映像などを見ていてもそれぞれの兄弟の名前などは一致していなかったのですが、今回本を読んだことでなんとなくですがマイケルの兄弟についてもわかってきました。マイケルジャクソン個人ではなく、グループとしてのジャクソン兄弟。マイケルがそのグループの中でどのような存在だったのか。時が経つにつれてグループにどのような変化があったのか。そのようなことが色々書かれていました。

 マイケルは確かにすごい存在でしたが、その前にはジャクソン兄弟としての成功があったのだ、ということをしっかり知ることができました。また、マイケルがどのような時代に生きて、どのように、移りゆく音楽業界で活動していたのかなども書いてありました。

 マイケルが何をやったのか、彼はどのような影響があったのか、などの、マイケルの功績に関する事柄を集めた本は多くあります。でも、この本はそれとは少し違い、マイケルが実際にどのような音楽を作っていったのか、マイケルは当時どのようなことを考えていたのか、などといったことを書いています。

 

 彼の音楽についてのことはもちろん、彼の兄弟、そして裁判についても色々なことが書いてあります。この本を用途、マイケルに対する印象が変わると思います。本当に、マイケルがどれだけの人だったのか、改めて確認できる一冊です。

 本にも書いてありましたが、マイケルは彼の「イメージ」が先行している部分もあると思います。「奇人」というレッテルにあう話は大々的に取り上げられ、「マイケルはこういう人物だ」という印象が勝手に世間でつくられていきました。それが今、浸透して色々な人がマイケルを誤解している、というのは確かにあるのかもしれないと思いました。

 

 それについては、私も実際に感じたことがあります。身近な話になりますが、先生などでも似たようなことがありました。

 授業がとても面白くて人気な先生でも、生徒のいうことを制限させるような先生もいれば、授業がそれほど面白くなくても生徒の発言を理解しようとしてくれる先生もいます。色々な先生がいる中で、一つ自分の中で「この先生はこう」というレッテルを貼ってもその印象のみでお別れした先生は一人もいません。少し話せば、新しい一面がわかるなんてことは多くあります。人を判断するということは、ある程度必要なことですが、そこまで重要ではないのかもと、この頃思うようになってきました。判断というよりも、その印象をずっと変えないでおくことが悪いのかも、と思うようになりました。その人を完璧に理解することなんてできないので、一回「こうだと思う」と思っても、その後また新しいことを思ったらその考えもしっかり自分の中に残しておくことが大事なのかな、と思います。

 

 …しっかり自分の考えを言語化することが今できていないのですが、「人を自分の考えで判断する」やり方を少しずつ変えていきたいとと思いました。きっかけは、今までの経験で思っていたこともそうですが、「マイケル・ジャクソン」の本を読んで感じたこともあります。

 自分の中の印象を大事にしすぎると、その人の「イメージ」が先行してその人がどういう人なのかをしっかり理解できなくなることがあります。そういうのを自分の中でなくしていきたいなと思いました。

 

 最後までお読みくださりありがとうございました。今回は、新書「マイケル・ジャクソン」の感想とともに、自分の考えを少し書いてみました。私はマイケルファンなので、本も好印象だったし、お気に入りの新書のうちの一つになりました。ぜひ、皆さんも読んでみてください。印象が変わると思います!

 

マイケル・ジャクソン (講談社現代新書)

マイケル・ジャクソン (講談社現代新書)

  • 作者:西寺 郷太
  • 発売日: 2010/03/18
  • メディア: 新書