うぐいすの音

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『植物図鑑』再読しました。

 こんにちは。

 今回は、有川浩さんの『植物図鑑』を再読したので、その記事を書こうと思います!有川浩さんが好きなことは今までも何回か書いていると思いますが、この休耕中有川浩さんの本をまた読み返しています。今は『ストーリー・セラー』という本を読んでいますが、この前『植物図鑑』を読み終わったので感想を書いていきます。

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 私は、有川浩さんを好きになったきっかけが『図書館戦争』を読んだことだったので、イメージは「軍事組織ものが多いミリタリー作家」でした。

 この作品は、面白いほど事件要素のある話がなく、最初は少し驚きました。図書館戦争自衛隊三部作、クジラの彼、と軍事もののラノベを最初に読んでいて、その後初めて読んだのがこの植物図鑑だったので、「こんなに普通のラブコメも書いているんだ!」と驚いてしまいました。

 

 植物図鑑は、OLのさやかと行き倒れ寸前のイツキの物語です。さやかは料理が得意ではなく、冷蔵庫の中の食材を腐る寸前まで取っておく人ですが、「拾った」イツキが使えるものはないと思っていた食材を使ってとても美味しい料理を作っていたことに驚きます。そこから、住むところがないというイツキを無理やり引き止めます。条件としては、家事全般と生活費の管理。提供するものは寝具一式と家の台所など。

 それから、イツキは美味しい料理を提供し、バイトも始め、時がたちます。さやかが仕事でミスを連発した時、イツキはさやかを川沿いに連れていきます。そして始めたのは、山草取り。イツキは野草収集が好きで、その日もフキやツクシの料理を披露しました。ここら辺の料理の描写が本当に美味しそうで、全く野草に興味がなかった私も、「食べてみたい…」と思うようになりました。

 何気ない日常を過ごしているうちに、イツキのバイトさんとさやかがあったことから二人が両思いになって、無事にカップルに。その後、色々ありますが最後はハッピーエンドで終わります。

 最後までは少し悲しいかもしれませんが、それ以外は特に事件や大きな盛り上がりもなく、普通に日常を描いた小説です。なんとなく旅猫リポートに似ているかもしれません。

 

 この話は、本当に少女漫画のようで、二人がカップルになるまでの話が抱えれています。読んでいてすごいほっこりした気分になるし、ところどころ笑える、いい本です。私は、さっきも書いたように全く山菜に興味はありませんでした。でも、この本を読んだ後は家にあった山菜図鑑を読み、長野に来てからはツクシを好きになりました。

 ツクシって、東京にいるときは単なる雑草として目にしましたが、長野だと排気ガスもそこまでないので近くの空き地に行ったらツクシが生えています。そのツクシを取って、家で母と一緒にツクシを乗せたご飯を作ったりしました。去年引っ越してきてからツクシを食べて、思ったよりも美味しくてびっくりしました。今年も、ツクシが見られるようになってきたので散歩がてらツクシを取ってきてもらってツクシの味噌汁を作ったりもしました。ツクシが意外と身近にあるので、山菜を取り上げたこの本もより好きになりました。こんな話ありえない…と思いつつも、山菜がすぐ家のそばにもありそうだし話もすごく日常的なものなので、親近感を覚えられます。

 

 この本は、のんびり読むのがすごくいいと思います。切羽詰まった描写もなく、戦闘シーンもなく、のんびりとした社会人の日常を描いていて、しかもほんのりレない要素も出てきて、ほっこりできます。ラブコメとしては、起伏もほとんどないのになぜか惹きつけられる、私の中では少し新しい感じの本でした。本の最後に、話に出てきた料理のレシピがいくつか公開されているので、自分で買って、もしくは狩って料理しても面白いと思います。「ふき」や「ふきのとう」などの、名前がよく知られている野菜もあれば、身近な野菜もあります。また、山菜なので季節が変わるのを小説から実感できるのも面白いです。

 

 最後までお読みくださりありがとうございました。今回は、有川浩の『植物図鑑』を紹介しました。あり得るようで、ありえないようで、ほっこりできるラブコメです。ぜひ読んでみてください!

 

 

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 他にも有川浩の本の感想はいくつか書いています!