うぐいすの音

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哲学サマーキャンプ参加しました!vol.4  二日目は、「もしもボックス」

 こんにちは。まさか更新がこんなに遅くなるとは… 自粛期間の更新速度は無理でも、もっと速度を上げたいです。といっても受験生ということもあり、月一で学校のテストがある状態です。普通の公立校でこんなに辛いなら、進学校の受験生はもっと大変だと思います。本当に今までの受験生の皆様、お疲れ様です!!

 今回も哲学サマーキャンプについてです。最後の投稿となります。

 

chirpspring.hatenablog.com

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 哲学サマーキャンプ二日目は、少し真面目な話として「ロゴス」と「ミュトス」の違いについて学び、その後「もしも」を活用した話し合いをしました。

 と言っても、よくわからないと思います… 私も商行き、このロゴスとミュトスについてはよく理解していません。

 簡単になんとなく理解したことを書くと、ロゴスは「現実に存在するもの」を表し、「ミュトス」は「現実には存在しないもの」を表します。例えば、神話はフィクションでミュトスなのに対し、ロゴスは歴史などの論証できる言葉があるものです。

 そのロゴスとミュトスの狭間を考えるようなアクティビティをそのあとやりました。ドラえもんに出てくる「もしもボックス」のように、「もしも〇〇だったら」というアイデアを複数人で複数個考えて、それが全部成り立った現実世界は、どういう世界なのか。つまり、ミュトスの要素が入り込んだロゴスの世界を考えた、というのが一番正しいのでしょうか。

 

 グループは大体6人ぐらいで、1人1〜3個ほどアイデアを出しました。相反するアイデアなどもあったので、相反するものは一つのみに絞った上で6つの「もしも」に決まりました。

 

  1. もし人が不死身だったら?
  2. もし世界に音楽がなかったら?
  3. もし願いが叶う世界だったら?
  4. もし年齢を重ねるにつれて心も体も若くなっていくとしたら?
  5. もしタイムマシンが使えたら?
  6. もし光を感知できない人が文明を築いたとしたら?

この6つが全部存在する世界はどういう世界なのか…

割と難しい問題だと思いませんか?

 

 私たちの中でまず、「もし人が不死身だとしたら」「もし年齢を重ねるにつれて心も体も若くなっていくとしたら」を成り立たせるために、

ヨボヨボの状態で生まれる→若返る

ということにしました。そして、若返ると最終的に0歳になって「生まれる前」になってしまうので、「不死身」という条件に反してしまいます。そこで、「願いが叶う世界」という条件を使い、

育ちながら(若返りながら)自分が望む時に自分の年齢を止められる

という設定にしました。この場合、精神年齢や知識などは、どうなるのでしょうか…  「タイムマシン」という条件があるので、このタイムマシンを「精神のタイムマシン」という設定にしました。精神のなかで、(物理的にではなく)過去にタイムスリップして先人に教えをこうことができる。そうすれば、経験がなくても知識は得ることができます。

 また、自分の望む時に自分の年齢を止められるので、人口増加は続きますが、老人の時(生まれた直後)、働き盛り、子供の時、で色々な年代の層で分けられることができます。そうすることで、知識をずっと貯める年齢もできるし、力仕事ができる年齢もできます。そうすることで種の存続も可能となるのです。

 

 ただ、そうすると独裁的になる可能性が生まれてきます。なぜなら、最初に年齢をストップした人が一番賢いということになってくる(精神的に一番老いているから)からです。そうすると、独裁的な政治になることがみこせます。

 1人が指示する立場にある場合、その人が独裁的になることもあり得るのです。だから、そういう独裁政治にしないためにも、年齢をどこで止めるか、そこで止める人が何人くらいいるのかなどをしっかり決めてから、世界を進めないと話にならないと思われます。

 

 また、「音楽がない」と「盲目」という条件があるので、文化の発展も偏ってくるはずです。音楽がないということは、娯楽の幅も割と狭まります。

 タイムマシンがあることから、記録しなくてもなんとかなるので、落語や漫談などの話術が発展していきます。朗読などの、いわゆる「高尚」と言われるような芸術が広まっていくのではないでしょうか。

 話術は発展しますが、盲目なので文字はあまり発展しません。できたとしても点字が主流となります。点字の場合は光がなくても見えますが、前述の通りタイムマシンがあるので記録の必要性は低いです。光の存在は、熱を通して知ることができます。そして、不死身なので不安がなく、宗教観も発展しません。

 

 ということで、種としてこの「もしも」の人類が存在していたら、「文化、盲目、精神年齢」の範囲以外はあまりかわらないという結論には至りましたが、それでもやはり全然違う世界になるな、と思いました。

 

 この設定に対する他のグループからの質問というのは、

  • 経験がないのに精神年齢が低い状態とは?
  • 精神年齢って何?
  • 展示だけでどこまで記録できる?
  • 光を感知できない場合、他人をどう評価するのか(→これは外見で人を評価できると仮定した場合です)
  • 音楽、絵画に代わる芸術は?
  • 触覚メインの貴重品は生まれるのか、生まれるなら例えば何か
  • 不死身なら、どこで年齢を止めるのか(意識して年齢を止めなかった場合どうなるのか)

というようなものでした。

 

この「ロゴスとミュトス」という設定自体がとても面白く、会話の中身以前にまた自分で同じようなことをやってみたいなと思えるような時間でした。そして、こういうことを考えていたら当たり前ですが想像力が豊かになると思います。ぜひやってみてください!自分でふと思いついたことを書き抜いてやってみても楽しいです!

 

 と、以上で哲学サマーキャンプの概要を説明し終わりました。

サマキャンの最後の振り返りでは、

  • 色眼鏡で物事を見てもいいけど、どういう風に折り合わせていくかを考えるのが重要
  • 対話の中で変な方向に行くのが面白い!宗教に哲学からいく脈絡が面白かった
  • 結論を急ぎすぎない→膨らませた話に面白さがある
  • 最初からバイアスを持っていることがあルカら、前提を決めるのが大事
  • 人の意見で世界が広がるのが面白い!
  • 考えるってめっちゃ力がいる…

等々の意見がありました。また、

  • セッションの中で意見が変わった!
  • 哲学好きの人がこんな多いと思わなかった
  • 結論だけじゃなくてプロセスが大事
  • 同じ意見の人と出会えた感動
  • 他の人の考えがシンプルに面白い
  • また会いたい!!

といった意見も多くありました。

 現在、このサマキャンの時のメンバーでLINEを通じて(そのあとLINE以外のアプリでも…)やり取りをするようになり、二ヶ月以上たった今でも時々哲学についての話題が出たりZOOMでやり取りをしたり…ということが続いています。

 

 私は中三ですが、「高校生のための」哲学サマーキャンプ、とっても面白かったです!学校で話せないようなこと、友達には言えないようなこと、そういうことが色々話せて、「普通」は自分の中で決めちゃいけないな、と理解できた体験でした!

 ぜひ、興味を持った方は参加してみてください。毎年夏に行われていて、例年は東京で、今年はZOOMで開かれました。色々な地方の人と話せるし、色々な環境の人がいるので世間話をしていても楽しかったです!

 

 最後までお読みくださり、ありがとうございます。8月中盤にあったサマキャンの感想を、10月後半に書き終わりました…  この記事を少しずつ書いている間に、いつの間にかアクセスが3万回を超えました!!どうもありがとうございます!日々更新しているわけでもないのに、毎日アクセス数があるのは本当に励みになります。このブログも、長い(自分基準ですが…)のにここまで読んでくださってありがとうございます。これからもできる範囲で頑張っていくので、よろしくお願いします。