こんにちは。
今日は、またまたブクレポです!今日読んだのはユヴァル・ノア・ハラリさんの『サピエンス全史 上』です。2016年発刊の本ですが、かなり話題にもなったのでご存知の方も多いのではないでしょうか。
目次
- 本の説明:内容は?
- ホモ・サピエンス以外のヒトがいた
- 今生き延びるサピエンスと、死に絶えた他の人類種:「交雑説」と「交代説」
- その他の人類種の最後は?:あまりに見慣れた姿で、あまりに違っていた種族に対してどう思ったか
- まとめ:感想と、次回について!
本の説明:内容は?
この本は、私が中一の時に一回挑戦したのですが、その時はまだ難しくて途中で諦めていました。ちょっと前に知り合いとこの本の話をしたため、ちゃんと読み終わろう!ということで今回読んでみました!
本はまあまあボリュームがあって、ページ数は260ページほど…
あれ、この前読んだ『スティーブ・ジョブズ』よりは全然ページ数少なかったです。
内容もしっかり考えなきゃ入ってこないような深い内容だったので、それで長く思えたんだと思います。
内容とては、ホモ・サピエンスを含むヒトの誕生から今の「グローバル社会」まで。
私はもともと歴史が好きなので、社会の授業は受けていてとても楽しかったのですが、そこでならったのとはまた全く違う形の歴史でした。
普通なら、書いてあったことをまとめてそれに関する感想を書いていくんですが、この本でそれをやるのはとても難しいです… 内容量が多すぎて、まとめられません。
本当に、この本は色々な内容が入っています。書記体系の発明やヒエラルキーと差別、虚構が協力を可能にしたという考え、貨幣の機能、そして帝国主義の持つ意味についてなど。
特に「想像上のヒエラルキーと差別」の章では、ジェンダー差別に関する項目も出てきて、かなり興味深かったです。
ホモ・サピエンス以外のヒトがいた
何を書くか迷うんですが、ここではひとまず気になった部分のうちの一つについて書いていこうと思います。
大昔、ホモ属はホモ・サピエンス以外にも多く存在しました。ホモ・ネアンデルターレンシス(ネアンデル谷出身のヒト)はネアンデルタール人として有名です。他にも、ホモ・ルドルフェンシス(ルドルフ湖出身の人)やホモ・エレクトス(直立したヒト)、ホモ・エルガステル(働くヒト)など、色々なホモ属がいました。
約200万年前から1万年前ごろまで、地球にはいくつかの人類種が同時の存在していたのです。10万年前は、少なくとも6つの異なるヒトの種が暮らしていました。
本文には、
今日でも、キツネやクマ、ブタには多くの種がある。
〜中略〜
複数の種が存在した過去ではなく、私たちしかいない現在が特異なのであり、事によると、私たちが犯した罪の証なのかもしれない。
ほどなく見るように、私たちサピエンスには、自らの兄弟たちの記憶を押さえ込むだけの十分な理由があるからだ。
とあります。
今生き延びるサピエンスと、死に絶えた他の人類種:「交雑説」と「交代説」
それでは、その「自らの兄弟たちの記憶を押さえ込むだけの十分な理由」とはなんなのでしょう。
15万年前までには私たちにそっくりなサピエンスが東アフリカに住んでいました。そして、およそ7万年前にサピエンスはアラビア半島に広がり、短期間でそこからユーラシア大陸を席巻しました。この点は、ほとんどの学者の意見が一致しているそうです。
ホモ・サピエンスがアラビア半島に行き着いた時、ユーラシア大陸の大半には他の人類が定住していました。それでは、彼らはどうなったのでしょうか。これについては2つの説があります。
一つ目が、「交雑説」。ホモ・サピエンスと他の人類種が互いに交わり、一体化したという説です。サピエンスは世界中に広がる過程で他の様々な人類種と交雑し、現代の人々は彼らの子孫、ということです。
交雑説を信じるなら、ユーラシア人は純粋なサピエンスではなく、サピエンスとネアンデルタール人の混血です。同様に、中国や朝鮮半島に住む人は、サピエンスとホモ・エレクトスの混血ということになります。
これと対立する二つ目の説が「交代説」です。ここでは、ホモ・サピエンスは他の人類種と相いれず、彼らを忌み嫌い、大量殺害さえしたかもしれないと語られています。この説によると、サピエンスと他の人類種は異なる解剖学的構造を持つため、彼らはほとんど性的関心を抱かなかったということになります。それが正しければ、私たちは皆「生粋のサピエンス」です。
数十年前までは、交代説が広く受け入れられてきました。
しかし、2010年に行われた実験では、それとは少し違った結果が出ました。
実験では、ネアンデルタール人のDNAと現代人のDNAを比較しました。そうすると、中東とヨーロッパの現代人に特有なDNAのうち1〜4%がネアンデルタール人のDNAでした。
また、ホモ・デニソワのDNAとも実験すると、現代のメラネシア人とオーストラリア先住民に特有のDNAのうち、最大6%がデニソワ人のものであると証明されたのです。
これらの結果が確かであれば、交雑説は部分的には正しかったということになります。でも、注目したいのは%の小ささです。本当に、二つの人類種が一体化したのならば、DNAのなかのサピエンス種の割合はもっと少なかったはずです。
二つの集団はかなり異なりはしたものの、稀に交合して繁殖力のある子孫を残せる時期があったのでしょう。
その他の人類種の最後は?:あまりに見慣れた姿で、あまりに違っていた種族に対してどう思ったか
そのあと、ネアンデルタール人やデニソワ人、その他の人類種はどうなったのでしょう。ホモ・サピエンスにより絶滅に追い込まれたという説があります。サピエンスの方が、優れた技術を持っていたため狩猟採集を得意とし、才覚で劣るネアンデルタール人は次第に食べられなくなり、ゆっくりと死に絶えていった、という説です。
また、別の可能性として資源をめぐる間に暴力や大量虐殺につながった、というものもあります。サピエンスは、近現代にも肌の色や宗教の違いから一集団が別の集団を根絶やしにかかることを繰り返してきました。それがネアンデルタール人と会った時に行われた可能性は十分にあります。
「もし」、ネアンデルタール人などの他の人類種が生き延びていたらどうなったのでしょうか。
正直、私は想像しようとしてもできませんでした。人間が多くの動植物を食料とするように、争いが起きる気もします。二つの異なる人類種の間に、平等は生まれるのでしょうか。歴史で「もし」を持ち出すと、可能性が生まれすぎます。だけど、これに関しては可能性を考えるのがとても難しいです。信長が死んでいなかったら…とは比べ物にもなりません(信長も大好きだけど次元が違うんです!)。
本書には、
彼ら(ネアンデルタール人たち)はあまりに見慣れた姿をしていたので無視できず、
かといって、
あまりにもちがっていたので我慢ならなかった、
というわけだ。
と書いてありました。この言葉は、すごい納得できたし本書の中で最も印象に残っている言葉のうちの一つです。
まとめ:感想と、次回について!
これが、最初の33ページまでの情報をまとめたものになっています。もちろん私の書いた文よりもっと多くの情報が入っています。
内容が濃くないですか?私は、出てくる知識の多くを恥ずかしながら知りませんでしたが、それでも(だからこそ?)とても面白く読めました。
ただ、別に書いてある内容全てが目新しいものではない気がします。ジェンダー関係のところも含め、いくつかの知識は私が断片的に聞いたことのあるものでした。もしかしたら、専門的な知識をよく知っている方々には知っている内容が多いのかもしれません。でも、それらが一冊にまとまっている本って(知らないだけかもしれないけど)あまりない気がします。
本書では、こうしてホモ・サピエンスの台頭について書いた後に「なぜサピエンスは協力できたのか」という題から、サピエンスの重要な三つの革命農地の一つ、「認知革命」について書いていきます。
この三つの革命というのは
- 認知革命
- 農業革命
- 科学革命
です。ちょっとここについても触れたいので、これをNo.1とさせてもらいます!
一応書いておくと、この本はとても面白かったので歴史が好きな人などにはぜひ読んでもらいたいです。だから、全ての内容を書くことはもちろんしません!!ちょっとずつ小出しにして書けるようにするので、興味を持った方はぜひ読んでいってください!
最後までお読みくださりありがとうございました。今回は、『サピエンス全史 上』を読んできました!この本は、親も「これなら買っても全然いいよね」といってくれたので、買ってもらうのを待ちます!遅くなりそうだったら自分で図書館に行って下巻を借りてこようかな… ぜひ続きの記事もお読みください!
追記