うぐいすの音

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『サピエンス全史 上』 No.2〜私たちが直面した三つの革命とは?〜

 こんにちは。

昨日は書きませんでしたが、以前このブログでも触れた入管法改定問題について決着がつきました!18日の昼、自民党公明党の幹事長らが会談し、今国会成立を見送る方針を決めました。実質的な廃案となります。

 私は、もともとこの法案には反対の立場だったため、廃案となってとても嬉しいです。ですが、今までマイナスだったものがそのままに止まっただけで、未だプラスな状況なわけではありません。今回のことで関心を持った層も多いと思うので(私もそのうちの一人です!)、状況改善の一手となればいいかな、と思っています。

 

 今回の記事では、昨日の続きとしてユヴァル・ノア・ハラリさんの『サピエンス全史 上』の感想を書いていきます。

 

 

 昨日は『サピエンス全史 上』の最初の部分、ホモ・サピエンスと他の人類種についてを書いてきました。

 

chirpspring.hatenablog.com

 

 

今日は、なぜホモ・サピエンスが台頭できたのか、そして、その後のサピエンスの重要なターニングポイントについて書いていきます。

 その三つが、

  1. 認知革命
  2. 農業革命
  3. 科学革命

です。

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目次

 

認知革命とは?何ができるようになった?

 まず認知革命について。

7万年前から、ホモ・サピエンスはアフリカ大陸を離れ、ネアンデルタール人などの他の人類種を地球上から一掃しました。

4万5千年前、サピエンスは大海原に乗り出し、人類が足を踏み入れたことのなかったオーストラリア大陸に上陸しました。

また、約7〜3万年前にかけて船やランプ、弓矢、はりなどを発明し、芸術品や宗教なども作り出しました。

 

 本によれば、

ほとんどの研究者は、これらの前例のない偉業は、サピエンスの認知的能力に起こった革命の産物だと考えている。

 となっています。

この、7〜3万年前かけて作られた新しい思考と意思疎通の方法の登場のことを「認知革命」と言います。この原因は定かではありませんが、広く言われている説としては「たまたま遺伝子の突然変異が起こり、サピエンスの脳内の配線が変わった」というものがあります。

 

 それでは、私たちの言語のどこが特別だったのでしょうか。

 答えとして、「私たちの言語は驚くほど柔軟である」ことが挙げられます。例えば、他の動物は「気をつけろ!ライオンだ!」という時に、私たちは「今朝、川が曲がっているところの近くでライオンがバイソンの群れの跡をたどっているのを見た」と言えます。(この例は全て本からのものです。)

 

 そして、別の説では、「私たちの言語は、噂話のために発達した」とも言われています。認知革命による新しい言語機能のおかげで、サピエンスは大きな集団へと拡張してもより緊張で精緻な種類の協力関係を築き上げられました。

 「対象」と「噂」の二つはとても重要ですが、一番重要なのは

人間が「存在しないものについての情報を伝達する能力」を持っていたことです。伝説や神話、宗教などは、この「架空のものについて語る能力」によって生まれたもので、認知革命に伴って現れました。

 

つまり、この認知革命により

ホモ・サピエンスは虚構を集団で想像できるようになった

のです。

これにより、サピエンスは赤の他人と柔軟な形で協力できるようになりました。

噂話のみでまとまれる集団の数は150人ほど。ですが、共通の神話を信じる「虚構」により、サピエンスは150人をはるかにこえる人数で集団を作れるようになりました。

 

農業革命によるサピエンスの大躍進と、贅沢の罠

 そして、次に起こった革命が「農業革命」

認知革命が7〜3万年前なら、農業革命は1万2千年前の出来事です。

農業革命というと、日本では縄文時代の後半と教わります。稲作が始まり、人々が定住するようになったことです。世界では、稲作に限らず小麦やその他の農作物も入ります。

 この農業革命、どんな印象をお持ちですか?

私は、学校で「これによりムラができ、クニができ、発展していった」と習いました。善悪を決めるようなものではなかったですが、それでも悪い発展という意味合いには取れませんでした。

 

 この農業革命、筆者は「贅沢の罠」であり、「史上最大の詐欺」と言われています。

どうして、そう言われるのでしょうか。

 

 それではまず、小麦が本では取り上げられているので、小麦に生産により起こったメリットを挙げていきましょう。

 小麦を作るようになり、それまで狩猟採集を食料収集の手段としていた人類は、一定の場所に定住するようになりました。それまでは住まいを転々としていた生活が一転、定住するようになったのです。

 これにより、食料の生産性は大きく増加し、人口も飛躍的に増加しました。

このメリットは、教科書や授業でも教わってきたものです。それでは、これのどこが悪いのか。いくつかデメリットが挙げられています。

 まず、同じ場所に定住することにより、感染病がはやるようになったこと。それまでは、百人前後だった集団が千人規模の集団になったことにより、感染源の温床となりました。

 農業をすることにより、自然の脅威をまともに食らうようになったこと。今までも自然の脅威はありましたが、何かあれば他の場所に移ればよかったので、定住が求められる農耕の世界だと不作の影響がまともに出るようになり、飢餓が起きるようになりました。

 そして、食料生産量は確かに増えましたが、増えたことにより人口が増え、それに追いつけるようにまた生産量を増やし…という風に、農業に専念しなければいけなくなり、土地に縛られるようになったこと。

  他にも、定住により他の集団との争いが多くなったことなどが挙げられます。

そもそも、サピエンスの体は農業のために進化してきたものではないため、一日中農作物のお世話をしたつけが、脊椎や膝、首にきました。ヘルニアや関節炎などの色々な疾患がもたらされたのはこの時です。 

 より楽な暮らしを求めたら、大きな苦難を呼び込んでしまった。「私たちが小麦を栽培化したのではなく、小麦が私たちを家畜化」したと書いてありました。

ちなみに、農業革命により人間に家畜化された動物たちは、元々の寿命より断然早い年月で殺され、中には逃げられないために鼻先を削いだり目を抉ったり、色々なことをされてきました。まさに「革命の犠牲者」でしょう。

 

 他にも、それまでは肉と木の実などを食べていた狩猟採集民に比べ、農耕民は穀物ばかりを摂取するようになったため、栄養バランスは格段に落ちたと考えられるそうです。

感想:印象にのこる言葉遣い、差別に関する言及

 あと一つ残る科学革命について書いてもいいんですが、自分の中で制限にしている文字数を超えそうなので、この二つの革命までにします。

認知革命は、途中までは読んだことがあったのでかなりすんなり読めたと思います。ですが、農業革命の方はかなり驚きでした。

 

 今まで学校ではそんな否定的な見方をしたことがなく、農業革命は大躍進!みたいな感じで受け取っていたんですが、まさかデメリットがここまで大きいとは…

 でも確かに、一つの畑で虫が湧いたりしたら、獣の肉を腐らせたよりもより大きくて長期的なダメージがきそうですし、納得できました。

この本、言っている内容ももちろん面白いんですけど、言葉の使い方がいちいち効果的なんですよね。

実証、データ、考え、証拠、そう言ったものを簡潔に、効果的に表して、最後に「罠」とか「人間の家畜化」とか、かなりのインパクトのある言葉をここぞと使ってきます。

 でも、別に劇的なわけでもないし、ドラマチックなわけでもない。訳者の方がすごいのか、筆者の方がすごいのか。当然どちらもがすごいんだと思いますが、読んでいてそこにまず感心しました。

 農業革命について書いてある第二部では、他にも書記体系の誕生についてだとか、差別の歴史についてだとかが書いてあります。

 特に、男女間での差別に対する部分は、とても面白かったです。まず、生物学的、社会・文化的な性差。そして、男性の方が優れている点は何か、家父長制についてなどについて語っています。ぜひ内容は読んで確かめてみてください!他にも、いわゆる白豪主義の発展の仕方など、ヒエラルキー・差別については男女関係のみではありませんでした。

 内容が多岐にわたるため、「サピエンス全史」と言う名前も納得します。

 

年表もぜひ!

 それでは、最後にここまでの簡易的な年表を書いて終わります。

なんとなくまとめると、こんな感じです。オーストラリア大陸アメリカ大陸の大型動物相の絶滅は、読んでいてとても面白いと言うか興味深いので、ここもオススメです!

 

 最後までお読みくださりありがとうございました。次の記事で、一巻の感想は終わりとなります。ぜひ読んでいってください!

 

追記

 

 

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