こんにちは!ジャニーズJr.のHiHi Jetsの動画を見ていたら楽しすぎて、気づいたらもうこんな時間に…。やばい!ブログ書いていない!と焦って書き出しているところです。
(追記;書き出したのは10時前だったんですが、書いてるうちに楽しくなって読み返したりしてたらもう日付変わりますね…。)
今日は、本を読んだ感想を書いていきます!今回読んだのは、
J・オブライエン著の『科学探偵 シャーロック・ホームズ』です。
小説ではないですが、しっかり感想が書けるように頑張ります!
目次
- 本について:作者紹介
- 私のホームズ作品に対する思い!
- 科学とホームズ:アシモフの言うようにホームズは「ヘマな科学者」なのか?
- ハドスン夫人が報われた瞬間、一番好きな作品と言ってもいいです!
- 愛すべき登場人物、ワトスン!
- 最後に…:本当に読んでいて楽しめました。おすすめです!
本について:作者紹介
まず、この本の作者はJames.F.O'Brien(ジェームズ・オブライエン)さんです。
アメリカ、ミズーリ州立大学で化学の教鞭をとり、ホームズと科学に関する講演を120回以上行ってきました。
この本で、アメリカ探偵作家クラブ主催のエドガー賞、評論・伝記部門を受賞しています。
訳者の日暮雅道さんはシャーロック・ホームズに関する本を何冊も翻訳している方で、著者も訳者もどちらもホームズ愛好団体<ベイカー・ストリート・イレギュラーズ>のメンバーです(!!)
こちらの本は、全5章からなり、それらの章で科学をキーワードにホームズを読み解いています。指紋や足跡、犬の嗅覚、タイプライターに筆跡など…。他にも、酸素が密室からなくなる速度や使われている薬品等を検証した上でのホームズの考察。
19世紀当時、ホームズが科学をどう研究に取り入れたのか、そしてホームズの科学者としての姿。
そういったものに迫っている本となっています。
私のホームズ作品に対する思い!
私は、今までにホームズは全部読みましたし、ホームズに関する本(辞典や暗号についての本、なぜ愛されるのかを描いた本など…)も何冊か読んできました。
正直、ホームズに一番はまっていたのは小学生の時だったので、正典(コナン・ドイルが執筆した60編のホームズ物語)は全部読みましたがいくつかは内容をしっかり覚えていません。
というか最悪の場合、しっかり覚えていないものの方が多いかもしれないです。
それでも、私はホームズが大好きだし、どこか特別な作品でもあります。
もし、これを読んでいる方の中にホームズ愛好家がいて、「全部覚えてないくせに好きとかいうのは…」と思っている方がいたら、ごめんなさい。
私もホームズ全部また読み返したくなりましたが、読みたい本が多すぎてそれだけの時間がないんです…!
でも、絶対に年内中に全部読んで、大口叩いて「ホームズが好きです」と言えるようにします!
私は割と血生臭いものが苦手で、映画で人が死ぬシーンとか血が出るシーンとかは見たくないし、本でも本格ミステリは読めません。グロい表現があると、もうそこから楽しさが半分以上減ります。
だけど、ホームズに限っては、人が死ぬ事件が半分近いにも関わらず、楽しく読めます。中にはちょっと陰気臭い話もあって、好き嫌いは少しはありますが程度程度の問題です。
ホームズとルパンは、人が死んでも平気なので、私が選ぶ楽しく読めるミステリの三大シリーズは「ホームズ」「ルパン」「怪盗二十面相」です。その中でも、ホームズがやっぱり一番好きですね。
自分のことをシャーロッキアンとは絶対に言えませんし、造詣が深いとも思いませんが、シャーロック・ホームズはすごい好きだし、どこか特別です。
科学とホームズ:アシモフの言うようにホームズは「ヘマな科学者」なのか?
シャーロッキアンとは言えなくても、ホームズはとても好き!
そういう人は、割と多くいるのではないでしょうか。
この本は、シャーロック・ホームズの偉大さを、改めて今まで注目してこなかった視点から指摘してくれる本です。でも、ホームズをただ崇めるだけの本でもなくて、反対意見も多く書いてくれています。
その反対意見に対応しうるホームズを正当化するための自説も書いているところがシャーロッキアンだな、と思わせますが…
どの章もとても面白かったですが、ここではまず第4章から触れることにしましょう。
著者も化学を大学で教えているということで、アイザック・アシモフの意見や化学式など、いろいろ取り上げた上でホームズの化学好きの度合いを検証しています。
ホームズは、ワトスンも度々書くほどの化学好きです。
あの有名な、「あなたはアフガニスタンに行っておられましたね。」というセリフ。それが『緋色の研究』の中に出てくるエピソードだということは、ホームズを好きな人の中にはわかる人も多くいるのではないでしょうか。
その時も、ホームズは実験室で血液の検査をしていました。
さらには、多くの事件に携わる中で「やりかけの科学分析が〜」「面白い科学実験が〜」と言いだし、事件をまだ解決しなくてもロンドンに戻って実験をやったり、事件の解決の後はすぐに列車に乗って実験にために急いだり…。
「化学分析で頭を休める」、と自分でいうほどの科学好きだったのです。
実はコナン・ドイルは、特に正典60編のうちの後半執筆時期に、心霊主義の擁護者となりました。霊との交流など、今ではほとんど信じられていませんが、当時は交霊ブームもあった時代なのです。
本では、
「だが、われわれにとってありがたいのは、
彼が超常現象のようなものをホームズ物語に持ち込まなかったことだ。」
とあります。全くの同感です!
吸血鬼についての資料を「ろくなもんじゃない!」と吐き捨てられるホームズで、よかったな…と心底思いました。
この章では、ワトスンの最初に作った「ホームズの知識と能力に関するリスト」と、それにまつわるようなのちの事件記録の中でのワトスンの考えの変化などを参考にもして、薬品や気体の成分、ホームズはヘマな科学者なのか、などついてを書いています。
面白かったのは、先にも少し触れた密室の中での空気の減る速度。
これは、『マスグレイヴ家の儀式書』の事件記録の中での出来事です。
この事件では、一人の男が小さな地下蔵の中で窒息死するのですが、その男を見てホームズが「死後何日もたっている」と発言しています。
それを、
地下蔵の容積や地下蔵を密閉したときの酸素の量、
酸素の量がどれくらいになると人体に有害となるのか、
一呼吸ごとに消費される酸素の量、
そういったことを検証して、ホームズの発言の正誤を確かめています。
この部分は、モル数などの単位を知っていればなんとか追いついて理解できた(気にさせてくれる)部分なので、読んでいて納得できて面白かったです。
この部分の挿絵(シドニー・パジェット画)は、かなり記憶にも残っていましたし、ホームズ作品の中でも小さい頃に読んだため印象強い部分でした。だからこそ楽しめたのかな、とも思います。
そして、アシモフの見解に対しての解答も筆者は行なっています。
宝石についての知識や分子についての知識に対するホームズの発言から、
アシモフはホームズを「科学者として不適格」といっているのですが、それに対して筆者が反論していく様はとても見応えがありました。
「アシモフは古い時代の化学用語体系をよく調べなかったのだろう。」とか、
「アシモフの判断があまりにも厳しすぎることだ。」とか、
そういったことをしっかり当時の状況を確認した上で書いているため、説得力があります。
ただ、宝石に関しての反論は少し苦しそうでしたし、最終的にホームズの実験の乱雑さや、ホームズが終生化学に興味を持っていたわけではなかった、というところから、最終的には「深淵」ではなかった、と認めているのがまた面白いです。
それでも、
ワトスンが一番最初に言った、ホームズの科学に対する知識や能力の評価ー「深淵」が間違っていても、
その後に同じくワトスンが言った「風変わり」な化学好きであり、決して「ヘマ」ではない
と強く主張しているところが、
著者のホームズ愛をあらわにしていて読んでいて心が和みました…!
全ての章に対して、もしくは全ての話題に対して感想を言っていきたいのですが、流石にそれはネタバレが過ぎます。なので、ここでは第2章の感想を書いて終わりにしようと思います。
ハドスン夫人が報われた瞬間、一番好きな作品と言ってもいいです!
一番好きなホームズ作品を強いて決めるなら、『空き家の冒険』です。
ホームズ作品で私が初めて自分のお小遣いで買った本でもあるし、
ホームズ復活の高揚感が言葉では表せないくらいだし、
『最後の事件』で感じたあの悲しみが全て取り払われて、とても嬉しかった作品です。
そう言った心情が作用して特に好きな作品になった、という部分もあるのですが、この作品が好きなのは「(ホームズの下宿の女主人である)ハドスン夫人が活躍しているから」というのも大きな理由です。
今まで出番があったとしても、依頼人がいらしてましたよ、と伝えるか、下宿人に料理を提供するか、あまり語られてこなかったハドスン夫人。
ですが、
壁に銃弾で穴を開けたり、臭い匂いを充満させたり、何時に来るかわからない、正体もよくわからない依頼人や用事のある人たちを取り次いで、
本当に献身的というか、宿代を折半している2人の下宿人のためにそこまでやる?と思うようなことをどんどんやってくれる人です。
ハドスン夫人も、ホームズのことをとても尊敬しているんだろうし、
ホームズやワトスンにとっては頭が上がらない存在だった…ならいいな、と思っています。
そのハドスン夫人が、『空き家の冒険』では自分が銃で撃たれるかもしれない危険を犯してまで、重要な役割を果たしているからこそ、作品でしっかり登場してくれて嬉しい、と思わせてくれました。
夫人が活躍していたり重要な役目を果たしたりしていると、読んでいて「報われたね…!」という気分になぜかなります。
…ということを、今まで話せる人がいなかったのですが、この本の中に全部書いてありました〜!!!!
自分が考えていたことがシャーロッキアンの方々にとっても通じることだと知ったのも嬉しいし、ハドスン夫人がちゃんと注目されていたのも嬉しいし、書いてある文章に同意しっぱなしの部分でした!
ハドスン夫人、やっぱりいいですね…。
取り上げている本をあまり読んでこなかったので、この部分は本当に嬉しかったです!
愛すべき登場人物、ワトスン!
そして、最後にワトスンについて!
彼は、ホームズにとても献身的に尽くしているのに、ホームズ自身には「大事なことをことごとく君が見落としている」と言われたり、
読者には辻褄の合わない部分を全部ワトスンの書き間違いのせいにされたりと、なかなか報われない人物です。
それでも本の中ではホームズと二人で危機に陥った時にホームズを助けたり、ホームズのために銃を撃ったりと、地味に活躍している部分が多いんです。
ホームズはとても偉大な探偵、ということを、人気投票やらなんやらが証明していますが、本書では
ワトスンもまた、ポーの作品における語り手を上回る、生き生きとしたキャラクターになった。
彼はホームズの忠実の助っ人であり、友人であり、事件記録者になったのだ。
と言っています。諸手を挙げて賛成します。
本当にその通りですよね。
ワトスンは、物語を支える重要な人物だと思うし、彼がいなかったら私たちはホームズについて何も知り得ません。
ホームズも、自分で事件記録を取ってみようとしてようやくワトスンのすごさに気づいているし、
友人としてワトスンを大事にしている描写はいくつもありますし、医者としても評価しています。
ホームズのセリフの中で、とても好きなものの中の一つが
もしワトスンが死んでいたら、お前を殺すところだった
というセリフなんです。
しかも、自分から「真実の友」とか書いてるし、もうなんか好き…。
ワトスンがいなかったら221Bでの生活はなかったかもしれないし、彼は「愚鈍な相方」の役からははみ出し過ぎていると思います。
なかには、
探偵には「知らなかった!」と驚く理解力の足りない相方が必要
と書いてある児童書や小説も多くありますし、それらの中のいくつかは私がとても好きな作品です。
でも、ワトスンは決してそれだけではない、ということを知ってもらいたいです。さらに言うなら、彼は真っ当な常識人ですし、医者としても有能な人です。
最後に…:本当に読んでいて楽しめました。おすすめです!
みなさん、ぜひこの本を読んでください。
当然のようにネタバレも含まれているため、聖典は全部読んでからの方が好ましいと思います。ですが、聖典を全部読んでいなくても、いくつか読んでいたり、ホームズが好きだったりすれば、絶対に楽しめる作品です。
少し難しいかも…と思うかもしれませんが、そんなことはありません!
序文から、ホームズが好きな著者と訳者の愛情がにじみ出ていて、
しかも内容も当時の状況を調べた上での考察なので説得力もあり、
一段とホームズ作品が好きになります!
探偵としてのホームズを評価したものや、ホームズの物語からまとめた豆知識集のようなものは多く出回っていますが(もちろんそう言ったものもよく読むし大好きです!)、
科学の観点からホームズを見たものは初めて読んだので、衝撃でした。
科学、科学と言っていますが、実際のところは科学の観点から見た正典の話も多いため、専門知識がなくてもどんどん読めます!
シャーロッキアンの方にも読んでもらいたいし、そこまでではなくてもホームズが好きな人でも、ホームズ作品少ししか読んでいない…という人でも、ネタバレが大丈夫なら読んでもらいたいです!
ということで、テンションが上がったまま本の感想を書いてきました。
シャーロック・ホームズ、やっぱりいいですね…。ですが、寝る前にホームズのミステリを思い出してしまったので少し失敗です。夜にミステリ読むと、寝る前に色々考えちゃったりしませんか?
とりあえず私は、他の好きな本を読んで意識をそらしているので、今から何の本を読むか選びます!時間も遅いので漫画かな。
最後までお読みくださりありがとうございました。もうブクレポがうまくかけたかとか関係なく、好きなものを書く時間が一番楽しい!興味を持った方は、ぜひ読んでみてください!