うぐいすの音

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太宰治『走れメロス』感想:

 こんにちは。今日は、『高校生のための哲学サマーキャンプ』というイベントに参加しています!かなり、今日も他の用事的に強行軍だったのですが、夜の部もあるので楽しみです!

 

 今日は、新潮文庫による太宰治の短編集『走れメロス』より、『走れメロス』の感想を書いていこうと思います。

 

 

 

 

短編集の内容紹介と著者紹介

 それでは、まずは短編集の内容紹介と著者紹介から!

こちらは、今までの記事からの切り抜きとなります。

 短編集は、新潮文庫出版『走れメロス』。

 

 

収録作品は、

  1. ダス・ゲマイネ
  2. 満願
  3. 富嶽百景
  4. 女生徒
  5. 駆込み訴え
  6. 東京八景
  7. 帰去来
  8. 故郷

の8編です。

このうち、『女生徒』は感想を書いたことがあるため。7編の感想を書いていきます。

 

chirpspring.hatenablog.com

 

 

 

 太宰治は、多くの人が知っていると思います。

坂口安吾などと並ぶ「無頼派」に属する作家で、青森県出身です。戸籍名は津島修二。中期の「走れメロス」などは明るい雰囲気で、前期・後期の作品とは少し変わった作風です。

 この『走れメロス』は教科書教材の定番ですし、『人間失格』と言う強烈な題名を知っている、と言う方も多いのではないでしょうか。

 彼は何回か自殺未遂を繰り返していますが、38歳の時に愛人と入水自殺をしました。原因としては、息子がダウン症だったことなどが関わっている、と言われています。

 戦前から戦後ごろに活動し、自殺未遂の他にも金遣いなどを含め、かなり癖の強い人生を送っています。

 

 太宰治読了記事のまとめも作ったので、興味のある方は是非そちらもご覧ください。

 

chirpspring.hatenablog.com

 

 

 あらすじ

 そして、『走れメロス』のあらすじを!

…と言っても、中学校でこの教材を扱ったという人も多いのではないでしょうか。かなりポピュラーな作品ですよね。

 

一番最初の文章は、

メロスは激怒した。必ずかの邪智暴虐の王を殺さねばならぬと決意した。

 

メロスは、牧人です。妹の結婚式の準備のためメロスはシラクスという街にやってきました。しかし、異様に街が暗く、人気がありません。何かあったのかと思い、近くを通りがかった人に聞きます。

 

王様は、人を殺します。

 

その落ち込みの原因は、暴君ディオニスが人を信じられないために周りの人をどんどん殺していくことでした。宰相を殺し、息子を殺し、大臣を殺し、家族を殺し、そしてどんどん臣下のものも殺し…

 メロスはそれに激怒し、王を殺すことを決意して城に入りますが、すぐに捕らえられて王の面前に引き出されます。そこで「結局お前も私利私欲の塊だろう」的なことを王に言われ、メロスはそれに対し反論します。

 

自分は絶対に人を裏切ったりしない。死ぬのは構わないが、妹の結婚式だけはどうしても見ておきたい。そこで、親友のセリヌンティウスを王に引き渡すから、3日まで待ってくれないか。

私は必ず戻ってくるから、そうなったらセリヌンティウスは無事に釈放し、私を殺してもらいたい。

…的な感じ、でしょうか。

 

 そして、王はメロスを信じませんが、セリヌンティウスとやらを殺して信じることのバカバカしさを示してやろうと思い、メロスの言い分を聞き入れることにしました。

 

 メロスは急いで村に戻り、花婿の家に頼み込んで結婚式を急遽翌日にしてもらいます。そして結婚式で妹の晴れ姿を見た後、彼は3日目の朝に王宮に向かい走り出します。

夕方までには戻れるつもりが川の氾濫や山賊の襲来などのアクシデントが多発。必死に駆け抜けますが、メロスはその後倒れこみ、諦め掛けます。

ですが、岩から湧き出た清水をのみ、希望が生まれ、再び走り出しました。

 

メロスは全力で走り続け、日没直前の危ない時位、なんとか到着して約束を果たします。セリヌンティウスに、「一度だけ諦めかけた」と白状し、彼にも一度だけ疑われたことを暴露され、どちらもが詫びます。

そして、メロスもしくはセリヌンティウスを殺すつもりだったディオニスは、信じる心を学び、2人を釈放します。

 

 

…はい、といったあらすじが、全部かな。だいたい説明できたと思います。「あ、思い出した!」という方がいらっしゃったら、よかったです(笑)

 

走れメロス』を読んだ感想

 この話の感想を書いていきます。

話したい内容は、3つほど。

一つ目が、この話の元になったもの。

二つ目が、この話の内容から見た感想。

三つ目が、太宰の表現技術。

 

 

シラーの詩

 さて、それでは一つ目は『走れメロス』の元となった詩について。

これは、シラーの「人質」という詩を元にして書かれた作品となっています。私の知見が狭いのみなのかもしれないのですが、太宰の作品で、何かをこうやってオマージュしたものって他に何があるんでしょう…?『駆け込み訴え』もどちらかというと聖書を元にしたものですが、解釈としてはかなり違いがあります。

それに対し、この「人質」はかなり内容的にもあっているため、ここまでオマージュしているものってあるんだ…という印象です。

太宰にとって、これを書くきっかけとなったこととか、この「人質」を知ったきっかけとか、そういったものを知ってみたいです。

 

この詩も、学校でも紹介されましたし、家でも読みました。印象としては、「特になし」みたいな感じでもありました…なんというか、走れメロスを最初に読んでいたために、特に内容として面白い場所もなかったし、表現として太宰のものより引き込まれるものでもなく…。

淡々と起こっている感じで、太宰の「走れメロス」とはまた違った形の作品ではありましたが、好みで言うと太宰のものの方が好みです。

 

 

登場人物たちに対する感想

 そして、この話の内容に関する感想。

しょーじき、美談には思えないんですよ…。

 

この話って、大抵美談に扱われるじゃないですか。「希望!」だとか、「友情!」だとか「正義!」だとか。

 

 

…いや、寝てますけど?

 

みたいな感じに私の中ではなっているんです。

 

メロスは、「まどろん」でるんですよ!それで、水の音を聞いて、ふと目が覚めたんですよ!

 

いや、自分の都合で友達を勝手に人質にしといて、それで「自分は裏切らない、たとえ自分が殺されるとしても!」みたいなこと堂々といっといて、寝る!?と思いました。

 

 

普通に、メロスはすごいと思います。川を渡りきって、山賊と戦って、最終的には友のところにたどり着いているんですから。

だけど、褒められるべきところもあるけど、褒められないところも当然ありますよね。

 

そういった面で、メロス凄すぎですよ…。どんだけ考え変えてるんですか。

正義感が強すぎると言うか …。

 

まあ、でも、とりあえずはメロスすごいです!かっこいい!犬つき飛ばしてですら()、全裸になることを気づかないほどに走って走って走っているんですから。そういった意味で、すごいのは間違いないです。

 

 

セリヌンティウスも、本当にすごいです。

2年前にあったっきりの旧友に、命かけられて、怒らずに受け入れて、一回しか疑わない。

どんだけの人格者ですか…。

 

最初は、全然こういったうがった見方はしていなくて、「メロスすげ〜!」と言う感情しか持っていなかったです。

でも、改めて読み返してみると、メロス正義感強すぎて嫌だな…と言う。多分親友にはなれません(笑)

 

 

表現技術

 さて、それでは三つ目。太宰の表現技術について。

この本、一番注目しなければいけないのは太宰の表現だと思っています。

 

まず、ソースははっきりしていないのですが、メロスの道のりは、全てを平均した上で時速4〜5kmだったと言う研究(?)を読んだことがあります。それでは、当時の年代、当時の季節の日の出・日没などを全て鑑みた上で計算していたものなので、かなり信頼性は高いんだと思っています。

まあ、川自分で渡ったり山賊と戦ったり寝ていたりしているので、そうですよね…。

 

ですが、ここからが太宰のすごいところです。

この話読んでいて、そんな遅いイメージは全然覚えませんでしたよね。あ、と言うか、私は思いませんでした。だから、やっぱり太宰の書き方によるものなんだと思っています。

 

太陽が沈む速度より速く〜みたいな、そういった比喩をどんどん用いた表現を用いたりしているのも、もちろんすごいと思います。

あの太陽に照らされて走るパートと、小川のせせらぎとか水の音で目がさめるパートで、かなり違う印象は受けましたし、静と動がある、って感じがしました。

 

そして、あの話は後半にいくにつれて、文章がどんどん短くなっていっています。使っている言葉がどんどん短くなって、句読点が入る位置もどんどん頻繁になってきています。

 

そういった技法により、話の印象を操作できる(いい意味で)のは、この話を読んでから改めて思い知りました。

 

 

私は、この話は「太宰の表現技法を楽しむ話」だと思っています。

 

 

まとめ

 と言うことで、今回は、太宰治の「走れメロス」に関する感想を書いてきました。

 

やばい、日付が変わる直前ですね。今哲学サマーキャンプの話を横で聞きながら、ブログを書いています。なので、誤字があるかもしれないです…。また見直せる時があれば、直して行きたいです!

 

 走れメロスは、とても面白いな、と思っています。多分、一番最初に読んだ作品ということもあるのかもしれないんですが、それでも印象には強く残っています。

 

私は、本を読んだ後にそのイメージカラーを作ったりしています。

そうすることで、その本が覚えやすくなるし、読了した後の爽快感も出るからです。

私のなかで、太宰の後期の作品てかなりくすみがかった色のイメージなんですね。黒とか、グレーとか、あとはくすみがかった色。

 

だけど、ここら辺の中期の作品は、とても鮮やかです。ビビッドというか、華やかなイメージがあります。強い青だったり、強い垢だったり、オレンジだったり。「走れメロス」は、どちらかというとオレンジ色のイメージです。

 

そういった違いが出せると、イメージカラー方式いいな…となっていきます。

おすすめです!

 

 

最後までお読みくださりありがとうございました。走れメロス、聞き覚えある作品かもしれません。少し興味を持った場合は、是非読んでみてください!