うぐいすの音

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太宰治「東京八景」感想・あらすじ

 こんにちは。今日は、しっかりと「東京八景」の感想を書いていきます。

…ということで、書いていくつもりだったのですが、私の使っているデバイスに不具合が生じたため、今日はつかったことのほとんどないパソコンで。

しょうじき、めっちゃ書きにくい!いつもよりも誤字が増えると思いますがご容赦ください。

 

 今回は、太宰治の『東京八景』の感想をかいていきます。

 

 

 

この作品は、新潮文庫の短編集『走れメロス』に収録されていた作品です。

短編集についてと、著者については、以前の記事より抜粋してきます。

 

 短編集、著者紹介

 

 短編集は、新潮文庫出版『走れメロス』。

 

 

収録作品は、

  1. ダス・ゲマイネ
  2. 満願
  3. 富嶽百景
  4. 女生徒
  5. 駆込み訴え
  6. 東京八景
  7. 帰去来
  8. 故郷

の8編です。

このうち、『女生徒』は感想を書いたことがあるため。7編の感想を書いていきます。

 

 

chirpspring.hatenablog.com

 

 

 

 太宰治は、多くの人が知っていると思います。

坂口安吾などと並ぶ「無頼派」に属する作家で、青森県出身です。戸籍名は津島修二。中期の「走れメロス」などは明るい雰囲気で、前期・後期の作品とは少し変わった作風です。

 この『走れメロス』は教科書教材の定番ですし、『人間失格』と言う強烈な題名を知っている、と言う方も多いのではないでしょうか。

 彼は何回か自殺未遂を繰り返していますが、38歳の時に愛人と入水自殺をしました。原因としては、息子がダウン症だったことなどが関わっている、と言われています。

 戦前から戦後ごろに活動し、自殺未遂の他にも金遣いなどを含め、かなり癖の強い人生を送っています。

 

 太宰治読了記事のまとめも作ったので、興味のある方は是非そちらもご覧ください。

 

chirpspring.hatenablog.com

 

 

あらすじ

 それでは、『東京八景』のあらすじへ。

この話は、主人公の「私」が、東京で過ごした10年間をつづっています。「私」はほぼ間違いなく太宰治自身です。

太宰は、今32歳。伊豆の小さな温泉宿で、集中して自分の過去の話をかこうとしています。上京してからの10年間を、この特に差し迫ったことがない今だからこそ核というのです。これは、太宰にとって「一生涯の、重大な記念碑」となるものです。

前半では、太宰の中でもつらかったことについてが書かれています。

東京の大学にはいり、Hと同棲しながら一時は銀座のバーの女中と心中未遂。自分のみ生き残ります。そして、またHとの同棲。政治運動に参加したり、俳句をやったり、いろいろなところにおもいをめぐらせます。

そして、Hの秘密を知る。ここで、太宰は死のうと思い遺書として『思い出』をつづります。これが彼の処女作となりました。

 

20代も半ばになりますが、大学へは行っているふりをしているだけなので特にたんいももらえません。卒業できるわけないけど、仕送りがないと困ってしまう。だから、それから数回太宰は兄に泣いて頼み、留年を繰り返します。その間に書かれたのが、同じく遺書となる『晩年』。

 

そして、彼は結局入社試験にも落ち、首つりを試みますが失敗。腹膜炎のための手術や、薬物中毒のため借金を繰り返します。

 

ここまでかれはHと一緒にいましたが、太宰は人を信じないようになっていきます。そんなおり、Hは不貞行為を働く。そして、太宰もまた自殺に失敗し、Hとは別れます。

 

 

ここら辺までが前半。かなりの密度…

 

ここから、物事が変わっていきます。兄が代議士となりますが、そこでいろいろなハプニングが起こり、その諸々が太宰の「金持ちの子」という足かせを外していきます。

しっかりと創作活動を開始した太宰は、遺書としてではない作品をつづっていき、そのなかで、井伏鱒二により結婚まで。

 

結婚後、太宰は三鷹に移住し、そこでの夕日を毎日みていました。

今まで見てきた東京の中の思い出深い景色、そのなかにこの夕日も加えたい。とても8にはおさまらないけども、今まで見てきた景色がいっぱいある。

それを書こうとしたのが、この『東京八景』です。

 

 

感想

この作品は、よんでいて「明るい話だな~」と思いました。いや、決して明るいわけではないんですが、最後には希望が見えます。

今までいろんなことがあったけど、今ようやく所帯も持って、落ち着いて書きたいものが書けるようになった。そんな、これからの明るい未来を待ち望んでいるかのようなお話だと思います。

 

だからこそ、三鷹から見える武蔵野の夕日の表現は頭に残りました。この作品のイメージカラーをつけるとしたら、きっとオレンジだと思います。夕焼けの色。

 

太宰はかなりの破綻者だといわれていると思います。自殺未遂、薬物中毒、心中未遂、酒飲み、、、。数えてみればきりがない。

そんな片鱗が、この作品の中にもしっかりと出ている。だけど、ここではまだ太宰も立ち直っているんです。だから明るく見えるんだと思います。

自分が自殺未遂をした後に、やさしくしてくれる人たちの対応に呆然としていますが、傍観者の私には当たり前のように見えるからこそ、太宰の受けた衝撃がなんとなく計り知れました。

だって、いくら今まで嘘ばっかりついてお金だけむさぼり取ってきたような人でも、自殺しようとした人にはやさしくなりませんか?あまり強く言えはしないはずです。肉親ならなおさら。

だけど、その人のやさしさに太宰は驚いています。そして、そこらへんから自分の中でも余裕をもって、周りを見ることができるようになっていっているのです。

 

そして、太宰は30歳になってから作家としての活動を本格的に始めます。ここでは、自分には文才がないと書いてあり、こちらからしては「おいおい…」といった感じにも。

でも、自分で書いても書いても満足できないということはありそうですし、そのあとに書いてある「からだごと、ぶっつけて行くより、手を知らなかった」という文章が好きでした。

等身大の文章を書いているからこそ、身に迫るものがあるし、狂気的なものすら感じることができる。わたしはかれの文章が好きですが、その好きなものが書き手にとっても「からだごと」かいた文章だとしたら、それはとてもうれしいことです。

 

太宰にとっては、この前向きな時期には、自分の過去も今の自分を形成している立派なもののひとつ、と認められていたのでしょう。その部分も、読んでいてうれしかった。

その後の作品と人生を知っているだけに、どうにも素直に喜べませんが、それでも彼にとって過去が自分のプライドになっていたのなら、それもそれでよかったです。

 

まとめ

ということで、感想はこんな感じかな。

 

 命を落とした人もいるため、手放しで喜べはしませんが、読んでいてちょっとうれしくなる作品でした。かなり淡々とはしていたものの等身大で描かれていたからこそ、太宰がそのときにどういう心情だったかを容易に考えることができ、そこからの深読みも楽しめました。

太宰が希望を持つまで。

それが読めたのがすごいうれしいし、彼が希望を感じることがあったんだな、と再確認できるとそれもそれでうれしいです。

いままで暗い話ばかり好んできたからかもしれませんが、なんかこうやって前向きな太宰を見ると「がんばれ!」と見守りたくなってきます(笑)

 

暗い風景から、徐々に明るい風景になっていく『東京八景』。

絵で風景を見るのももちろん好きですが、こういった表現方法があるんだな、と思いました『富岳百景』も好きでしたが、わたしはこっちの『東京八景』のほうが好きだったかもしれません。

 

最初に読んだときはよくわからない本だな、と思いましたが、実際に考えてみると楽しい!

暗い話のほうが衝撃もすごかったしかなり好きではありますが、こういった話も悪くないです。時々読み返したい。

 

最後までお読みくださりありがとうございました。よく使っているデバイスはライブ変換なのに比べ、こちらはキーを押して変換しなくてはならず、ひらがなが多い箇所がもしかしたら増えているかもしれません。ある程度は気を付けたつもりですが明日にはちゃんといつも通りのデバイスのはずなので誤字も減る…かな?(いつも誤字の多い文章を読んでくださってありがとうございます!)