*このブログはネタバレ(トリックについてはなし)を多分に含みます。ご了承ください。また、思いがけずめっちゃオタクみたいになってしまいました。ご理解ください。
こんにちは。今日までは最初の週だったので授業も午前中まで。明日から、フルタイムでの授業となるのでとても楽しみですが、同時に少し心配…。
ちなみに、2015年の今日はイギリスに旅立った日でした!この日を、今年は家族別々で迎えるんですね。なんか感慨深いです。もうあれも6年前。過去と今がいい感じに繋がっていて、とても嬉しいです。
目次
前書き
さて、今日は、ブクレポとしてシャーロックホームズの『空き家の冒険』などの感想を書いていこうと思います。
私のシャーロックホームズが好きな気持ちは、時々ここに書いてきたはず。
ホームズマジでいいんですよね…。なんであの人ってあんなにかっこよくなれるんだろ。本当にホームズ大好きです。大抵私は血の出てくるミステリは読めないのですが、ホームズ・ルパンはなぜか読めます。ミステリの中でシリーズものとして読むのといえばホームズ・ルパン・怪盗二十面相です。
怪盗二十面相は、小さい時に本棚に置いてあった『地底の魔術師』と『透明人間』の表紙がとても怖くて、あれが地味にトラウマものなんです。ちょっと前に偶然その話が出て、弟も同じく地味にトラウマになっていると言っていたから、やっぱり同じなんだな〜と思いました。あの表紙は確かにかなり怖いです。寝室に置いてあったため、寝る前に目に入ることが多かったから記憶に残っているんだと思います。
さて、ちょっと話が逸れてしまいましたが、ここに今日書いていくのはアーサー・コナン・ドイルのシャーロック・ホームズシリーズより、『空き家の冒険』について書いていきます。
この本、一番…とまではいえないものの、ホームズものの中でとても好きなもの。ホームズの中で一番って決められないのですが、少なくともトップ5を決めるとしたら絶対に入ると思うし、トップ3にも入りそう。
謎が面白いとか、そういったミステリ要素で好きなわけではありません。(もちろんその要素でも好きな本ですが、ほかにワクワクする謎解きはいくつかあります。)
だけど、この本はとにかく読んでいて楽しいし、高揚感が味わえる。それに、読んでいて嬉しくなる。
結末を知っていても、何度も何度も読みたくなるような本です。本当に面白いです。
何がそんなに面白いのか、読んだことのない人にはわからないと思います。というか、これを楽しく読むためには、これ単体で読むよりもそれまでのホームズシリーズを読んできてから読む方が絶対にいいと思います。
本のあらすじ
それでは、この本のあらすじを書いていきます。この本は、ホームズ短編56編の中の25編目。
ホームズが「最後の事件」のなかでモリアーティ教授とともにラインバッハの滝に落ちてから3年が経ちました。
ワトスンは、妻とも離別し、孤独な日々を送っているところ。
その頃、ロンドンはある殺人事件で賑わっていました。ホームズがいれば警察もとても助かったであろうというものです。
ワトスンもホームズと過ごした時に学んだことから、ちょっと事件を見てみたいと見物に出かけました。そこでワトスンは老人にぶつかり老人の本を落としてしまい、罵られます。
殺人事件の見物も何も成果がないまま帰ったワトスンの元に、先程の老人が姿を表します。
そこで自分の非礼を詫び、本棚に空きがあるからこの本を入れたらどうかと進めてきました。
本棚を確認しようと振り返ったワトスンが顔を戻したら!!!
そこには!!!
彼がいたんです!!!
シャーロック・ホームズが!!!
おおおおおおおおお!!!!
…って感じになります。本当に。このシーンでワトスン気絶しちゃってるんです。
ラインバッハで、遺書みたいな手紙も書いていて、滝の方に歩いて行った足跡しかなくて、ホームズの姿もモリアーティの姿もない。そんな場面だと、いかにあのホームズだといえども死んでいるとしか思えません。それが、まさか…。
という感じで、ちょっと感想を交えてしまいましたが、あらすじに戻ります。
ホームズがここに戻ってきたのは、ホームズを追いかけるモリアーティの一味を追跡し返すため。
彼はベーカー街の彼らの古巣にあるトリックを仕掛け、それを見ながら事件解決の対イングを待ちます。
ここからはトリックのネタバラシになるのでちょっといえないかな…。
でもまあ、こんな感じで話は進み、親愛なる我らがレストレイブ警部も少し出てきて、話は大団円へ。無事終わります。
なんでこの本が大好きなのか:ポイント
この話。なんで私がこんなに好きか、このあらすじを見ればわかってもらえるでしょう。
ホームズが帰ってくるからなんです!!
もう、順番通りに読んでいたらラインバッハの滝でホームズ死んだってそりゃ思いますよ。それが!!この!空き家の冒険で!生き返ってる!
しかも、鮮やかなトリックで読者たちをあっと驚かせ、さらにはワトスンに愛情を示し、そしてハドスン夫人も活躍している…!!!
いや、好きなポイントを言っていると文字数がヤバくなるので、少しだけ話します。
①ホームズとワトスンのであい
まずは、ホームズとワトスンの出会いの場面…
まず、『樹木崇拝の起源』なんて本、ホームズ読むんですかね?
養蜂家したくらいだから、確かに自然関係には興味があったのかも。
文学の知識と哲学の知識は『緋色の研究』でないと言われているけど、通俗文化の知識は計り知れないらしい。政治学の知識はわずかだそう。
そう考えると、通俗文化の派生か事件の派生で調べることになったのかな?何冊か本を持っていたそうだけど、その本は結局どこに行ったんでしょう…。
ワトスンの本棚に入っていたらそれはそれで可愛いです。
そして、ワトスンの気絶のシーン!
気絶するよね、
びっくりするよね、
死んだはずのルームメイトが生きていたんだから。
私たちも、ワトスンがここまで驚いてくれたおかげで、ホームズ生還をどれだけ喜んでもいい気分になっています。
気絶はしていないんだからオーバーリアクションじゃないでしょ?見たいな。
そして、ホームズ!
茶目っ気がありますよね。そういうところも大好き。
「フラスコを片手に覗き込んで」ってあるけど、何にフラスコ使ったんでしょうか?ブランデーをワトスンにあげるため?
私の中でフラスコって実験道具のイメージですが、ワトスンの家(しかも書斎)に実験器具がそこまであるとも思えないので、フラスコは盃のこともさすのかもしれません。
ホームズ、ワトスンが気絶した時はどういう顔をしたんでしょう…。
流石に焦ったかな。だとしたらなんか微笑ましいです(笑)
そして、ワトスンは起き上がってからすぐ気絶した自分の心配よりもホームズの心配を。見た目も優れてなかったようですし、幽霊かと心配になる気持ちもわかります。
②ホームズの復活から大空白時代
ホームズは、自分の生還劇を話始めます。
「僕は日本のジュウジュツを少し知っていたから、それまでにも何回かずいぶんやくにたったものだが、…」
あれ、ジュウジュツだっけ?
私の中で、これって「バリツ」なんだけど…。
と思って調べると、やっぱり昔は「バリツ」だったらしいです。今はジュウジュツという訳になっているとか。
一番最初にこの本を読んだのが小学校2、3年生ぐらいなんですが、その時に「バリツ」がわからなくて調べた記憶があるんですよね。
出版社によっては柔術にしているそうで、納得…。
あと、ホームズが時々いう「〇〇までに、これくらいのことを考えたんだ」的な描写。複数回ありました。
うんうん、ワトスンにあって鼻の下伸ばしてるのかな?
いや、でもホームズのことだから、全然当たり前なんだろうな…。
それでも、人間ピンチの時ほど動けないっていうから、やっぱりホームズすごいな…。
『都会のトム&ソーヤ』のソーヤみたいに、当たり前のことを言っているように話しているんだろうな〜、
そしてそれをワトスンは目を輝かせて聞いているんだろうな〜
と思いました。
話はホームズの大空白時代(行方不明だった3年間のこと)へ。
ここら辺まででも、かなりホームズのワトスンに対する親愛が滲み出てますよね。
あの時のことを書いた君の美しい文章
君にはまったく相済まないけど、僕は世間から死んだと思われることが、絶対に重要だった。それに君に知らせたら、僕の遭難談をあれまでまざまざと迫力をもって書けないからね、君という人は。
あれから三年、僕は君に手紙を書こうと思って、何度ペンを取ったかしれないが、そのつど思いとどまったのは、僕に対する親愛の情が、この秘密を暴露してしまうというような軽率派のことを君にさせはしないかと、恐れたからだ。
親友ワトスンくんが昔通り、お馴染みの椅子にかけていないのだけが物足りなかった。
うん………。ホームズくん、いい友達見つけたね(泣泣泣)
待って、めっちゃホームズくんワトスンの書く文章貶してたやん!
ホームズが自分で文章書いて反省したのって『白面の兵士』で、52作目なんですよ。
だから、時系列的には『空き家の冒険』の方が先です。
つまり、この時にはまだホームズはワトスンの文章を「脚色が多い」と批判していたはず。
それを「美しい」って…。
え、これ皮肉では流石にないですよね?
単純に誉めているんですよね?
そしてワトスンは、自分の文章を誉めてもらえた言葉をそのまま自分で書いているんですよね?
あー、ホームズありがとう。最高です。
二つ目の、「君という人は」もかっこいい!
なんか、「わかってるよ」感出してるし、肩すくめて「はぁ〜、やれやれ」みたいな感じもある!
でも、これ絶対友達同士のからかいみたいな感じなんだろうな…。
上下関係なんかじゃなくて、対等な関係なんですよ、この2人は!!
「何度ペンを取ったかしれないが」「僕に対する親愛の情が」
まず、何度もペンを取ったんですね。
寂しかったのかな、ホームズくんは。
ワトスンが結婚して一人暮らしになった時もホームズそんなこと書いてますし、意外とホームズって寂しがり屋なのかも…。
いや、人並みか人よりも寂しがり屋じゃないのかもだけど、普段の冷静沈着なイメージ&ワトスンにダメ出ししているイメージが多いので、より寂しがり屋に見えます。
「僕に対する親愛の情が」自分で言っちゃいます?!?!
自分で言っちゃうか、そうか、ホームズくん寂しかったんだね…。
ちょっと痩せ我慢していたのかな。
色々なところ飛び回りながら、やっぱりワトスン欲しいけど我慢しなきゃ…的な。
「親友ワトスンくんが昔通り、お馴染みの椅子にかけていないのだけが物足りなかった。」
え、、自分で親友って言ったね?
ホームズ、「最後の事件」でも「真実の友」とか言ってるんですよ。いつもの袖に降りっぷりはどうした?あのそっけなさはどうした?
時々こうやって挟んでくるからたまらない…。
なるほどね、物足りなかったのね…。ワトスン結婚して一人暮らしの時期もあったはずだけど、物足りなかったのね…。
めっちゃわかるよ、ありがとう。
流し読みしてましたけど、一部一部注目するとワトスンもだけどホームズの浮かれようもすごいな?!
また、このワトスンのセリフはよくわかりませんでした。
「私の孤独の悲哀については、幾分聞き知っていたらしい」
これってホームズがいなくなったこと?それともメアリーが死んだこと?
どっちなんでしょう。メアリーが死んだと書いてある記述は多分ないんですが、それでも亡くなっているらしんですよね。
その後の「同情」とかは、なんとなくメアリーのことな気もするし、逆にホームズのことについてのみだったら1人で暮らしていることに対するツッコミがどこにもない。
だから、メアリー関係なのかな〜と思いました。
ホームズも、頑張ってワトスン励ましています。
「悲しみには仕事が最良の解毒剤だ。」
ちょっと今の社会だと怖いセリフな気もしますが、ホームズなりに励ましたんですよね。
不器用だけどだからこそ身に沁みる…というか、ホームズも人間よな…。
さすが不器用で友達思いのホームズ!
最後に
ということで、全部書こうとしたら事件の本編に移る前にかなり文字数きちゃったんで、次に続きを書いていきます!
まさかこの本で2つ記事を書くとは(笑)
まあでも面白い本なので、ぜひ読んでもらいたいです。ホームズある程度読んでからの方が楽しめると思います。
ホームズ人間味あるな…可愛いな…
ワトスン素直だな…
と思った人は、ホームズにハマる可能性大です。
ホームズとワトスンの会話とか、読んでいると微笑ましいですからね。
事件ももちろん大好きだけど、その素晴らしいエッセンスとなるのが合間の会話。
ただ、私は新潮文庫の『シャーロック・ホームズの帰還』を読んだのですが、「ワトスン君」「ホームズ君」と君付けになっていて、少し読みづらかったです。
これ君付けにする表記だったっけ…?
最近読んでいたのは全部呼び捨てだったので、久しぶりに新潮文庫を読んで驚いてしまいました。
ちょっと、新潮文庫以外で読んだ方(青空文庫かな?どこか忘れました)のが私はわかりやすかった気がします。ただ、どちらでも話の本筋は変わらないので楽しめるかと!
上記の表現とかは全部新潮文庫のものなので、どちらでも十分に楽しめます。
それでは、この続きはまた記事に書いていきます。事件解決まで、面白いの連続です!
最後までお読みくださりありがとうございました。明日からフルで授業!一つのコマの時間がとても長いので、大変だけど頑張ってきます!