こんにちは。課題が一個終わって、ほっとした気持ちで過ごしています…!
今日は、前回出した東博の感想の続きを書いていこうと思います。
展示品一つ一つに注目して、少しネタバレ的な内容にもなっています。
写真等もバンバン出るので、楽しみにしておきたい方はぜひ残りはとっておいて東博観覧予約をしてみてください!
前回の記事でも書いた通り、東博は本当に大きいです。
その中でじっくりみれたのも、一部だけ。ここから紹介することだけが東博の魅力ではありません。
それを頭の隅っこに留めてもらって、東博の凄さをより実感してくれると嬉しいです!
まず一番最初にすごいと思った展示作品は、やっぱり仏像です。
私が一番最初に入った展示室11番は、そう言った仏像が多く入っている展示室でした。その上で、やっぱり照明が綺麗なんですよね。
仏像と一言に言っても、色々なサイズのものがあります。でも、飾られていたのはそれこそ国宝、重文のとても大きいもの。
弥勒菩薩だったり不動明王だったり(すみません、記憶で書いてるので違うかもしれないです)が多く並んでいて、「この仏像は平安時代の目の形の特徴がこういうふうに出ています」と言ったような特徴が載ってある説明文も。
みていて、圧倒的な迫力に押される時もあれば、綺麗な目の形に感嘆する時もあり。みていて本当にあきません。できれば、全てを目に焼き付けて帰りたかったんですが、そこまでの記憶力の持ち主ではないため、ちょっとそれは難しかったです。残念…。
あと、先ほどもちらっと言いましたが、照明が綺麗!
色が少しずつ違ってるんですよね。保存のためかわかりませんが、色がオレンジがかっていたり、少し暗かったり、場所によって違いました。
横から見るとちょうど彫刻に後光がさしたようになっていて、色々な角度から楽しめます。それも綺麗に写真に撮りたかったんだけど、ちょっとうまくいきませんでした…。
そして展示室11を過ぎると、さまざまな模様の入った蒔絵箱や、昔使われた大判小判、刀やかんざしなどの服飾品、皿などの陶磁器まで綺麗に展示されていました。
どれもすごくみていて楽しかったですが、特に刀はやっぱりみていて面白かったです。
大三島にある大山祇神社という、刀などが多く保管されている場所に見学に行ったことがあります。そこは、国宝・重文指定を受けた武具類の約8割が保管されているという場所。
そこで学んだ刀に関する知識などをまた一から見返して、学び直して、さらに実物も見るという、なんとも贅沢な経験ができました。本当に毎回思いますが、記憶力が欲しい…。もう知っているはずの知識なのに、全然覚えていなかったところも多くあり、ちょっと凹んだりもしました(笑)
東博での目玉は、やっぱり天下五剣のうちの一つ、三日月宗近ではないでしょうか。平安時代後期に作刀された、宗近の代表作です。
細身の頭身に三日月の波紋が見られることから三日月宗近との名前がついたようです。
私が行った時は少し列になっていましたが、カメラで写真を撮る余裕もちゃんとありました。
「豊臣秀吉の正室高台院の遺品」という文字を見た時、「え、あのおねねの遺品なの?!」とびっくりしました。
私に刀の良し悪しがわかるわけではないので、もし本当は三日月宗近ではない刀に同じ説明文がついていても、信じてしまうでしょう。
その事実は残念ですし、審美眼というか、そう言った価値がわかるようになりたいと思いながらも、やっぱり知っている有名な名前が出てくるとテンションが上がります。
そして、これすごい…と単純に感動したのが、大皿でした。
江戸時代に作られた佐賀藩の鍋島焼なのですが、中国の水墨画を手本として絵画風に表しています。
他にも、清の時代に輸出用に生産された大皿で、色合いが鮮やかで綺麗な皿もありました。作られたのは数百年前なのに、なんであんなに光沢が綺麗で、色合いも鮮やかなんでしょう…。
また、確かこれは2階に上がってからなのですが、伊能忠敬の大日本沿海輿地全図(伊能図)の一部がありました!
伊能図なんて、教科書の中で見た記憶しかありません…。
いや、普通はそうなんでしょうけど、本当にここまで有名なものが資料として残っていて、(高校生だから)無料で見られるなんてさすが国立…と言った感じです。
そのあとは、廊下からでられる中庭の風景に目を止めながら(雪が降っている景色はレアでした)、展示室をまた巡ります。
アイヌ民族の中で使われていた窃盗などの処罰のための制裁棒や、狩野芳崖の『春庭鴛鴦』、荻原守衛の『女』、そして横山大観の『無我』までありました!!
これも美術の資料集に載ってたんですよね。やっぱり、中学校までの知識しかないのにしっかり楽しめる収蔵量ってすごいと思います。
国立さまさまです…。
制裁棒
女
春庭鴛鴦
そして!!!!
今回の東博で、一番びっくりした作品は、これでした。
長谷川等伯の、『松林図屏風』。
確か普通に教科書にも載っていたような気はしますが、私がこれを知ったのは漫画『国宝トゥナイト』でのことです。割としっかり漫画の中で扱われていて、それを読んだ時から『松林図屏風』のことは頭の片隅にしまわれていました。
それが、なぜかあったんです…。本当、どこまで喜ばせてくれるのか。
間近でじっくりみることもできて、なんと写真も撮れて(上手くはなかったですが)、嬉しかったです、本当に。
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ここで、素直に「本当に綺麗な作品でした」と言えないのが悔しいです。
私は『松林図屏風』に一番時間を費やして、眼鏡もかけて、しっかり目に焼き付けました(私の記憶力ではもう失われつつありますが…)。
実際、展示室を出るときは後ろ髪を引かれるような気持ちで、何回も見直しました。
そこまで「綺麗」な作品だった。
と言いたいのですが、自分は「肩書き」にとても弱い人間です。
「国宝」「等伯」「代表作」。
そんな言葉が並んでいる作品を見て、それに引っ張られてないとは言えません。
情報を得てからその作品を見ることが好きな代わりに、そのせいで自分が必要以上にその作品の価値を自分で決めているのではないか…。
そう考えてしまうので、結局「素敵な作品」と自信を持って言えないんです。特にこういった知名度の高い作品には。
すごい面倒臭いなと思いますが、実際悩んでしまうのだからしょうがない。
それでも、ヴァチカンで見た作品や、ダヴィンチの作品、北斎の作品など、知名度があることをわかった上で、今でも鮮明に思い出せるような作品もあります。
私の中では一線を画するというか、本当に好きだった作品のみです。それも片手で数えるくらいの数なので、そこに入らないと「素敵」と胸を張って言えないのは、なんだか勿体無いというか。
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そんなことをうじうじ考えたりもしますが、実際この作品は見ることができてよかったです。
とても嬉しかったし、これからも時々思い出す作品になると思います。
皆さんにも、機会があればぜひみてもらいたいです。『松林図屏風』が展示されていた部屋は、月替わりで名作が展示される部屋。
次に行くときには何がみられるのか。とても楽しみです!
他に印象に残っているのは、『大井戸茶碗』でしょうか。
私の家は家族揃って落語が好きなのですが、落語の中に『井戸の茶碗』という話があります。
『井戸の茶碗』を演じる噺家さんの中でよく聞くのは、柳家喬太郎さんの『歌う井戸の茶碗』です。弟と暗唱に挑戦するくらいには好きな作品なんですよね。
その話の中に、「井戸の茶碗か大井戸の茶碗、我が朝の土で焼かれたものにはございません!」というセリフがありました。
ここに出てきた「大井戸の茶碗」が直に見られるなんて…!
個人的にとても嬉しかったです(笑)
最後に紹介したいのが、タンスです。
こちらの箪笥、源氏物語の一場面を意匠としたもの。『初音蒔絵源氏箪笥』と言います。
源氏箪笥とは、『源氏物語』の冊子を収める物です。
松の枝に鶯、2個の髭籠は、第二十三帖『初音』で、明石の上が娘である明石の姫君に送った正月の祝物を表しています。
内部には54帖の外題を全面に記した6個の引き出しを収めている、というもの。
(ほとんど博物館の展示説明をコピペしました。)
源氏物語は昔から好きで、全編しっかりと読んだことはまだないのですが、この場面は何回か読んだことがあります。
ですので思い入れのあるというか、印象強い意匠。
見ていてとても面白かったです!
外題を全面に記した〜と書きましたが、実際にそれぞれの帖の名前が書かれていて、読めました。
江戸時代に作られた物なので時代的にとても古いというわけではないですが、なんか嬉しかったです。
まだまだ刀剣、浮世絵、百人一首を描いたもの、本当に色々な作品がありました。
全部見たかったのに、見られなかった…。
しょうがないですよね、今度また東京に行く用事があるので、その際にしっかり見てこようと思います。
多分次に行っても、前見た作品の記憶の6割はないんだろうな。
こういう時は自分の記憶力のなさが歯痒いですが、毎回新鮮な感動をもてるということでいいことでもあるのかも!
ということで、以上東博の作品(一部)を紹介してきました。
余談ですが、カメラでの写真撮影が許されているため、すんばらしいカメラを携えた方々が数名…。
自分もカメラを持っていったのですが、写真撮影にはあまり集中できず(負け惜しみ)、撮影の練習という意味では特に何もありませんでした…。
次はもうちょっと頑張ってみたい!
私は長時間作品をじっくりと見るタイプですが、色々な楽しみ方があると思いますし、一人一人にあったいつもの習慣もあると思います。
ただ、東博に収められている作品は(もちろん他のどの博物館にも共通していることですが)みていて嬉しくなるくらいに素晴らしいです。
ぜひ、機会があれば楽しんでもらいたいな〜と思いました。
最後までお読みくださりありがとうございました。色々なことがある今日この頃ですが、ときには博物館で心を落ち着かせて、リラックスした時間を過ごしてみてください!