こんにちは!お久しぶりです…。やっぱり記事の投稿はなんとなく後回しになっちゃうので、もっと日々思ってることとか書いて行けたらな〜と思っています。
今、私の学校はコロナのせいでかなりずっと隔離状態です。4月の間はかなり長い隔離があり自宅に戻っていて、帰ってきたらまた隔離が数日前に始まって…。ちょっと悲しいです。後1ヶ月でISAKのこの学年も終わるのに…。でも、この状況でもIBの成績を決める試験(ちょうど今真っ最中!)に望んでいる先輩方には尊敬しかありません!
それでは、今回は今月読んだいくつかの本を紹介していきたいと思います。
実は、今月の第3週から、読書ノートをつけるようになりました。隔離の期間を楽しく過ごすため、自分で意識して本を読むようになったからです。
ということで、4月の下半月で読んだ本は15冊。ちょうど4/16から始めて、一日一冊読んで来ました。その中で、自分なりに何冊か紹介していきたいと思います。ジャンルごとに一冊紹介できれば…と思っているのですが、もしかしたらどこかで決められず被ってしまうかもしれません(笑)
また、ここにあげた本もあげなかった本も、詳しくまたどこかで感想の記事を書くかもです!
目次
- 岩波少年文庫から、日常を描いた戦争のお話。
- 岩波ジュニア新書より。この本に出会えて、本当によかった!!!
- やっと読めた、待望のエッセイ:読書と教育について
- これは秀逸!!インテリには読んでもらいたい本。
- まとめ!
岩波少年文庫から、日常を描いた戦争のお話。
小説はいくつか読みましたが、その中でも一番好きだったのはハンス・ペーター・リヒターの『あのころはフリードリヒがいた』。
舞台は、第二次世界大戦ごろのドイツです。
そして、著者は1925年にドイツで生まれた、小説家兼社会学者。
この基本情報と、題名から、やりきれなさがよくわかると思います。題材は、ユダヤ人への迫害。
この本を読んだ後の、私のノートに書いた感想はこちらです。
本当にめまぐるしく、だけどじわじわと、何かが迫ってくる感じがある。
正直結末はある程度予想していたけど、思ったよりも呆気なく気づいたら終わっていた。
シュナイダーのおばさんもフリードリヒも、命は本当に呆気なく、すぐに消えてしまう。あの少しずつ確実に飲み込まれてる空気の中で、できることはあったのかな。なかったのかな。
読みたくないし、目を背けたいけど、
ページをめくることをやめられない。それでも読んでいて辛くなる本。
書いた通りです。
書いている題材は、ユダヤ人への迫害。それ自体は私たちにとっては非日常のものです。戦争なんだから、当たり前ですが。
でも、彼らにとってはそれが日常で、しかも気づかないうちに蛇に首を絞められているよう。だって、気づかないままユダヤ人迫害に加担したりしてしまうんですから。
長野県の新聞で、一時期「御嶽海」という大関が猛プッシュされていて、連日連日御嶽海のオンパレードでした。それこそ、どこかで売ったらファンに買ってもらえるのでは、というくらいに。
私の両親も、毎日新聞を読んでいるのでふとした時に御嶽海の勝敗が気になってスマホで調べたり。ここまで相撲の話題が出てくるのは我が家では初めてのこと。
別にそれをどうこういうつもりは本当にないのですが、それをみて、メディアの影響ってすごいな、と思いました。日常をそのまま過ごしているはずが、気づいたら少しずつ何かに染まってきている。
その染まっているものに登場人物たちは気づかないでいるけど、私たち読み手は第三者だからなんとなく違和感がこびりつきます。
そうして、次第に人がどんどん消えていって、あっけないラストが来る。
淡々と、ただ淡々と、何かがうねっておかしくなっていく。でも、私がそこにいたとして、何か手が打てたのでしょうか。一人だけ波に逆らい、それはおかしいと叫べたんでしょうか。そもそも、それがおかしいと気づけたのでしょうか。
正直、私の中にある答えは、、、。自分で書いていても恥ずかしいので、名言はしませんが。
でも、もし次フリードリヒが私の周りで生まれたら、何ができるのか。それは考えていかなければいけないことかな、と思っています。続編もあるらしいので(三部作だそうです)、読んでいきたいです!
ちなみに、アンネに関する本も二冊4月には読んだので、それらの感想も違う記事で書いていきたいです。読んだのは、
『アンネフランクに会いに行く』(谷口長世 -岩波ジュニア新書)
『アンネナプキンの社会史』(小野清美)
の二冊です。かなり面白かった本なので、記事を書くのが楽しみです!
岩波ジュニア新書より。この本に出会えて、本当によかった!!!
さて、お次は、岩波ジュニア新書よりどハマりした本を一冊。
『漢字ハカセ、研究者になる』。国字研究の第一人者である、笹原宏之さんの書いた新書です。
今年の3月発売ですが、この本は本当に読めてよかったと思っています。
とにかく、めちゃくちゃいい本です。漢字への愛がこれでもかというくらいに伝わってきます。
「好き」を原動力にできるのって、本当に強いですよね。この頃何回も思いますが、「好き」って限りなく大切で、影響力の強い気持ちだと思います。
まず、文章が好きです。ノンストップで読めて、すっと頭の中で情景が浮かんでくる。
これは新書のはずなのに、素晴らしい小説を読んだ時のように、噛み砕く時に何も障壁がありません。
181ページ、東日本大震災の際の気持ちを書き記した場所は、とにかく良いです。
初めて新書で涙が出そうになりました。本当に、うるっときたんです。
少しのいつもとの差異で、命が助かった人もいれば、その逆もいる。それが、身にしみた部分でもありました。
なんというか、うまく説明ができないけど、多分文章が私の好みなんだと思います。優しく入ってくる文章で、でもどこか硬いところもあって、大事なことを思い出させてくれる。「好き」の究極系を垣間見た気分ですし、忘れちゃいけないことを思い出せる本な気もする。
もっといろんなことを知りたいし、好きなものを見つけたい。
そんな気持ちが溢れ出てきます。
あと、ちょっと笑えるのが、謙虚なファインマンさんっぽさ。
『ご冗談でしょう、ファインマンさん』という本のレビューを書いたことがありますが、このファインマンさん、サラッとノーベル賞を取った物理学者なのに、芸術で個展を開いたり、初めて弾いた楽器でサンフランシスコの楽器団に誘われたりしています。いわゆる、ムカつくほどの天才なんですよね。
この笹原さんがそうかは分かりませんが、この人にもさらっと「いや、それはできないって…」みたいな行動があったりしちゃう。
読んでいて、面白いと同時にちょっと打ちのめされちゃうみたいな部分もありました。優しい、腰が低い文章なのに、無意識に他人をぶちのめしちゃうようなところも大好きです!
(個人の感想ということを忘れないでください。)
何回も言いますが、この本は本当に読めてよかったです。初めてファンレターを送りたいと思いました。(今書いてる途中なので、送ったら追記します。でも、学校中が隔離のせいで郵便ポストにいけない…泣)
新書の中では、一番と言っていいほど好きな本です。出会えてよかった!
やっと読めた、待望のエッセイ:読書と教育について
次に紹介するのは、ダニエル・ペナックによる『ペナック先生の愉快な愉快な読書法 -読者の権利10箇条』。
この本、実は3月ごろに会った方にすごくお勧めされていて、絶対に読んでやる!!と思っていた本です。親に頼んで買ってもらい、ネットで届いたものを読みました。内容は、作家でもあり、先生もしていたダニエル・ペナックが自分の国語の授業の内容などを含めた思っていることをつらつらと語っていくエッセイ。
私はこの頃学校図書館と、読書教育に興味があります。そう言った身からすると、このエッセイは色々な意味で面白かったです。
読書するとはどういうことか、読書を自らするということはどういうことか。
そう言ったことがペナック先生の視点で描かれていて、賛成するところもあれば、首を傾げたところもありました。
一番記憶に残っているのは、「朗読」についての記述です。
私は朗読がかなり好きなのですが、この頃は朗読をする機会も全くありません。もちろん機会を与えられてやるものではなくても、朗読をするのも聞くのも、寮生活だとちょっと恥ずかしいというか…限界があります。でも、本の中で説かれていた「本を読めという命令ではなく、本を朗読している先生の時間を共有する」というコンセプトはかなり納得しましたし、賛成できました。
そして、この本の醍醐味はやっぱり副題にもなっている「読者の権利10箇条」だと思います。
- 読まない権利
- 飛ばし読みする権利
- 読み終えない権利
- 読み直す権利
- なんでも読む権利
- 本の世界に染まる権利
- どこで読んでもいい権利
- 拾い読みする権利
- 声に出して読む権利
- 読んだことを黙っておく権利
これらの権利は、本を読む人にとっても読まない人にとっても大切なものです。
私は、この権利を知ってから本を読むことを自分でより決められるようになりました。義務感から本を読むのではなく、数ある選択肢の中から自分で本を読むようになったんです。
重要だな、と思います。当たり前のことかもしれないけど、こうして文字にして意識の片隅に置いていくと読書が気楽になるかもしれません。
正直、待ち望んでいた割には、この本の良さを全て理解できたという気は全くしません。まだ一回しか読んでいないんです。
親に「自分たちも読みたいから寮には持っていくな」と言われたので、残念ながらあまり読み返していない…。(もちろん不平不満はありません。ええ、ないです。)
でも、100回読んで、ペナック先生の考えをしっかり理解できたら、もっと本を読むことが楽しめると思います。
本を愛す人になりたいです。なれたらいいな。
最後に、この本から学んだことを一つ。
「読む」は「読みなさい」には耐えられない。
これは秀逸!!インテリには読んでもらいたい本。
最後に紹介するのは、分類が難しいんですが、実用書…??雑学本なのかな??
堀本見の『教養(インテリ)悪口本』です。この本、その名の通り教養のあるインテリ向けの悪口が書き連ねられている本。
と言っても変なものではなく(いや、あるのか?)、ちょっとした悪口を綺麗に(教養を使って)言おうという本です。家族が何回か話題に出していて、自分だけ「青鯖が空に浮かんだような顔」が通じないのが悔しかったので、読んでみました。
かなり面白いし、紹介されているエピソードがいちいち秀逸なので是非読んでもらいたいです。雑学本のようなものかな。
ただ一つ注意したいのが、この本、基本的に悪口として使用する場面に限っているため、話半分で読まないと少し消耗するかもしれません。まあ、ずっと悪口見ていたい人なんてあんまりいませんよね…。
うわ、これ自分やん、と思ったのが、
「ボキャブラリーをスタックで管理している」という悪口。
対象は、「最近憶えた言葉ばっかり出てきちゃう人」です。これに関する解説がこちら。
「一番最後に積んだものを一番最初に処理する」のが、スタックの本懐である。
〜
「ボキャブラリーをスタックで管理してるのかよ」は「最近憶えた言葉ばかり使いやがって!」のみならず、「お前のボキャブラリー貧弱すぎん?」というメッセージも同時に伝えられるのである。実に重厚で、深みのあるインテリ悪口であると言えるだろう。
まあ、、しょうがないですよ!だって、新しく覚えた言葉なんて使わないと覚えらんないんですから。
こんな感じで、インテリ悪口が何個も載っています。実際に家で使われたのは、
「青鯖が空に浮かんだような顔」
「ヘロストラトスの名声」
「鹿鳴館精神」
などなどでした。意味がわからない…という方は、是非本書を読んで使い道を想像してみてください。ちなみに、「青鯖が空に浮かんだような顔」は、中原中也が酔って太宰治に言った悪口です。
…太宰ぃぃぃ。なに言われちゃってるんですか、言い返してくださいよ!
みたいな気持ちになるのは私が太宰作品が大好きだからなのでしょうか…。それにしても、咄嗟にこれが出る中也はさすがですよね。もう青鯖が太宰の写真を見るたびに思い出されます。
職場編から恋愛編、飲み会編、娯楽編など、計六つの章に分かれてインテリ悪口が提唱されています。ぽろっと、「こんな悪口を機転をきかせて思いつけるようになりたい」と言ったら、親に「ここに書かれてることをそのまま言うのっていかにも教養のない人じゃない?」って言われたので、実用書ではなく雑学本として読むことを強くお勧めします!!
まとめ!
と言うことで、以上4月下半月に読んだ本からおすすめの本を数冊選んできました。名前だけ出した本などもあるので、もう少しブクレポを描いていこうと思っています。世界中の本を読んでみたいけど、それは無理なのでまずは自分の興味のある本をどんどん読んでいきます!
おすすめの本等ありましたら、是非教えてください!正直、隔離が続いてもう飽き飽きしているので…(笑)
それでは、数枚この頃撮った春の写真を載せて、お開きとしたいと思います!
みなさんはGWの途中でしょうか。ISAKでは祝日がないので、私はオンライン授業を受けていますが、みなさんがのんびりと過ごせているといいな〜と思っています。
(友達とキャンパスの周りを散歩した際に撮りました。ちょうど夕暮れ時で、色々な雰囲気の桜がみられたかな、と思います。)
最後までお読みくださり、ありがとうございました。気になる本はあったでしょうか。自信を持っておすすめできる本ばかりなので、手に取ってくださると嬉しいです。次の記事も読んでくださるとありがたいです!