うぐいすの音

15歳の女子が運営しているブログ。本のレビューなどしていきます。

『図説 魔女狩り』読みました!

こんにちは。今日は〜…

 と、好調に話しだしていきたいのですが、今日の記事はそうもいきません…

この記事は、私の中で書くのが2回目なのです。2,600字くらい、頑張ってもう記事を書いていたのですが、投稿しようと思ったら悲しいバグのおかげで全滅でした…

 私の2,600字と45分を返してください〜〜泣泣泣

 

…というテンションで書き出しております。

 さて、気分を変えていきましょう!今回は、ブクレポを書いていきます!

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紹介するのは河出書房の【ふくろうの本/世界の歴史】シリーズ、『図説 魔女の歴史』です!

 この【ふくろうの本】シリーズは、母親も好きで、かなりわかりやすくいい歴史紹介本だと思います。いくつかは、イギリスに行くときも参考にさせていただきました!私は、『図説 イタリア・ルネサンス美術史』を、何回も借りて読んでいました!ルネサンス美術の紹介本はあまり多くないので、私にとって貴重な一冊です。

 

 今回読んだのは、『図説 魔女狩り』です!「魔女狩り」と聞いて、何を皆さん思い浮かべるでしょうか?ジャンヌ・ダルクの悲しい最後や、火あぶりで悶え苦しむ女性たち。なかにはグツグツと煮えたぎる鍋を棒で引っ掻き回している老女を思い浮かべる人もいるかもしれません。

 

図説 魔女狩り (ふくろうの本/世界の歴史)

図説 魔女狩り (ふくろうの本/世界の歴史)

  • 作者:黒川 正剛
  • 発売日: 2011/03/16
  • メディア: 単行本
 

 

 私がイギリスに一年滞在していた時に住んだ街はエクセターという街です。エクセターは、デボン州(イギリス南西部)の州都なのですが、エクセター図書館の裏手にルージュモント・キャッスルという城跡があります。そこは、イングランド(イギリスは4つの国からなる連合王国なのですがイングランドはその中の一つです)で最後に魔女裁判が行われた場所として、レリーフが残っています。

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 また、エクセターにはHeavitree Roadという通りがあるのですが、渡英直後の私のカタカナ脳には「Heavitree Road→ヘビツリーロード→蛇吊り道」とインプットされてしまい、上記の魔女裁判と相まって、魔女とヘビをエクセターから連想するようにもなりました。

 

 こういうこともあって、『魔女狩り』が面白そうで手にとってみたのですが、思った通りかなり興味深い内容ばかりでした。

この本は、その名の通り図や写真が多く、字も細かいため薄いなりに情報量はとても多かったです。

など、多くの情報がそれぞれ資料などをふんだんに用いながら表していました。

 

 特に、男女平等に関心のある私からすれば、「魔女」とジェンダーの話が面白かったです。

魔女狩りは、15世紀ごろまではキリスト教の正統教義と異なる教義を信仰している「異端」と呼ばれる人たちを対象としたものでした。古代にも、魔女に繋がるイメージを持つものの伝説などがありますが、そう言った「はみ出しもの」が魔女狩りとして狩られたのかもしれません。

 つまり、「異端」が対象だった15世紀までの魔女狩りは、男女ともに罰されていたわけです。「魔女」という単語にすでに女という文字が入っていますが、この頃までは男性も対象で、なかには男性の被害者の方が女性の被害者より多いなんてこともあったそうです。

 しかし、16世紀に入り宗教改革がおこるようになった頃から、対象者は圧倒的に女性になってきました。

 この理由は、遡って聖書の内容から始まります。

 ミケランジェロの「天地創造ーアダムの誕生」のシーン(E.T.の指をさすシーンからも有名だと思います)から分かるように、アダムは神によって作られました。そして、アダムについとなる存在を与えたかった神はアダムが寝ている間に彼の肋骨からイブを作り出します。この時点で、「女性は男性より劣る存在(男性の一部から作られた)」という意識が垣間見得ます。

 そして、アダムとイブが楽園を追い出される経緯。アダム、イブは自由に天国の楽園で暮らしていましたが、ある日イブはヘビにそそのかされて「知恵の実(りんごと言われています)」をアダムに進め、2人で食べてしまいます。それは神から禁じられた行為で、それがバレたことにより2人は楽園を追放され、いくつかの罰をおいました。ここでも女性が楽園追放の原因とされ、これにより蛇は忌み嫌われる存在となったとも言います。

 

 つまり、キリスト教において女性は否定的評価を受ける存在でした(ほとんどの宗教においてそうですが…)。カトリックでは聖母マリア信仰がありましたが、宗教改革後のプロテスタントでは聖母信仰も否定されています。

 しかし、プロテスタントでは聖職者の妻帯が許可されています。

ここで注目したいのが、「妻の存在」の意味です。当時のプロテスタントでは「女性は男性と霊的に平等であり愛するに値する」と考えていたのと同時に、「女性は男性より劣ったものである(聖書のイブ観)」とも考えていました。この女性観から、プロテスタントが求めたのは「良き妻(男性に服従する妻)」でした。

 すなわち、男性に反抗的で家父長制から外れるような行動をした女は「魔女」とみなされるようになったのです。「貞淑でない女性=始末に負えない=魔女と等しい」と書いてある文献等も残っています。当時、宗教的にも世俗的にも妻が夫に服従するのは当然で当たり前のことでした。それこそ「人間が神に服従することを保証する」ような意味合いもあったようです。

 つまり、家の主となる男性に歯向かう存在は怪しいものとして扱われました。

この背景として、当時流行病がはやったことも関わっています。黒死病ハンセン病、ひいてはユダヤ教の人や異端の人たちなどを攻撃の対象として、社会の不安定さを抑えようとした人たち。その攻撃の対象が「貞淑でない妻」に映ったわけです。

 そうして、「魔女」は女性が重とされ、魔女狩りも圧倒的に女性が被害に合うようになりました。

 

 時代は少しすぎて、ガリレオ・ガリレイが台頭してくるようになった頃。魔女狩りはその非科学さによって少しずつ姿を消していきます。魔女狩りはヨーロッパやアメリカなどで行われ、1400〜1800年の間に5万人以上の人が魔女狩りとして被害にあいました。

 

 ちなみに、魔女狩りに関わることで面白いことがもう一つ。魔女狩りは、魔女がやっていることが他の人を殺したり、悪影響を与えたりするものだからこそ行えるものでした。だからこそ、それらが想像のものだと魔女狩りは行えなくなります。

 なかには、魔女の行いは魔女が食べる黒胆汁によるメランコリー症であると考えた人たちもいました。メランコリー症だとしたら、魔女のやっていることは想像の域を出ないことになり、罰する理由はなくなります。これも、直接的な対立はなかったようですがメランコリー派vs反対派による書物上での論争があったようです。ただ、どちらも魔女狩り反対派vs賛成派の構図に単純に当てはまらないのが面白いところでしょうか。

 

 ということで、『図説 魔女狩り』に関する感想を書いてきました!!改めて書いていて、やっぱり面白い本だな、と思いましたね。図がとても多いので、それを見るだけでも少しは楽しめると思います。文章を全部しっかり読むのは少し大変かな…?

 でも、興味があるなら中学生でもいけると思うし、大人のかたが読むのもとても楽しめると思います!単純に内容がいいです!読んでいてとても面白いし、興味深いので楽しめました。2、3回繰り返して読んだ方が面白さは深まると思います!

 

 最後までお読みくださりありがとうございました。今回は、『図説 魔女狩り』のブクレポを書いてきました!最初に書いて消えた記事は2600字くらいだったのに今は3,200字…?まあ、進化したので良しとしましょう!次からはしっかり何回かに分けて保存しておきます…。ギャップタームだと、インプットできることが少なくなるので、ブクレポや勉強に関する記事が多くなるかもしれません!