うぐいすの音

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相沢沙呼さんの『教室に並んだ背表紙』を読んでみました!あらすじ・感想

 こんにちは。今日は、V6のシングル『僕らはまだ』の発売日なんです。フラゲといって前日に入手することもできるのですが、私は今日店頭に行って買おうと思っています。車ではないので長めの距離を自転車で行くことになりますが、雨さえ降らなければ(曇り空でちょっと不安…)今日の午後にでもいって買ってきます!

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目次

 

本について:どういった本??

 今回は、相沢沙呼さんの『教室に並んだ背表紙』を読んだ感想を書いていこうと思います!

相沢沙呼さんは、鮎川哲也賞からデビューした作家さんです。ミステリ作家のイメージしかなかったのですが、どうやら小説も書いているらしい…ということで、今回は図書館の新刊コーナーに置いてあった(本自体は2020年の冬発売です)『教室に並んだ背表紙』を借りてみました。

 

 この本、完璧に表紙だけ見て選んだので中身を全く見ないままに借りたんですよね。家に帰って開いた時、まさかの連作短編集だったことに少しびっくりしました。

私の中で、短編集ってあまり好きな分野じゃなくて、連作短編なら楽しめる…といった感じだったんです。長編だと思っていたのに連作短編、ということで、少し身構えながら読み始めました。

 

 『教室に並んだ背表紙』は6つの短編に分かれていて、それぞれに女子中学生の主人公がいます。

どの子も心のモヤモヤを抱えながら、図書室でしおり先生と話す。しおり先生は、先生としての助言というよりかは、始終「みんなより長く生きている大人」として助言をしています。漫画を持ってきてもいいといったり、地味に学校の決まりに背くことを容認しているところがそのいい証拠です。

 

  • その背に指を伸ばして -クラスでのいじめと自分のしたいことの間で悩む少女の話
  • しおりを滲ませて、めくる先 -未来に対して悲観的な少女の話
  • やさしい私の綴りかた -「ずっとずっと、寂しかった」少女の話
  • 花布の咲くころ -二次元を否定されたくない少女の話
  • 煌めきのしずくをかぶせる -「価値」がわからない少女の話
  • 教室に並んだ背表紙 -居場所を見つけられない少女の話

 この六つが、物語を構成しています。

中にはかなり辛い話もあるため、読後感が爽やかなものになるか辛いものになるかは、人によってもかなり違うと思います。

 

でも、

しおり先生の言葉は物語の中の登場人物のみでなく

私たちにも響くもの

なので、そこだけでも読み返してみたら変わるかもしれません。

 

読後の感想:しおり先生尊敬!

 

 …ネタバレしたい!!!

 

この本、私はしおり先生の正体に最後まで気づけませんでした。

最後の話で、やっと気づけました。これって最後になるまでわかる人いるんでしょうか…?もしいたら、本当にすごいな、と思います。

 同じクラスの人だったりと、それぞれの短編に出てくる人たちは何らかの関係があります。最初は、「あれ、もしかしてしおり先生がいろんな学校に行ってあった子供達の話?」とか思ったんですが、全て同じ学校でした。

でも、一つだけどこで繋がっているのかわからないお話があったんです。

無理にそこの齟齬を埋めようとすると

違った予想を立ててしまうかもしれないので、

正体について考えるよりもページをめくっていったほうがいいと思います。

 

 それぞれの話についてもネタバレしたいんですが、ちょっとこの本は読んで欲しいです。この頃、小説以外の本を読んでみよう!と思い立ち、図書館に行っても初めて小説の棚に一回も行かなかったことがあったりしたんですが、やっぱり小説って偉大…

 人の心を思う存分揺さぶりますね。

この本は、すごく感情移入する!というわけではなかったんですが、なかには私も同じような経験をした、という話があったりと、中学校にいた時のことを思い出しながら読んでいました。それぞれの内容はディープなものもありますが、程度の差を考えなければ、自分、もしくは友達が同じようなことを経験していた、という人も多いと思います。

久しぶりに小説を読む、ということもあったのかもしれませんが、読んでいて面白かったし、目が離せませんでした。最後の話を読んだところで、「ああ、そういうこと!!」となり、その興奮がしばらくは冷めなかったほどです(笑)

 

しおり先生は、本当にいい人ですね。

言う言葉が本質を突いているし、何より生徒をよくみていると思います。生徒全員を、なのかはわかりませんが、少なくとも自分と親しい生徒だったり何か抱えていそうな生徒のことはよくみているんでしょう。

「教室に並んだ背表紙」では、しおり先生がいてくれて本当に良かったです。しおり先生によって生徒の未来が閉じなかった…といえば伝わるでしょうか。そのあと、前に出てきた話とも繋がって、こちらまで嬉しくなるような終わり方で終わります。

 

 

しおり先生の、名言紹介①何かに一生懸命になる経験

 何個か、私が読んでいてグッときたしおり先生の名言を紹介していこうと思います。

 

まずは、二次元に恋することを否定されたような気持ちの女子に投げた言葉。

好きな人が実在していても、実在していなくても。

自分の気持ちにどう向き合ったらいいかわからなくて、もやもやして、切なくて、苦しくなって……。

そこから先に進めるかどうかの違いはあるけれど、少なくとも、おなじように辛い思いをすることに、違いはないと思うよ 

 

たとえ架空の中であっても、そこに一人の生きている人間を見出す ことができるの。

誰かを慮って、心を動かし、考えることができる。

その感性は、誰もが持っているものじゃない。とても得難いものなんだと思うよ

 

けれどね、相手がどんな存在であれ、誰かを好きな気持ちは、きっと生き続けて、いつか他の誰かを大切にしてあげられるようになると思うよ 

 

 私は、別に二次元に恋をしているわけでもありません。

でも、哲学サマーキャンプの時に、二次元と三次元との恋愛の違いとか、これに関することを話しました。それに、周りにはアニメが好きな人がいっぱいいる上、ジャニーズなどのアイドルを好きなのだって、これに近しいと思う人はいるはずです。だからこそ「リアコ」という言葉が生まれるんですから。

 

 恋愛に関係させるなら、こうやって二次元や、絶対に手の届かない人を好きになることは決して間違っていないと思います。

何を好きになるかなんて人の自由で、それは周りの人から強制されなきゃいけないわけでもないし、一方的に「普通じゃない」と言われるのもおかしいと思っています。

 

 でも、恋愛に限らず、何かを一生懸命考える経験は、決して無駄にならないと思っています。

たとえば、私が「今日はブログに何を書こう」と考えるのだって、中学生の時に「どこの高校に行こう」と考えるのだって、同じ思考です。それらの考えたことは、結果的に考えたことができなくても、自分の財産となると思っています。達成できたことより達成できなかったことの方が残る財産や思いは小さいのかもしれません。

 そうだとしても、その時に考えたことから何かの道が始まっているんだから、無駄なことではないと思うんです。綺麗事と言われたら綺麗事な気もするし、結局結果にはならないじゃん、と言われたら反論はできませんが、

考えることをやめたらそこで終わりだと思っているので、

自分が抱いた感情、考え、

そういったものは否定したくないし否定されたくないな

と思いました。

 

 

いじめに苦しんでいる人たちに、届いてもらいたい本

 加えて、最後に感動したこと。

少しずつ、物語のように劇的ではなかったけれど。

助けてって声をあげたら、誰かが助けてくれるようになる。

物語は嘘かもしれないけれど、全部は嘘じゃない。

物語のように美しい世界を願う人たちはたくさんいる。

三崎さんを助けてくれる人は、たくさんいるよ。

そのためには、助けてって声をあげて生きてほしい。

人間を、大人を、物語に動かされる人たちを信じて 

 

 この発言、本当に正しいのかはわかりません。

色々な物語を読んできて、その中にはいじめに関するものもありました。

中には、先生に、親に、助けてっていっても無視されるような登場人物もいました。それは、物語の中だけでなく現実で起きていることかもしれない。

 周りの大人に助けを求めたくても、「あと少し我慢すれば、あと少しで終わるかもしれないから」「今言ったら関係ない人とかにも迷惑がかかるかもしれないから」。そんな、方向性の違う気遣いや小さな希望を信じて、周りの人に言う、といったステップを取らない人はいると思います。

 

 でも、絶対に言ったほうが良い。物語の中にも、現実にも、面倒臭いことを嫌う先生とか、親とかは確かにいるかもしれない。

でも、絶対に学校の中には、周りには、誰か一人わかってくれる人がいます。その人が動いてくれるかもしれない。話を聞いてもらうだけでも、かなりの助けになると思います。だから、後から「あの期間は、何も楽しくなかったな」と思い返す期間を短くするためにも、言うきっかけなんか無くて良いから、「助けて」って言ったほうが良いです。

 もし、を気にして行動を取らないと、後から自分だけで無く周りの人が公開することになるかもしれません。

 

 

まとめ;挿絵も綺麗、オススメです!

 と言うことで、相沢沙呼さんの『教室に並んだ背表紙』を読んだ感想を書いてきました。内容は、少し重めかもしれませんが、読んでいてやめたくないほどには楽しいです。

 それに、表紙とか挿絵が好きでした。幻想的な表紙から始まって、それぞれの挿絵がうまく本の内容とマッチしている。

挿絵の雰囲気も、本を作る重要な1場面なんだろうな、と思います。

挿絵をよく見たら、もしかしたら登場人物同士の繋がりが垣間見えるかもしれません!

 

 しおり先生の言葉、それぞれの主人公の葛藤、色々と読んでいて心にしみる作品でした。ぜひ、読んでもらいたいです。

特に何かに悩んでいる生徒の方々や、学生の頃にそう言った悩みを抱えていた大人の方達にも、刺さる本じゃないかな〜と思っています。

 読んだ後は、

「そうしてわたしたちは、多分、ちょっとずつ大人になっていく」の末文の通り、希望を描けるような気持ちになっていけました。

 

 最後までお読みくださりありがとうございました。…苦手なブクレポの割には、スラスラ書けた気がしますが、どうでしょう。少しでも読みたいと思ってくださったら、本望です。他にも短編連作の本を偶然勧められて読んだので、また感想を書いていきます!