うぐいすの音

17歳の女子が運営しているブログ。本のレビューなどしていきます。

重松清『きみの友だち』読みました!

 こんにちは。昨日、無事にV6の53番目のシングル、『僕らはまだ』を購入しました!正直、正規でシングルを買うのってこれが初めてなんですよね(アルバムは一回だけありました)。私は割とBOOK-OFFが好きなので、中古でCDを買うことはありますが、しかも発売日に買うって言うのは初めての経験です。

 完璧自分用にCDを買うって言うのも多分初めての経験なので、ちょっとドキドキしました!私は初回盤Bを買ったのですが、特典としてDVDが入っています。特典って長さが1時間以上あるんですね!!!本当にびっくりです!嬉しい!!!いや〜こんなに長い間V6が見れるなんて幸せですね…

 実は、まだ途中までしか見ていないんですが、今日中に時間を作ってしっかり見ます!多分そのあとに見返します!

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目次



本の紹介、なんでこの本を読んだの?

 さて、前書きの部分がちょっと長くなってしまいましたね…(笑)これからも時々こう言う部分が出てくるかもしれません。

 今回は、またブクレポを書いていきます!

前回、連作短編の『教室に並んだ背表紙』の感想を書いてきました。こちらは、相沢沙呼さんの作品です。

 

chirpspring.hatenablog.com

 

 その作品を読んだ日に、父親に「なんかおすすめの小説ない〜?」って聞いて、そうして勧められたのが重松清さんの「きみの友だち」でした。

 

 

実は、これも連作短編なんですよね。

連作短編とは、文字通り短編集なんですが、少し普通のものとは異なるんです。

短編集全体を通じて、作品全体が何らかのつながりを持っているため、連作短編集と言われます。

 

 重松清さんは、数回読んだことがるのですが、あまり好きではありませんでした。中学生になってから何回か読んで、結局少し苦手意識を持っていた作家さんの一人です。特に森絵都さんとかあさのあつこさんとか、いわゆる有名な作家さんって最初は苦手意識を持っちゃうんですよね。勇気出して読んだら、たいてい好きになります(笑)

 結論から言うと、「食わず嫌いはいけないね」って話です。

『きみの友だち』、すごい考えさせられる話でした!

 

『きみの友だち』 内容紹介!あらすじなど

 「きみの友だち」は、全部で10の短編からなっています。

全ての短編に共通するのが、最初の物語に出てきた恵美さん

恵美さんは、クラスの中でも友達が多かったのですが、友だちに傘を譲ったいざこざから偶然交通事故にあってしまい、松葉杖の生活に。その入院中に友だちに当り散らしたことで友達を失ってしまいます。

これをきっかけに、恵美は友達を作ろうとせず、ずっと一人で過ごすようになります。

 

 ですが、クラスでの縄跳びで、外れものにされている恵美と、由香と言う子とで縄を回すことになり、その練習などを通して二人は飾らないでいれる友達として仲良くなります。

 

 その後の話は、9つあり、全てに恵美たちが関わって、何らかの変化を与えます。

  • あいあい傘…恵美と由香との出会いの話
  • ねじれの位置…「ブンちゃん」と「モトくん」の話
  • ふらふら…八方美人の堀田さんの話
  • ぐりこ…「ブン」と「モト」の友だちの三好くんの話
  • にゃんこの目…友達が何かで悩むハナの話
  • 別れの曲…かっこ悪いスネ夫の佐藤くんの話
  • 千羽鶴…「みんな」を気にしている西村さんの話
  • かげふみ…置いていかれたくないモトの話
  • 花いちもんめ…由香が好きな恵美の話
  • きみの友だち…恵美が幸せになる話

これらの10の話が、400ページ超の本の中に詰まっています。

 

 私たちは、たいていそれぞれの小説の主人公の立場で「きみ」と呼ばれながら物語が進んでいきます。語り手が誰なのかは最後の最後に分かれます。

「ああ、そういった仕組みの本になっているんだ、なるほどな〜」と面白かったです。ぜひ、読んでみてください。

 

友達ってなんだろう

 本を読んで、一番みなさんが考えるのは「友達って何だろう」と言うことなんじゃないでしょうか。虎の意をかることなのか、空気に乗ることなのか。

もちろん、いろいろな本を読んだり話を聞いたりすることで、「本当の友達が大事」とか、「友達100人よりも親友1人」とか、そう言う価値観を持っている人は多いと思います。

私は、少なくとも友だちに恵まれてきたし、胸を張ってこの人は大事な親友だ、と言える人がいます。それでも、できるだけ社交的になりたいとは思うし、友達が少ないよりは多いほうがいいです。

 この本で描いてるのは、確かに綺麗なことで、友達って何だろう、と思わせる。

でも、実際学校生活とかを送っていると、

友達って何だろう、と考えないでも幸せでいられるような、

そういった現状もあるんだと思います。

 

 こうやって、「友達とは」とか考えるのは大変だし、時には自分で自分を傷つけることもあります。それに、「数人の友達で十分」と言っても、結局はいろんな人と関わることだって普通にあります。

 

それって考えなきゃいけないこと?自分が楽しければよくない?

 この本だけの感想ではありませんし、何回か思うことですが、「数人の友達で十分」ということを強調されすぎると、

「別にいろんな人と仲良くしても良くない?」って反発したくなることがあるんですよね。

 

これは私の性格だと思いますし、

実際「数人の友達で十分」は「いっぱいの友達と過ごすのは悪い」とは全く違う言葉です。

それがわかっている上で、もう一度「いっぱい友達がいてもいい」と強調したいです。

 

 友達の中にも、色々な話題について話す子もいれば、授業中にしか話さない子もいるし、こっちが友達と思っているだけで相手は思っていない、という友達ももしかしたらいるかもしれない。

でも、それで結局自分が幸せならいいんじゃないかな、と思います。自分が辛くなるなら、それをやめればいい。八方美人でいることは、自分は疲れるけど、時々は大人になっても役に立ちます。

 どうしても、物語の登場人物は物語の登場人物だ、って思っちゃうんですよね。

でも、これは結局私が恵まれていたことの裏返しなんだろうな〜とも。

私が恵まれていたから、本の中の内容に少し疑問を抱いてしまう。

最初読んだときは、すごい感動したんですが、その後もう一回、、と読んでいくと、どうしても入り込むのが難しかったんです。

 

改心しすぎない登場人物、人と人とをつなげる存在

 こういった言い方だと、勘違いさせてしまうかもしれませんが、決して面白くなかったわけではありません。いろいろ考えますし、読んでいて感動した部分も多くありました。ラストでも、全てがハッピーエンドなわけではないところがとても好きでした。

 

 勧善懲悪というか、それまでに出てきた悪いところが全て良くなって終わるのって、私の中では少し気持ち悪いんですよね。

だから、虚栄心が強くて格好悪いサブキャラが最後に他の人を立てて、格好良くなっていると少し気持ち悪い。

別に数人がそうなっているのはいいんですが、全員が全員改心して終わるのって出来過ぎ感が強すぎて…

 でも、この本では格好悪い人はそのまま格好悪く終わっていたので、そこが読んでいて好きでした。

 

それに、全く縁のなかった人たちを、主人公が繋いでいくのもとても綺麗だなと思いました。

何か好きなものがある時は本当にそうだと思いますが、全然面識のない人でも同じ話題があるだけで人と人とのコミュニティって出来上がりますよね。

それこそハリポタやジャニーズでもそうだし、それは色々な人が感じたことがあると思います。そういった、人と人とをつなぐ存在になれたらどんなにか気持ちいいだろう、と思いました。

もちろんそんな簡単になれるとは思っていないし、難しいことだと思います。でも、意外と自分を貫き通していれば、そういったパイプになれるのかもしれません。

人の悪口を言って繋がるのは簡単ですが、そんな汚いことをせずに、友達などのいいところを話すことで、知らない人とも会話が盛り上がると、会話に上がっているその友達も嬉しいのかもしれないです。(語彙力がない…、分かりにくかったらすいません)

 

 

大事なのは「みんな」?「自分」?それとも両方?

 他にも「みんな」という言葉がこの物語では多用されています。

「みんな」を大事にすることも、もちろん大切です。何かの目的のために「みんな」を優先することもあれば、ただただ空気を壊したくないから「みんな」を優先することもあります。

 ただ、「みんな」を優先しすぎると何らかの弊害が出てきます。それは、本書を読めばよくわかると思います。

自分の意見を出すことって、色々なところで大事だって言われてますが、その通りだと思います。でも、出しすぎるとそれも良くないというのが本当に難しいところですね。

何もかも自分の思う通りにやると、本当に孤立しちゃいます。

何かあったら周りの人に頼れる、ぐらいの人間関係は築いておきたいので、私はできるだけ「自分」と「みんな」のバランスに気をつけるようにしていました。

 

 「みんな」に流されすぎると、本書からもわかる通り「信頼できる本当の友達」はできにくいかもしれません。

自分で書いておいて、「本当の友達」ってなんか嫌な言葉なんですが…。嘘の友達って、相手にめっちゃ失礼じゃないですか?でも代わりの表現がすぐに出てこないので、このままでいきます!

 

だからと言って「自分」を出しすぎると、現実世界では嫌われやすい。

本書に書かれているような関係性の友達なんて、稀にできるものだと思います。長い人生の中で数人いたらいいね、というレベル。

だから、まずは自分でそのバランスを見つけながら「みんな」と仲良く付き合っていくのが大事なのかもしれません。

そうしながら「自分」も出していけば、いい関係性も気づけるのではないでしょうか。

 

 

まとめ:自分で考えるきっかけになる本です

 …なんか支離滅裂になっていますね。なんて書けばいいのかわからない〜!!

本を読むと、初読は感動したし、ラストもフィナーレ!って感じで華やかな終わり方だったんです。

でも、もう一回読むと、日常を描いているようでいてどこか入り込めない、物語の中の話のように読めました。実際物語の中の話なのですが、そこのちぐはぐ感が引っかかったんだと思います。共感できるところは多いんですが、一部一部にしかならないというか。

でも、こうやって自分で考えるきっかけになる本、と思えばとてもいい本です。

 

 これは一つの意見なので、ぜひ本書を読んで確認してみてください。

人間関係に悩んでいる方や、学生の方などは読んでいて共感できるところも多いと思います。

私は少し否定的な意見になってしまったかもしれないですが、

本自体は読んでいてとても楽しかったです!

 

 最後までお読みくださりありがとうございました。あまり魅力的に見えるブクレポにならなかったかもしれない…   でも本当に面白いんですよ!!重松清、これからも数冊は読んでいきたいですし、連作短編集も色々探していきたいです!