こんにちは!お久しぶりです、うぐいすです。
この夏から高校三年生になり、色々と手が回らずにブログも長い間サボってしまいました。こんなブログでも、まだまだみてくださる方々がいることに驚きつつ、本当にありがたいな〜と感謝している毎日です。このブログを見たと話しかけてきてくれた同じ学校の人たちも、ありがとうございます!
あさま寄席
今日は、ささっと落語に関する記事を書いていきます。
この頃3年生らしく、さまざまな課題に手も頭も追いつかない状態なのですが、そんな中でも落語会が学校の近くで開かれるとなったら行くしかありません…!というか、単なる勉強からの敵前逃亡です。やることを後回しにしているのと同じ状態でも、落語会なら行くしかない!と落語を見てきました!
そして、この高揚感とともに勉強を始めようとパソコンを開いたら落語の動画を見るだけで終わってしまいそうなので、ここはブログを書こうと思い立った次第です。
私のいる学校はUWC ISAK Japanという軽井沢に位置する全寮制の高校なのですが、今回落語会が開かれたのはそのお隣の町、御代田というところでした。
今までも毎年「あさま寄席」と称して落語会を年に2回開いていたとか。基本平日開催なのですが、開催場所「エコールみよた」の開館20周年を祝して今回に限り土日開催となり、私も足を運ぶことができました。
同じく落語好きの家族と連れ立って久しぶりに寄席に行ったのですが、満足したのなんの…!!多分、最後にしっかりと落語を見に行ったのは東京にまだ住んでいた時。もう5年ほど前だと思います。それ以降は東京に行く機会があってもなかなか何時間もかかる寄席に行くことはできず、YouTubeで泣く泣く我慢するのみ。好きという気持ちは募りつつも、実際に寄席にはいけないため、アップロードされている真打披露口上をみあさるという変な状態になっていました。
今回のあさま寄席は、真打が2名、前座が1名、そして色物(コマ回しや紙切りなどの見て楽しむ芸)が1名、計5名で、およそ3時間弱演じるというかなりたっぷりとした落語会。今まで寄席はよく行っていたものの、落語会には年に一回行くか行かないかというレベルだったので、予想していた以上の充実度に驚きました。
出てきた噺家さんたちも本当に有名な方ばかり。二席かけた9代目春風亭柳枝さんに、落語協会会長の柳亭市馬さん。色物は曲ごまの三増紋之助さんで、前座は柳亭市馬さんの十番弟子、柳亭市遼さんでした。
最初は、柳亭市馬の名前に惹かれて「行くしかない!」と決めたのですが、どの方も本当に聞いていて楽しく、長丁場でも飽きることのない落語会でした。
まずは前座、柳亭市遼さんの牛ほめから始まり、柳枝さんの棒鱈。そして市馬さんの粗忽の釘。中入りを挟んで紋之助さんの曲独楽。最後に柳枝さんの浜野矩随で終わりとなりました。
一つ一つ、ちょっとずつ感想を書いていこうと思います。
牛ほめ
久しぶりの落語ということもあり、ちょっと緊張しながら聴きました。よく前座さんが口座にかける与太郎話ですが、とても面白かったです。上から目線のようですし、もともと前座さんが修行中の方々だという先入観もあるのだとは思いますが、前座さんの噺を聞いていると、時々「あれ?」と思うところだったり、いまいち乗り切れないところが出てくることも。ですが、市遼さんの牛ほめはとても滑らかで、話もすっと入ってきて、軽やかで楽しかったです。
ちょっと頭の弱い与太郎が、近所のおじさんの家を褒めてお小遣いをもらおうとする話。オチもわかりやすく、笑えるポイントも多い落語です。
(噺家さんは違いますが、参考として動画を載せていきます!)
棒鱈
棒鱈は、二人の町人が主人公。座敷で酒を飲んでいると、隣の座敷から田舎侍がはしゃいでいる様子がよく聞こえてきます。町人のうちの一人が悪い酒癖を持っており、その田舎侍に突っかかって行くところから始まる話です。
この落語は、私自身はあまり口座で聞いたことはなく、柳枝さんの噺も始めてだったもので、本当に新鮮な気持ちで聴いていました。後で調べたところによると、8代目柳枝の得意とするネタだったそうです。
噺はもちろん面白いのですが、それ以上にマクラ(噺の前に挟む、落語家のちょっとした日常の話など。アイスブレイクのようなもの)がどんどん噺と絡み合って行く様が、まるでミステリ小説の伏線を見つけて行くようで楽しかったです。
マクラの中で、東京にある四つの寄席の客層に関して話していたのですが、池袋演芸場に関しては「地下にあるものですから知っている人しかあそこには行かない」と。私の家族は、東京に住んでいた時は池袋によく行っていたので、確かに他の寄席よりは人が入りにくいかも…と笑ってしまいました。
粗忽の釘
その次が、柳亭市馬の落語でした。
市馬師匠は、落語協会の会長ということもありいろいろなところで顔を見ます。例えばコロナの最中に寄席への寄付をお願いしたのも市馬さんと春風亭昇太さんでしたし、落語協会のtwitterを見ていても何度も出てきます。
名前を聞けばすぐに顔が出てくるにも関わらず、今まで噺を聴いたことは一度もありませんでした。どんな噺をする人なんだろうと思いながら見ていると、最初は相撲の話から。どうやら相撲の大ファンのようで、よく通るいい声で行司の真似をしたり、場内アナウンスの真似をしたり。あさま寄席は、相撲甚句(七五調の囃子歌)を披露してくださいました。鶴と亀の笑える小話を聞き、今日はこれで終わりかな〜なんて思っていたら、そこから羽織をぬぎ出したのでちょっとびっくり。結局、粗忽の釘という古典落語の名作をかけてくださいました。
粗忽者の大工が釘を間違えてお隣さんの家まで打ってしまった噺です。演者の方によって少しずつ演じ方が変わる作品ですが、お得意の歌を多用した楽しい噺になっていました。とてもすっきりとしていて、歌も聴いていて楽しく、どこか上品な雰囲気もある噺でした。なんとな〜く、歌丸さんの落語も思い出したかも。
曲独楽
三増紋之助さんは、名前を見た時は誰だろう??という感じだったのですが、お顔を見たときに「見たことある!」と思い出しました。多分池袋で何回か拝見したことがある方で、芸もとても楽しかったです。
地方寄席、もしくは落語会だからなのかもしれないですが、観客の方を舞台上に呼び寄せ、手拍子も含めてみんなが一体になって楽しめるような時間でした。
コマを回す技術、いつ見てもどうやってるのか疑問です…。また、合間合間に入るトークも面白かったです。
最後には棒の上でコマを風車のように回す技を客席を回りながらやってくださり、周りの人もみんな笑顔で終わるような芸でした!スポットライトの光やマスク(観客を舞台に上げた時から念のためと紋之助さんのみマスクをしていました)もあって、かなり暑そうだったので次回からは空調を工夫してもらいたいかも…と思ったり(笑)。
浜野矩随
トリを飾ったのは柳枝師匠の「浜野矩随」です。
この噺は、腕の悪い彫り師が成長して行く人情噺です。それまでずっと滑稽話が続いていたので、最後は人情噺かな〜と思っていましたが、やはりガラッと雰囲気が変わりました。
色物の後ということもあり、かなり客席もざわついていたのですが、そこはやはり腕の見せ所なのでしょうか。マクラの中で笑いをとりつつ少しずつ静けさを加えて行って、段々と場を支配して行くかのような印象を受けました。
そして噺が始まり、彫り師が怒られるシーンに来ると、もう客席もシーンと静まり返って耳を傾けていました。この噺自体は久しぶりに聞いたのですが、噺によってこれほど落語家さんの印象って変わるんだ…と節々で思いました。その前の棒鱈という噺が勢いの良い笑いの多い噺なものですから、緊迫したシーンがずっと続くと「あれ、笑いはどこいった?」と思わず感じてしまいました。
改めてではありますが、落語家さんってすごいな〜と思います。水を飲むシーンや、観音様を見るシーン。全てが実際にその場面を見ているようで、どんどん高座しかみえなくなるような感覚になりました。
終わりに
ということで、ざざっと今日の印象を書いてきました。
そろそろ流石に勉強に戻らなければいけないのでここら辺で終わらせますが、本当に落語を見れてよかったです。
読書、音楽など好きなものはいっぱいありますが、思ったより落語の存在って私の中で大きいんだな、と再確認。時々落語ブームが再燃するのですが、その度に落語家になってみたらどうなるんだろうな〜と思います。実際に落語家になるような覚悟はありませんが、これからもどんどん落語に親しんでいきたいです。長野にいるとどうしても限界がありますが、これからは休みを活用して東京に行ったときには落語を見たいです!
こんな素敵な文化に引き合わせてくれた、親や祖父母に感謝感謝…!!そして、あさま寄席を開いてくれた関係者の皆様や、出演してくださった4名の方々、本当にありがとうございました!!
最後までお読みくださりありがとうございます。駆け足にはなってしまいましたが、ざざっと今日の振り返りをしてきました。本当に落語って面白いんです。まだ見たことのない皆様、ぜひお時間あるときに見て行ってください!
出演者の方々
柳亭市遼:柳亭 市遼|一般社団法人 落語協会