うぐいすの音

17歳の女子が運営しているブログ。本のレビューなどしていきます。

軽井沢ブックフェスティバル2023 レポート1日目!!

 こんにちは、うぐいすです!

今日は、参加したブックフェスティバルの感想をサラッと書いていきます!

 



9/23から24日にかけて開かれているのが、軽井沢ブックフェスティバルという本のお祭りです。私は実行委員として、このイベントに参加しています。今日は、1日目(23日)が終わった後の感想をサラッと書いていきたいと思います!

 

セッションの感想

 

今日は、二つのセッションで主に構成されていました。午後2時45分から4時15分までのセッション、そして5時から6時半までのセッションです。

一つ目のセッションは、本の案内人を5名招いて、それぞれが「こんな本が読みたい」という問いに対して即興で答えていく、本のソムリエのショート版のようなもの。みなさん著名な方ばかりで、どんどん積読本が溜まっていってしまう、そんな2時間でした。「全然小説を読んでいなくて…」と自己紹介の時に言っていた方でも、小説の話に普通に加わって「確かにあれは〜」なんて言っているところを見ると、「読書通」という平凡な言葉に収まらない、すごい知識量が裏には隠されているんだろうな、と感じました。また、色々な質問(「個性を出すこととQOLの関連性に関する本」など)がある中で、そのリクエストを噛み砕いておすすめの本を考えるまでのプロセスを読書案内人の方がた自身が解説してくださるので、案内人の方々がどういうふうに質問を捉えたのかを垣間見るのも面白かったです。

 

二つ目のセッションは、「一人出版社」の方々三人を登壇者、そしてブック・コーディネーター内沼晋太郎さんを司会者として始まりました。1人出版社を作るまでの道のりや、どのように出版までこぎつけたか、どういった本を出版したいか、未来はどうなっているか、そして、出版社を開くときの予算は…などの大きな話からちょっと生々しい話までかなり充実した内容となりました。個人的には、「一人出版社」の方々の本を意識して読むことが今まで全くなかったため、あたらしい世界に出会ったような感覚で聞いていました。本が好きだと自分でも思っていたので、まだまだ全然本に関して知らないんだなと思うと、楽しくなります。シリーズや作家で読むことはあっても、出版社で読む、編集者で読むということは今まで意識してきませんでした。これから読書の視点を変えるために、意識していきたいところです…!

 

AIがどんどん進化してきて、芸術はどこにいくのか。そう言った話を人としたことがあります。AIが描いた絵と人間が描いた絵が区別できなくなってきている今、人間の作品を価値づけるものはその作品の背後にあるストーリー性になってくる。そうした結論になりました。

出版社も、本がどんどん電子化してきて、AIが書いた作品がネット上では出てきて。そんな中で本の価値も、これからはそうしたストーリーが重視されていくのではないでしょうか。1人出版社が今増えていて、そのコミュニティができてきているのは、そのストーリーを重視する流れの一環なのかな…。そう感じました。

もちろん、それだけではないでしょうし、どんどん1人出版社の業界も変化してきているといいます。本当に無知な分野だったからこそ、受けた印象は大きかったですし、もっと詳しく知ってからこの話を聞けば、この話の価値に気づけたんだろうな、と残念でもあります。

 

どちらのセッションも合わせて、自分が無知だからこそこの価値に今気づけていないのでは、と思う瞬間が多すぎました。そういう意味でも、もちろん直接のセッションの内容からも、色々な学びを得ることができたな、と思います。

 

夜の時間

第二のセッションの後、本当は同じく実行委員の父親とともに帰る(私は寮に送ってもらう)つもりだったのですが、何やら美味しそうなご飯があるとか…。しかももう時間も遅かったので、夜ご飯をそこで食べながら、もう少し長居することにしました。

 

夜ご飯はカレーライスで、とろっとろのオムレツもつけることができます。スープもあったのですが、残念ながら私のスープには虫が入ってしまい…。

ですが、「読書推進プログラム」をサービスとして実際にいくつもの学校で提供しているNPO法人の方とお話ししながらご飯を食べることができ、どう言った活動をしているのか、何がその意図としてあるのかなどをお聞きできました。

自分も興味のある領域ですし、自分が知らないだけでいろんなことがいろいろな場所で起こっていることを実感。

 

その後は、焚き火を囲みながら残っていたメンバーで絵本の読み聞かせ。朗読をしてくださる方と、ライアーという楽器を弾いている方のコラボセッションというなんとも贅沢な時間でした。

(贅沢と言えば、夕ご飯も東京オリパラ閉会式でピアノを弾いた西川悟平さんの演奏が流れている中という、最高に贅沢な空間でした。)

 

焚き火、朗読、楽器。

このコラボレーションは、語る言葉がないほど、グッとくるものがあり、終わった後には言いようのない充実感が場に満ち溢れていました。

私が混ざった時に、ちょうど「ハルばあちゃんの手」を読み始め、その後「手から手へ」、そして「いのちの海」で終わりとなりました。絵本を読み聞かせしてもらうという経験自体、何年振りかわかりません…。それが、ライアーというより深く、余韻をもたらしてくれる楽器と合わさり、しかもそこにパチパチという炎の爆ぜる音が混ざり込み。静けさの中には微かな風の音や、あちこちで木の擦れる音がなり…。

 

もう時間もおそい(寝る直前にこのブログを描いてます)ので、思ったことを乱雑にまとめます。

 

私は、「花もて語れ」という漫画を読んでから朗読に興味がありました。YouTubeでも朗読を聞いたりしていましたが、実際に対面で聞いたことはほとんどありません。そんな中で朗読に対して持っていた印象が、「個人の解釈」だということ。本、もしくは絵本は、その文字や挿絵、そして装丁を含めた一冊の本が、作者の届けたいものです。視覚と触覚を超えたものは、全てその作者の意図とは別に、届ける人(この場合なら朗読者)の解釈が入り込んできます。

 

chirpspring.hatenablog.com

 

もちろんその良さもありますが、作品そのものを味わうという目的なら、私は朗読を聞く-特に一つの作品で1人のみの朗読を聞く-ことをしようとは思いません。なぜなら、その人の解釈に自分が入り込んで、それ以上のもの、もしくは自分の解釈/感想を持てなくなる気がしてしまうからです。

ですが、だからこそ「この人の読み方は本当に心に入ってくる」と思う人や、「この読み方は今までの私の作品に対する感想を変えた!」という経験が生まれ、朗読を聞くことが楽しくなります。

 

その上で、今回の朗読x音楽は私にとって画期的な体験でした。

朗読は作品に対する1人の解釈の表れですが、ライアーの音色も、ライアー演奏者の解釈の表れです。その2人の作品に対する世界が広がり、交差したものが、聴き手の世界に入り込んできます。そして、その聴き手も作品に対する解釈を同時進行で作り上げており、結果的に3つの世界が生まれます。その中にところどころ火の音や自然の音が聞こえてきます。

自然の音は、作品に対する解釈とはまた違う要因です。でも、その音がより自分たちの思考を深めてくれる気がします。

うまく言葉で言い表せませんが、この感覚を父親は「物語の三重奏、四重奏」と表していました。本当にその通りだな、と思います。その物語が、いろいろな形で自分の中に入り込んできて、それが自分の中で一つになって、さらに新しい何かになる。

感覚的ですが、あの1時間があればもう十分に満足というほどの経験でした。自分が朗読を生で聴いたのがほとんど初めてに近いということもその原因なのでしょうが、楽しかったです。

 

あの空間の中で、

本をめくる音、

炎がパンっと激しくぶつかり合う音

周りの人のため息の音

どこかで焚き火のために木を折っている音

衣擦れの音

楽器を床に置く音、

表紙と裏表紙、

物語が始まる前の余白のページ、

朗読者のネイルの色

参加者の赤ちゃんの眠そうな目

上を向いた時の、曇りの夜空

揺れる炎

装丁の感触

風が指の間を通り過ぎる瞬間

本を閉じた時の指にかかる重さ

 

いろいろな要素が積み重なって、本当に素敵な時間でした。

参加できてよかったです。

 

 

帰りの車中で

そうしたことを話しながらかえる車中。

同じく運営メンバーの人と少し話したことを、父親にも共有していました。

それが、夢物語のような理想。

本の博物館をいつか作りたいです。

「バベルの図書館」という、ボルヘスの短編をテーマにしたフエギアの香水があります。他にも、図書館をテーマにした香水はいくつかあります。それは匂いを通して本を感じるという行為です。

他にも、触覚、味覚、視覚、聴覚。五感を使って本を味わい、それを自分の本に対する第六感につなげていく。

そんな場所を作りたいです。本を一人一人が味わう、本を通じて人がつながる、本の良さに改めて気づく。そんな場所があれば、夢のようだな、と。

 

小二の時の私の夢は、本のホテルを作ることでした。

6階建ての、本のホテル。本がなんでも読めて、そこに泊まれて、本が好きな人がホテルで働いていて。お姫様のような部屋もあれば、メアリーポピンズのような大人な、でも遊び心のある女性の部屋もあれば、いろいろな部屋があるホテル。

白紙にホテルの絵を描いて、家の前の通りで親に話していたことをいまだに覚えています。

 

そう考えると、私の中の好きなものは変わっていないんだな、と。

ここでは今書き表せないような、なんとも言えない大きなものを感じた1日でした。

本が好きなことを久しぶりに実感しました。

私は本が好きだし、本に助けられてきたし、本に変えられてきたと思います。それはこれからも変わらないことで、これからも変えたくないことです。

読む傾向はどんどん変わっていますし、読む時間はどんどんなくなっています。それでも、こうした、本に対する自分の夢は忘れたくないですし、できれば、できれば実現させたいです。

 

本の博物館。作りたい人がいたら、一緒に作りましょう。

西川悟平さんがおっしゃっていました。自分が言ったことは、いつか必ず実現すると。だから言葉にしていきます。本の博物館、本を届ける、知識を届ける、知が集まる場所を作る。そんなことをしていきたいです。

 

最後までお読みくださりありがとうございました。明日も二日目で朝が早いのに、遅くまで起きちゃって…。でも、今日しか書けないことがある気がしたので今日書きました。明日親の送迎までに起きれなかったら、お父さん、ごめんなさい!それでは、明日の感想はまた後日書いていきます。ブックフェスティバル、楽しんできます!

(後日写真も追加していきます!)

 

 

追記:二日目の感想!

chirpspring.hatenablog.com