こんにちは。昨日、遅くまで起きて頑張って歴史の勉強をしていました!春からやっている歴史のまとめですが、あと少しで終わるので、早く終わらせたいです!意外とこの頃忙しくなってきてるので、時間の使い方を考えていかなきゃです。
今回は、先日美術館に行ったので、その内容を書いていきます。
目次
美術館について、どういった展覧会?
行った美術館は、長野県南佐久郡の小海町にある小海高原美術館です。車で行ったのですが、近くには「高原のパン屋さん」など、高原ならではの飲食店等もあり、とても美味しそうでした。
私が行った時は、私たち以外に2,3組ほどしかいなくて、一つのコーナーには私たちのみ〜といった感じだったので、お近くに住んでいる方は行ってみてください!
今小海高原美術館で行っている展覧会は、「もうひとつの風景 〜Another Scenery〜」です。レストランなども併設されていて、一般500円、高校生以下無料となっています。4/10~6/6の期間で展示されています。
展覧会で展示されている作品は二種類あって、それぞれアニメーションと写真です。
3人の作品が飾られていて、写真家の広川泰士さんと小林紀晴さん、そして、「君の名は。」等で有名な新海誠さんです。
新海誠さんは小海町出身で、小海中学校に在籍していました。小海中学校の生徒の方々に向けた直筆のポストカードもあり、同じ長野県に住んでいたと知って少し嬉しかったです(笑)
館内は割とコンパクトにまとまっていますが、展示されている写真は余裕を持って展示されていて、見ごたえは抜群でした。
小林紀晴さん:文章の持つ力
一番最初に展示されていたのは、小林紀晴さんの作品でした。
私は、文章を読むのは好きですが、写真の展覧会に行ったことはほとんどありません。その私が、この展覧会で一番圧倒されたのはこの方の作品だと思います。
写真のみではなく、隣で写真を説明している文章がすごかったです。普通、写真とか絵が展示されている隣には [作者、作成期間、簡単な説明など] が書いてあります。
この方の作品には、説明とは言えない文章がついていました。
説明ではなく、その写真が撮られた時の感覚や、それにまつわるエピソード、あるいはその期間に起こったことなどが書いてあるのですが、ただ文章を見るだけでも面白かったです。
今まで、展示物の横についている説明欄は、展示物を補強するもの、という風に考えていました。が、この説明欄は全く違うと思います。展示物と、文章で、ひとつの作品になるような感覚でした。
もちろん写真自体もとても見応えがあります。
暗闇の中での写真も多く展示されていたのですが、暗い中でどうやったらあれだけ綺麗にピントを合わせられるんだろう、どうやって一瞬を切り取るんだろう、そう考えながらずっとみていました。
真っ暗な中に浮かび上がる滝や、躍動感のある女性。でも、暗闇の中の写真ばかりではなく、ライトを中心に添えた写真もあれば真っ青な青空の中で行われる祭りの一瞬を切り取った写真もあります。
襖(ふすま)の間で寝そべる男性を撮った写真もありました。よく見る襖は、白に近い色の紙が貼られていて、縁は黒くなっていますよね。襖の間を中心にしているので、その黒い縁と(反対側の襖の)黒い縁の間に男性がいます。
手前側にある襖も奥の襖も、どちらもぼやけているのに、黒い縁をちょうど境目に、男性はくっきりピントが合っているんです。
この写真は、どうやったら取れるのか本当に不思議でした。確かに、被写体が寝そべっているんですから、あまり動きはないかもしれません。一瞬で撮る必要もないかもしれません。でも、ちょうど襖の境目からピントを合わせて撮るという技術にびっくりしました。
広川泰士さん:壊しては創る姿
その次に展示されていたのは、同じく写真家の広川泰士さんです。この展覧会では、テーマとして「壊しては創る姿」が掲げられていました。
人間が宿命的に繰り返す破壊と創造の営みに惹きつけられてきた広川泰士の自然との人間に対する世界観を感じていただきたい。 (美術館の、人物説明欄より)
その言葉通り、写真は高速道路の建設やお寺をぐるっと囲む高層ビルを撮っているかと思えば、まるで地層の褶曲(しゅう曲の「しゅう」がこの漢字だって初めて知りました…)かのように折れ曲がった高速道路や、人間が昔作った道が自然にのみ込まれようとしている様子を撮ったりもしていました。
ここで小林紀晴さんの展覧会との違いをいくつか。
まず広川泰士さんの写真にはほとんど説明がありません。撮られた場所と、日付が書いてあるのみです。
…これが普通なんでしょうが、小林紀晴さんの写真の説明欄の存在がとても大きかったため、最初は少し違和感がありました。
そして、小林紀晴さんは人物を撮って日常の一瞬を切り取ることもあれば、人物が全くいない写真を撮ることもあります。
それに対して広川さんは、「人間に対する世界観」や、「人間が壊しては作ってきたもの」を撮っているはずなのに、人間が被写体として一回も出てきません。
撮られているのは、絶対に人間の作った建築物か、それを囲む自然のみです。このポイントも、すごく面白かったです。
広川泰士さんの写真で好きなものをいくつか紹介します!
まずは、単純に面白かった写真。
これは、高速道路の建設現場を撮ったものです。丸い柱がドンと立っている姿は、高速道路と言われれば納得しますが、そう言われなかったらまるでどこかの遺跡のようにも思えます…
この写真ではもう道路が作られているので、あまりそういった印象は受けませんが、柱のみたてられている現場を見たら二度見しちゃうと思います。これは、少し面白かった発見です。
そして、先ほどもいった、まるで地層がしゅう曲しているような高速道路の写真がこちら。
母親とも話しましたが、この写真の中に写っている折れた高速道路。これは、人間にとっては大惨事です。とても悲惨な事故でしょう。
ですが、その背景に山が写っていることによって、この曲がった高速道路もあまり違和感なく見えてしまいました。
地層は長い年月をかけてだんだんと盛り上がったりしていって、そこに水の働きが加わって山と谷ができます。
まるで、この高速道路もそうやって変化している最中なんじゃないか、そういった錯覚をこの写真を見て覚えました。
加えて、私が多分一番好きだったのがこの写真です。
港区の風景なのですが、お寺とお墓の周りをどんどん侵食していくかのように高層ビルやマンションが立ち並んでいます。
港区は、ほとんどの標高が10m付近ですから、この右下に写っているお寺の塔は、この地域で一番高い建築物だったのではないでしょうか。
それをじわじわと追い越して、圧倒していった現代建築。この対比が、とても印象深かったです。時代に取り残された場所を描いているようにも見えるし、どこかアンバランスな感じも覚える。うまくは説明できませんが、この写真にはすごく惹きつけられました。
さらに、一番最後に紹介されていたこの写真は、屋久島で撮られた写真です。
この写真、道が途切れていて、その手前に森が広がっているように受け取れます。
母が知人から聞いたことを教えてくれました。
屋久島では昔、観光などのため人口道路がとても増えました。しかし、環境保全のために、いくつかの道路は封鎖され、人が通れないようになっています。そうやって、作られたけど用をなしていない道路は、だんだんと自然に還っていく、ようです。
そう聞くと、この写真はアスファルトを乗り越えて、植物が根を張った風景なのかもしれません。手前を見ると、確かに苔が張っている区切りの手前側にもアスファルトが見えます。一見立ち止まりの道路を撮ったものに見えて、自然の強靭さと、人工物の儚さのようなものが表されているのかも…?
最後に、新海誠さんの作品が展示されています。この展示が、もしかしたら展示会の大目玉なのかもしれませんが、我が家で新海誠作品に興味がある人は残念ながらあまりいないため、群を抜いて面白い、というわけではありませんでした。
すごい面白いというよりかは、「◯年前にもこんな映像ができてたんだ〜!」というような感想になりました。自分が生まれた年よりも前にできているものだったりすると、やっぱり「昔の」作品という気が少しするのですが、今私が見ているものと違いが見受けられず、その点が興味を引きました。
また、アニメの1シーンを切り抜いて、そのシーンのモデルになった場所の写真と比べることもできます。言われてみれば確かにそっくり、といった感じで、アニメの場所にもモデルがあるんだ、ということを改めて知ることができました。
同じ展示ブースには、アニメの背景技術の作成方法なども少し乗っていて、それは読んでいて面白かったし、勉強になりました!
ということで、小海高原美術館の展覧会の感想を書いてきました。
写真をじっくり見るのは久しくなかったので、うまく感想が書けてるかはわかりませんが、ずぶの素人が行ってもこれくらい楽しめる、ってところを見てもらえるとありがたいです!
休日のちょっとしたお出かけに、ちょうどいいと思います。私が行った時は、あまり人が多いわけでもなかったですし、ゆっくりと気兼ねなく楽しめるんじゃないかな、と思います!お近くに住んでいる方は、ぜひ行ってみてください!
近くには展望台もあり、軽いアスレチックもあったので、子供づれでも全然楽しめると思います。展望台の上から見る、八ヶ岳と美術館はとても綺麗でした!
最後までお読みくださりありがとうございます。下に関連サイトなども載せるので、是非ご覧ください。また、今確認してみたら、多分直近で写真を見たのは一年前の「浅間国際フォトフェスティバル」です。ぜひそちらもご覧ください!