こんにちは。今日は日曜日です。明日からの一週間は、いろいろ頑張っていきたいです!
今回は、前回までの続きということで『銃・病原菌・鉄』の感想を書いていきます。
ネタバレなしの感想
第1部、第2部、第3部、それぞれの感想も書いているので、そちらも是非読んでみてください!
目次
- 本の紹介、著者紹介など
- 第15章:オーストラリア大陸からのおさらい
- 第16章:知っているからこそ思う事も色々
- 第17章:複雑な歴史を簡略化した考察が書いてありました
- 第18章、第19章:これまでのまとめと注釈などが書いてます
- まとめ:感想や、反省など
本の紹介、著者紹介など
それでは、第1部の感想から本の概要、著者紹介の部分を抜粋してきます!
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著者はジャレド・ダイアモンドさん。
1937年生まれで、カリフォルニア大学ロサンゼルス校で地理学教授を務めています。様々な分野を研究しており、著書に『文明崩壊』などがあります。
訳者は倉骨彰さん。数理言語学博士で、主要訳書に『インターネットは空っぽの洞窟』などがあります。
本自体は、1997年発刊です。1998年のピュリッツァー賞一般ノンフィクション部門を受賞しており、同年のコスモス国際賞も受賞しています。
歴史の考察本として有名で、文庫にもなっています。副題は『1万3000年に渡る人類史の謎』です。
上下巻合わせて4部構成で、19章+プロローグ+エピローグの構成です。ページ数は、上下巻どちらも300ページ超くらいです。
本書では、「日本語版への序文」の中で、『逆転の人類史』という言葉を持ち出しています。その言葉通り、この本では世界史の中で注目されているヨーロッパに着目しているのではなく、それ以外の東アジアや太平洋領域から人類史を考察しています。
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今回紹介するのは、第4部の内容です。この本は4部構成のため、最後の部となります。章ごとの問いをまとめて、感じたことなどを載せていくつもりです。
第4部は、『世界に横たわる謎』。第15章から第19章までです。
第15章:オーストラリア大陸からのおさらい
第15章は「オーストラリアとニューギニアのミステリー」。
ここでは、
- オーストラリア大陸はなぜ発展しなかったのか
- なぜニューギニアは金属器、文字、主張社会や国家を形成しなかったのか
- なぜインドネシアやニューギニアなどの近隣の国の文化・技術がオーストラリアに伝わらなかったのだろうか
- ヨーロッパ人はなぜニューギニアに定住できなかったか
- ヨーロッパ人はなぜオーストラリアに入植できたか
などの問いに対して答えています。
ニューギニアでは、現生種の栽培化、定住による部族社会としての発展が見られていました。また、文化的な芸術品なども作っていたのです。
でも、ニューギニアやオーストラリアはヨーロッパ人にとっては「後進国」で、植民地の対象でした。
それは、金属器や文字、国家などの政治システムを構築しようとせず、
石器を使い続けるなど技術が発展していなかったからです。
これまでの章で、
(農業を行うと)人口が増える
↓
人口増加により集落が大きくなる
↓
人口増加と余剰作物により国家などの政治システムができる
↓
集団が大きくなったことにより文字、技術が発展する
といった流れを学んできました。
技術、政治が発展していないということは、人口が国家を作るほどに大きくはなかったということです。
それでは、この民族たちは狩猟採集社会だったのでしょうか。
それとも、農耕民だったのでしょうか。
農耕民だとしたら、なぜ人口は増えておらず、技術が他国から流入することもなかったのでしょうか。
こういったことについて、第15章では書いています。
今まで学んできたことをおさらいするため、そして新たな問いに導くために、この章があるような感じがしました。
第16章:知っているからこそ思う事も色々
第16章では、「中国はいかにして中国になったのか」という、ちょっと日本にも関係のありそうな話題が。
中国がどれほど早く発展していたのかは、日本で獣を追って暮らしていた時に三国志のあの世界だったことからも簡単にわかると思います。
中国は、第2部で見てきたように動物の家畜化や植物の栽培化が最も早くに始まった地域の一つです。自分で文字も発明していましたし、交流も幅広くありました。
紙の作り方、火薬の作り方、、色々なことが中国で発明されています。
感染症でも、元をたどれば中国由来のものと言われる病気がいくつかあります。
また、現在人口の多い国では、アメリカに代表されるように様々な人種が共存しています。
中国は、近年になって政治的に作り出されたのではない、
<政治、文化、言語>などの要素において一般的にはまとまっている国とされています。(と、本には書いてあります)
- 中国はどのようにして中国になったのか
- 近隣の国にどういった影響を及ぼしたのか
- どういった言語分布があり、どうやって統一されていったのか
- 中国はどうやって一つの国になったのか
- 東アジアの文化と中国の文化の関係
こういった問いについて書いているのが、第16章です。
この章では、地理的なこともあり日本にも関わることがあったり、なんとなく知っていることが書かれたりしているので、読んでいて面白かったです。
中国がすごい国だ、ということはもちろん知っています。
でも、中国がどのようにして集権国家になったかなどを書いている文章はあまり読んだことがなかったので、少し違った視点を持てたと思います。
書いてあることは全て知っていても、その繋がりをどのようにしてみるかは本の書き方などによっても変わってきます。だから、この本だけで満足しないでもっと色々読んでみたいな、と思いました。
ただ、ネタバレなしの感想を書いた時にもいっていますが、一部納得できない記述がありました。
それが、
日本は、日本語の話し言葉を表すには問題がある中国発祥の文字の使用をいまだに止めようとはしていない
という文章と、そこに関連する部分です。
えーと、中国発祥の文字を使うことのどこに問題があるのでしょう?
全部平仮名の文章にした方がいいということでしょうか。
それとも、ひらがなも漢字から来たものなので「アルファベットにした方がいい」ということを語っているのでしょうか。
この部分は、ちょっとよくわからなかったので明日にでもまた記事にしようと思います。漢字を否定することの意味や、その歴史についていくつか調べました。なので、調べたことををまとめた記事を書いてアップしようと思っています。
ぜひ、興味を持った方はそちらもよんでみてください!
第17章:複雑な歴史を簡略化した考察が書いてありました
第17章では、「太平洋に広がっていった人々」として太平洋周辺の複雑な歴史についてまとめています。
- なぜインドネシア人が中国人に取って代わることはなかったのか
- オーストロネシア人のインドネシアとニューギニアでの侵略の達成度の違いはどこから出てきたのか
- 中国から広がり始めたヒトはどうやってポリネシア人になったのか
などについて書いています。
まず、フィリピンなどの東南アジアから、オーストラリア大陸にかけての人々の共通点を書いています。
そして、その共通点から中国の方からきた民族の行動を推定し、どういった転換があったのかを考えています。
ここで、言語の多様性のなさや、皮膚の色についても考証しています。
また出土した遺跡からこの地に住む人々がどういった面での技術を発展させ、どういった形での交易をしていたのかも考えていました。
実際に著者のジャレド・ダイアモンドさんもこの地に行ったことがあるため、「この文化は今ではない」などの現状から、その原因を考えています。
読んでいて初めて知ることの連続でもありましたし、少し知らない単語が多くて難しい気もしましたが、面白かったです。
特に、住む場所の高度によって侵略できるか否かが変わるというときに、攻めにくい、気候の違い、などの単純な理由のほかにも色々な理由があると知り、それには驚きました。
読んでいると普通のことのように染み込むんですが、後から見返すと「あれ、この知識って普通に初じゃない?」みたいな現象が起こりっぱなしです…!
第18章、第19章:これまでのまとめと注釈などが書いてます
第18章は「旧世界と新世界の遭遇」。
その名前の通り、ヨーロッパ人がアメリカ大陸を征服したことについて書いています。
この章に一貫する問いは、
なぜ南北アメリカ大陸などの新大陸の人々が旧大陸の人々を征服することにならなかったのか
に尽きると思います。
今まで、大陸の東西南北での長さの違いだったり、
「銃・病原菌・鉄」だったり、
政治システムや文化だったりについて学んできましたが、それらの総まとめといっていいと思います。
結局、なぜユーラシア大陸の民族は南北アメリカ大陸に比べて進化が早かったのか。
3つほどの理由によって、それを答えていました。
それらの理由につながる事例なども面白かったのですが、結局はどこに住んでいるのかの差と一言でまとめられる気もします。
もちろん、まだ2回しか読んでいないのでもっと読み込んだらもう少し頭のいい感想になりそうですが、地理的要因の差は十分に読んでいてわかったはず…
そして、19章では「アフリカはいかにして黒人の世界になったか」。
南北アメリカ大陸に比べてヨーロッパに近いため、文化の交流などはあって良さそうです。それでも、なぜ、南北アメリカ大陸とほとんど変わらないような扱いだったのか。
その理由について書いています。
ここは、特にまとめて書くような感じではなく、番外的な感じで書いているので是非読んでみてください!
まとめ:感想や、反省など
ということで、一応ここまでが全ての問いのまとめです。
『サピエンス全史』を読んだ後も思いましたが、こういった歴史の考察本は初めて知る知識が圧倒的に多くなります。
だからこそ、そういった知識を他の本でも得ることがすごく大事になってきます。
どれだけ公平に文章を書こうと思っても、絶対に少しの偏りは出てくるはずです。
偏った意見が悪いというわけではなく、色々な視点から物事を見るのが自分の意見を作るための一番の近道なので、
この『銃・病原菌・鉄』に関しては「地理的要因の大切さ以外の本を読むこと」が大切になってくると思います。
一冊本を読むだけでなく、こういった勉強につながる本だと、本を読んだ後も大事になってくると感じます。
色々探していきたいです!
本には、歴史を学ぶ時に取らなければいけない態度だったり、学者がどういったことをどんな風に研究しているのかがエピローグなどを通じて書いてあります。
そういった部分も、読んでいて楽しかったです。
ちなみに、第2部らへんから、書く内容が変わってきました。
これは、要約を書くのは色々どうなのかということで、結局それぞれの章での問いをまとめた感じになりました。
本自体を読んでいるときに、自分の読んでいることの内容がわからなくなってきたらこれを読む、といった感じが一番いいこの記事の使い方なのでは…?と思ってきています。
昨日の第3部のまとめでは、自分なりに考えたことなどもまとめて意識して書いたので、途中から目的を変えたにしてはまあまあな出来だと思います。
記事のクオリテイを機にするのが一番理想ですが、そうともいっていられない日もあるので、とりあえずは「続けることの大切さ(ただいま連続投稿奮闘中です)」を優先させた結果、この最初と最後で書き方を変えたシリーズとなりました。
読んでいて、「あれ?」と思った部分も多くあったかもしれませんが、とりあえずはこの記事を書くことで色々と考えることもできたので、成長につながったと思います!
という前向きな言葉で締めます!
最後までお読みくださりありがとうございました。終始、一貫しないところもあったので、あまりできのいいシリーズとは言えないのかも。だけど、一部一部は私の中でも学んで大事だと思ったことを書いています。今度書く「漢字が問題あるのか」という記事も、割と自分の中では親に話を聞いたり、調べたので是非読んでいただきたいです!