うぐいすの音

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UWC ISAK Japan -pre IB (G10) の学習内容まとめ

 こんにちは。今日は、私の在籍している学校、UWC ISAK Japanについて書いていこうと思います。

 

 

UWC ISAK Japanとは、UWC系列の学校で、軽井沢にある全寮制のインターナショナルスクールです。高校1年生〜高校3年生(G10~G12)が在籍しており、夏が学年開始の時期です。

 

uwcisak.jp

 

少し前に、私の学校では卒業式が行われました。そして、その後二週間の授業が高校一年生と二年生にはあり、ようやく先日学年を修了したところです。

私のいたハウス(寮)には高校三年生が多かったため、来年からの寮生活がどうなるのか、少し不安ですが…(笑)

 

今回は、ISAKを一年間過ごしてみた感想の一つ目として、学習面について書いていきます。この後、人間関係だったり、その他思ったことについても書いていくつもりです!

 

それでは、今回はそれぞれの教科ごとに感想を書いていきます!

 

また前置きとして、私はISAKでの勉強に賛成するところもあれば、おかしいのではと思うところもあります。よって、少し否定的に取れるような部分があるかもしれません。ですが、これは完全に個人の意見であって、学年40人以上いるうちの一つの意見だと言うことをご承知ください。

 

ISAKのG10には、10個の基本教科と、2個の少し特殊な教科がありました。

 

Japanese~Leading with Othersまでが、G10の基本教科です。

一つずつまとめていきます。

 

Japanese

 

その名の通り、Japaneseは日本語の授業です。基本的に週に2回あります。

3つのクラスに分かれていて、私が在籍していたJapanese 3は、義務教育を日本語で修了した生徒を対象としています。Japanese 1は初めて日本語に触れる人を主な対象に、Japanese 2は日常会話がある程度こなせる人が対象です。

 

この授業では、自分のアイデンティティを知ることを目的に4冊の本(論説文)を扱いました。基本的に授業体系は変わらず、ディスカッションをメインとしています。全員読了後に章ごとにグループを組み、担当の章でグループとしての要約を発表、その後いくつか議題を考え、ディスカッションをするスタイルです。

続けていく中で、それぞれのグループごとにいくつか工夫を加えて行ったり、いつもとは違う流れにしたり、そう言った変化も見られました。ディスカッションと言っても、受験を経てISAKに集まる、しかもJapanese 3に入る生徒たちはバックグラウンドも考え方もある程度似ています。

その中でいかにディスカッションを面白くするか、もしくはいかにディスカッションを避けるか。それぞれの生徒の個性が出ていたと思います。

 

正直、国語の授業として学んだことがあったかと言われるとかなり微妙です。文法も教わりませんし、新しく入ってきた知識も教科書に載っているようなことはほとんどありません。もともと文章を書くことにはある程度慣れているので、作文(期末課題は毎回作文です)でもそこまで指導を受けることは多くありませんでした。

ですが、自分にとって収穫になったこともありました。

記事にしたこともありますが、月一で書かなければいけない読書ノート。今まで書いたことのない形式だったのですが、「書きたくない」と「書けない」は別物です。「書けない」と言いたくはないので、自分の書きたい文章と、そうでない文章を意識しながら文を作っていくようにしました。

 

chirpspring.hatenablog.com

 

自分が書きたいことがその本の構成だったり使われている語彙だったとしても、求められているのはその本の内容に対して純粋に読んでいて思ったこと。文学作品でそれをやるのは、私にとってはかなり大変ですし、読めば読むほど逆に文章の素晴らしさだったり工夫に惹きつけられていきます。

でも、「書けない」ことがなくなるように、意識して求められているものに合わせました。それがうまくいったこともありましたし、読書ノートに限らず、いい意味でも悪い意味でも「合わせる」ことが上手くなったと思います。「合わせる」ことは時にとても簡単ですが、時に難しくなることもあります。

 

また、最後の本を扱っている間に、私が個人的に調べたいこともあり、先生と相談したのち、授業中にディスカッションなどにあまり参加しないでも良いことになりました。もちろんクラスに了解は取りましたが、発言などを含むいくつかのタスクを毎回やることを前提に、自分の調べたいことを自由に調べられるようになったのでその点については嬉しかったです。

どの授業にも通じることですが、通常とは違う授業をやっているのですから、文句が出てもおかしくありません。でも、文句を言う間にできることもあるのかな、と思っています。例えば、先生との交渉とか。

 

English -英語

 

それでは、英語について!この教科もJapaneseと同じく、1~3まで分けられています。

なぜか私は最初からEnglish 2に入れられていて驚きました。謙遜でもなんでもなく、明らかに私より英語ができる人がEnglish 1にいたり、内容が全くわからなかったり…。少なくとも最初の1ヶ月は、授業中に使われるスライドがなかったら何もわからなかったと思います。

なんでそんなにわからないかというと、最初から使われる単語が知らないものが多かったからです。Englishの授業で使うのは、日本語で言うと例えば「倒置、韻、比喩、品詞、頭括型」などの言葉。それが、事前知識なしに英語で飛び込んでくるんですから、わからないよな〜と思います。

 

特に最初の方はエッセイを書いたり、小説を書いたり、本の感想(どちらかというと分析?)が多いので、大変です。ただ、あまりに身構えすぎていたところもあり、途中からは意外とついていけるな、と言う感触もありました。

そして、コロナの関係で外国にいる生徒が来る時期もわからなくなり、時差に配慮してクラスを組み直した結果、私を含む学校にいた生徒は全員English 3に移動となりました。

ちょうどその時期から、シェイクスピアの作品の分析などに移っていたので、難しすぎることもなく、シェイクスピアの読んでいた作品だったので内容がわからなくなることもあまりなく、良い成績とは言えないまでも、なんとかついていけるようにはなっていました。

どんだけ難しいクラスに入っても、本当にきつかったらもう少し簡単なクラスにも移してくれるし、とりあえずそのままクラスに残っても気づいたら意外とついていけるし成長できるし。

諦めも肝心だけど、それがチャンスなのかの見極めも大事です。

 

Math

 

この教科は、特に日本の学校出身者にとっては1番の鬼門だと思います。

特に一年の最初の方は、簡単すぎます。習う内容が。

イギリスの小学校に昔編入した時も同じ気持ちでしたが、やっぱり日本を含む東アジアの教育はペーパーテストに強いです。ISAKのように習う内容を世界中からの生徒を対象にすると、私を含む日本出身の生徒にとっては一年前に習ったことも含まれています。例えば、(x+y)(x-y)などの中学範囲を、ISAKの数学の最初の方の授業でやりました。

 

受ける気がしない授業ってこう言うことか、と思った時も何回かありました。

でも、交渉して自分たちだけ違う内容のものを受けさせてくれと言えるだけの自信も英語力もやる気もない。

結局、文句を言いながら何も出来ませんでした

途中からは、グラフを作る統計的な作業に移ったりしましたし、個人的には作業は好きなのでそこまで苦痛ではありませんでしたが、作業が苦手な友達には少し大変だったようです。

サイン・コサイン・タンジェントを習った時は、やっと…!と言う気持ちになりました。

 

この時間を、合法的な自習にうつせたりするとよかったのかな〜と思います。この授業に限らず、今まで中学でやってきたような「点の取れる」勉強は、ISAKでは不安になる程しません。必要な授業と、そうでない授業の見極めは大切だと思います。授業をサボる人もいれば、授業中に他の勉強を少しずつやる(私はこれでした)人もいました。

個人的には授業はサボりたくないので、教員と話して解決策を見つけるのが一番良いと思いますが…。

 

Humanities

 

この教科は、ISAKで好きな教科のうちの一つでした。担当の先生がとても良い先生ということを差し置いても、好きな教科です。

基本的に、この教科では単元ごとに少し学んだ後、単元のテーマに沿ったエッセイを自分で内容も決めて書きます

例えば、一番最初のテーマはActivist(活動家)についてでした。何人かの活動家について学びシェアした後、私はエマ・ワトソンを活動家として、その人についてのエッセイを書きました。少し前には、平和と衝突(Peace and conflict)という単元があり、その際は「昭和天皇の戦争責任」について自分で調べてエッセイにしました。

ちなみに、ここでのエッセイとは「随筆」の意味ではなく、「レポート、論文」を指します。

 

主に近代以降の歴史を中心にテーマごとに勉強を進めますが、時折経済だったり政治的概念などについても学びます。

経済、イデオロギー(民主主義、社会主義など)のように全員で学ぶこともありますが、単元の後半は基本的に自分でテーマを決め、それについて各自学習していきます。

自分が調べていて楽しいテーマを見つけられると、本当に楽しいです天皇の戦争責任について調べているときも、このテーマにして良かったと思いました。

人文という意味のあるHumanitiesなので当たり前ですが、歴史が好きな人は楽しめる教科だと思います!

 

Science

 

理科は、今まで英語を使っていなかった場合、少しきついと思います。

私も、一学期末にもらった成績は、理科と英語が特に改善の余地がありました。使われる単語は日常で使わないものが多いため、それ専用の勉強をしないと内容はわかっていても英語でつまづきます。

 

内容は、数学と同じようにある程度今まで習ってきた内容が多いです。もちろんそれ以外のものもありますが、大抵は知っていることでした。ただ、理解していればいるほど、その単語を日本語から英語に変換しなければいけません。

自分としても、まだISAKでの理科を習得したとは思っていません。単純に単語が出来なさすぎるので。

もともと中学校にいた際は理科が好きだったので、その分ISAKでの理科では自分の悪い部分がよく見えました。今までは授業の終わりに先生に毎回何かしら質問していたはずが、ここでは英語が理解できないのと、理解しようとしないのと、余裕がないのが重なって、質問をほとんどしていません。その変わりように気づいた時は、少し驚いたし、悲しかったです。

来年度、どうにかしたいし、どうにかするため勉強します!!

 

Art

 

美術の授業です。パソコンを使って、写真の編集技術を習ったり、絵を描いて、それを最終的には木の板に描いて大きめの作品にしたりします。パソコンで習った写真の編集技術などは、かなり面白かったですし、今でもその時に使ったアプリを使っています。

普通に役に立つこともある一方、個人的に自分の絵を含めた創作能力を全く信頼していないため、絵の授業になった時はちょっと残念でした…。

でも、Artの授業は、この一年で一番先生にとって大変だったと思います。最初の方は海外の生徒が来れないとわかっていたためパソコンでできるものを扱っていましたが、生徒が全員揃ってからもコロナで休校やオンラインが続いたため、途中までやっていた単元も中止するほかなくなりました。運動は家でもできますが、美術の制作は道具もなければ対面でないと協力もできないので…。

最後の方は家でできる課題(ゴミを利用して自分の似顔絵を作る/ 用意された質問について、文章を読んで答えるなど)が多く、やっぱり対面授業が一番だなと感じました。

 

通常なら音楽・美術・書道を選択できるはずですが、ここでは美術のみです。書道を受けられるなら受けてみたいとも思いますが、そう言ったことを差し置いて、授業として普通に楽しかったです!

 

Information Science

 

この授業では、一年の前半にインターネットを利用した資料の見つけ方、後半にプログラミングを学びます。

edXのCS50というプログラミングコースを受けたことがあったため、そこまで苦労はしませんでしたが、楽しかったです。

特に、インターネット上での資料の見つけ方は、今までそう言ったものに触れてこなかったので、とても参考になりました。Google Scholarやニュースサイトなどは知っていても、Gale In ContextやJstor、CiNii、ERICなどの論文を検索できるサービスは、そもそもそう言ったサービスの存在すら知りませんでした。

英語メインということもあると思いますが、アメリカからの同級生はすでに使いこなしているのに、日本の公立中学ではこう言ったことを知らなくても良い(論文はあまり書かないはずです)ため、そこでのズレというか、差を感じました。

 

www.gale.com

cir.nii.ac.jp

 

プログラミングはクラスメイトの中での合う・合わないがはっきりと出ていて、面白かったです。自分自身もかなり忘れているところがあったため、また勉強し直さなきゃな、と感じました

 

P.E.

 

体育は、別に何かが違うわけでもなく、普通に授業を行います。強いていうなら、全てのチーム分けが男女で分かれておらず、混合であるというところでしょうか。

授業の最初に少し走るとこなど、先生が日本出身であることも相まって、今までと同じように受けることができました。バスケ、バレー、バドミントン、長距離、ダンス、、、。コロナの影響で、いくつかはほとんどできませんでしたが、もう実技科目がコロナで影響を受けるのはしょうがないことでもありますよね…。

来年からは国際バカロレア教育が始まるので、数少ない、来年からも変わらず受ける教科です!

 

Leading Self, Leading with Others

 

この二つの教科は、Leadership classと言って、ISAKのキャッチコピーの一つでもある「リーダーシップ」を育てるための授業です。

Leading Selfでは、主に自分の内面の制御の仕方や人との関わり方について学び、Leading with Othersではグループの中での動き方や、プロジェクトに人を惹きつける方法などについて学びます。

 

この2つの授業は、ISAKらしさがよく見えた授業だったと思います。

この授業をめぐって、私の学年ではいろいろな議論がありました。肯定派もいれば、否定はもいて、役に立つのかわからないという人も多くいました。かくいう私も、すでに感覚として知っていることを言葉にして教えてもらっているという印象があり、学びになったと一言で言うのは難しいです。

このリーダーシップクラスにはいくつかの問題点がありました。また、クラスのみでなく、先生の指導の方法も学年の中では評判がかなり分かれていました。私はこの二つのクラスをどちらかというと苦手なクラスとして受けていたので、愚痴にしないためにもここら辺でやめておきます。

それでは、なぜ「ISAKらしさが見えた」とかいたのか。

ISAKにはこの授業も含め、いろいろな改善できるポイントがあります。新しい学校なのですから問題があるのは当たり前ですが、驚くようなことがいくつも起こりました。そのうちの一つに、この授業内で起こったことがありました。

でも、そう言ったことに対して生徒側がデータを集め、他の生徒から話を聞き、そして行動を起こしている。その流れが間近でみられるのは、本当に嬉しいです。

そう言った動きの中心となっている生徒、周りでさまざまな面から手助けしている生徒。どういう風に学校の校長や理事と話をつけるのか。どういう時に連絡するのか。そう言った流れを見ていると勉強になります。問題があっても、生徒が解決しようとするところはISAKの魅力の一つかも。

 

それに、この授業があって良かったと思ったことの一つに、同級生について知るきっかけになったことが挙げられと思います。例えばSelfでは今までの自分の分岐点となってきた過去を振り返るという授業があり、その授業内で友達の意外な経験を知ることになったりしました。Othersでは、自分のやっているプロジェクトを始めた理由をまとめてスピーチにするという授業があり、それも同級生を知るのに役立ったかもしれません。

また、Othersで行った授業の派生として、来年はアニメ好きの友達数人とアニメクラブを作る計画を考えたので、実行に移せるような移すかも…?

 

Hirameki, G10 Service

 

Leadership classまでが毎年G10(高校一年生)が受ける授業ですが、その他にも私の学年では、HiramekiというクラスとServiceというクラスがありました。

Hiramekiは、私の学年から始まった授業で、テーマに沿ったプロジェクトを自分ではじめるためのものです。この授業中に自分のファッションブランドを作ろうとした生徒もいれば、アニメを作ろうとした生徒もいます。

その名の通り、「ひらめき」を大切にしようというコンセプトの授業です。

 

そしてG10 ServiceもHiramekiと同じような内容のクラス。ただ、全ての授業が自分で内容を決められるわけではなく、最初の方はISAK敷地内の森に関する活動をし、途中の方では起業家精神について実際に起業した方々を招いて学習しました。

後半では、Hirameki、そしてHumanitiesと繋がり、三つの授業を交差して一つのプロジェクトをやるという授業に移っていきました。プロジェクトを進める際にメンバー間で共有しておくべき目標や道筋をどうやって決めるか、残しておくかなど、いくつかの指導やサポートが入ります。

私のクラスメイトの中には、ISAKの近くにスーパーマーケットを作ろうとする生徒や、ポッドキャストを開いた生徒もいました。それぞれが自分の興味のあることなどを考えているので、話を聞いていると面白かったりもします。

 

 

ということで、以上がISAKのG10での授業をまとめたものとなります。

如何せん、今まで教科書を使わない勉強をしたことがなく、個人的には教科書を使う勉強も大好きなので、戸惑いもかなり大きかったです。

本当にこれで勉強になっているのか、自分が成長しているのかと言われると、微妙なところもあります。私は知識大好き人間でもあるので。

 

でも、実際に参考になったことはいっぱいありました。授業を生徒がいろいろな形で面白くしようとしている姿や、変えようとしている姿。学校の管理職に話を持っていくような真面目なものから、授業中に課題をやらなかった人にダンスを踊らせると言ったもの(これは、結局踊る気のあった一人だけ踊りました)まで。

単純に、ISAKに来ている人って大体が賢いです。いろいろな意味で。だから、俯瞰している人に話を聞いても面白ければ、いかにも面白そうな人に話を聞いても当然面白い。

そして、考え方が似ている人も一定数いるため、議論が発展しやすい。(一方向に発展しやすいので注意が必要ですが。)

 

合う合わないは人によて違うと思いますし、私にISAKでの授業が完璧にあっているとは言えません。でも、楽しい面もあったことに間違いはないです。

 

最後までお読みくださりありがとうございました。来年からはIB(国際バカロレア)が始まります。またG10とは全然違う方法での勉強となります。すごい楽しみだし、不安も大きいです。とりあえず、なんとかなるでしょうという精神で今までやってきたので、これからもその通り頑張っていきたいです!