こんにちは。今日は、またまた本がらみの更新。
私の学校では少し前に1週間の秋休みがあったのですが、その中で一日、東京で自由気ままに過ごしてみました。その際の感想を、撮った写真とともに書いていこうと思います!
- 11:00 池袋
- 12:00 神田
- 12:30 神田明神
- 13:00 湯島聖堂
- 13:30 聖橋〜山の上ホテル
- 13:30 神保町古書店街へ
- 14:30 さぼうるで昼食
- 15:30 神保町から新宿へ
- 16:45 新宿 末廣亭
- 21:00 新宿駅に向かう
- まとめ
11:00 池袋
私が東京に行く際は、よく学校のある軽井沢を出て東京へ向かうバスに乗ります。
この日は11時ごろに池袋につきました!
スーツケースを入れるコインロッカーを探しに新宿へ向かい、さらに新宿から神田へ。
なかなかコインロッカーが見つからず、少し時間をとってしまいました。
12:00 神田
この日最初に向かったのは、神田でした。
今まで神田には行ったことがなく、どれくらい学問に関係するところがあるのかを親と話したことがきっかけとなり、初めて神田へ向かいました。
JR御茶ノ水駅から聖橋を渡り、「近代教育発祥の地」の碑を発見。昌平坂学問所があった場所にこの碑は建てられているようで、横に湯島聖堂があることを確認しながら神田明神へと向かいました。湯島聖堂はこの後向かう予定です!
12:30 神田明神
神田明神は、東京に住んでいたのに行った事がありませんでした。やっと今回向かう事ができ、本当に嬉しかったです!日本三大祭りの一つである神田祭もここで行われていますし、江戸総鎮守として広く信仰を集めています。
神田明神前の道から、雰囲気のあるお店が立ち並び、こういう雰囲気久しぶりだな〜とか思いながら道歩き。
境内に入る前に御手洗で手を清め、そしていよいよ御神殿へ。
ちなみに、境内に入る際に通る門は「隨神門」と言い、昭和天皇御即位50年(1976)の記念事業として再建されたようです。煌びやかな門を通ると、目の前に御社殿が姿を表します。現在のものは関東大震災後に再建されたようで、国登録有形文化財に指定されているとか。
ちょうど七五三の時期(ちょっと早いですが…)ということもあり、すでにのぼりなども上がっていました。
13:00 湯島聖堂
湯島聖堂は、5代目将軍徳川綱吉によって建てられた孔子廟で、のちに幕府直轄の学問所となりました。
儒学、朱子学、徳川綱吉…。中学歴史の内容がつながり、面白かったです。自然に囲まれた静謐な場所。受験生がよくお参りに来るようなので、私も高校三年生として学問成就のお守りを買ってきました!
13:30 聖橋〜山の上ホテル
そして、聖橋を通りながら次に向かったのは山の上ホテル。
聖橋の上ではちらほらと下を見下ろして写真を撮っている人が。何があるのかな、と思って見下ろしてみると、真下に駅がありました。そこを行き来する電車の写真を撮っている人が多かったため、私もそれに混ざってみました。
その後ニコライ堂を横目に立ち並ぶ大学群を通り過ぎ、山の上ホテルへ。
ちなみに、本当に大学が多いんですね、あそこらへん。明治大学、日本大学、日本医師大学、中央大学…。学問発祥の地である意味が身に染みて実感できました。大学生の中に混じって歩いていると、こんな環境で勉強できればたのしんだろうなあという気持ちが沸々と。軽井沢の田舎だと体験できない、面白いひと時でした。
ニコライ堂は、正式名称「東京復活大聖堂」であり、日本正教会の大聖堂です。日本初めてのビザンチン様式の教会建築と言われています。
山の上ホテルというのは、昭和29年に開業した老舗ホテル。建物自体は戦前、昭和12年に建てられました。戦前は西洋の生活様式やマナーなどを啓発する施設、戦時中は海軍施設、そして戦後はGHQによりアメリカ陸軍夫人部隊の宿舎として使われたそうです。その後昭和29年からホテルとして営業を開始し、さまざまな文化人が利用したことで知られています。神田に出版社が密集していたことから作家の「カンヅメ」が多かったそうで、川端康成、三島由紀夫、池波正太郎など、多くの著名人たちが利用したとか。
私が訪れた少し後に、山の上ホテルが老朽化により全館休館になると知り、びっくり。外観は見たもののしっかりと中に入ってみたわけではなかったので、休館になる前に一回は中に入りたいなあと思いました。入れるか入れないか、ちょっと危ういところです。
13:30 神保町古書店街へ
今まで名前は知ってながらも訪れたことのなかった場所をどんどん訪れ、いい気分になってきたところで、この日の目玉の一つ目、神保町古書店街に入って行きました。
神保町、実は今までにも何回か行っているのですが、毎回あまり楽しめたという思いがなく…。自分があそこに行くと、自分の至らなさというか、足りなさを実感してしまうんですよね。
神保町は世界最大の古書店街。100軒以上の書店が立ち並び、大手から中小までの出版社、印刷所、一般書店が一体となって本の街となっています。今wikipediaを見ると、「古書店の数は130軒、180軒、少なくとも400軒と諸説ある」のだとか。大学の学部多様化に合わせて各専門書店が増加したようで、ちらっと無知な人間が見るだけでもその多様さの片鱗は見えました。
そんな場所に自分が向かうと、面白いし物珍しいし楽しいんですが、途中からどうしても自分が場違いなところにいるような気がしてしまう。そこの場所の価値を十分にわかる人間ではないような気がしてしまうんです。だからちょっと気が引けていたんですが、今回はまた気を入れ替えて、新しい気持ちで神保町に向かうことにしました。
そこで意識したのが、「買い手」だということを意識しながら見て回ること、そして写真を撮ることです。
どうしても見物人というか、観光客のような気分で神保町を回るから萎縮してしまう。でも、いくら古書店街だとは言ってもお店はお店。もちろん中には貴重すぎて触れないような本もたっくさんありますが、同時に100円均一だったり500円均一の売りだながあることも確かです。「買い手」としてなら、大手を振って歩けますもんね!!
そして、写真を撮ること。店内などは許可をもらって撮っていますし、街の様子も綺麗で記録に残したいなって自然に思うような場所です。
この二つを意識しながら歩いてみました。
色々な場所を歩く中で、あ、これ面白そう!と思った本が何冊か。結果的に、5冊買いました。昔家族と一緒に神保町の古本まつりに行った際に本を買った記憶はありますが、個人で買ったのは多分初かと!
一冊目は、三茶書房で買った『落語家の居場所 わが愛する藝人たち(矢野誠一)』。300円均一の棚にあり、敷居が低かったので勢いで買ってみました!
ブックカバーが可愛くて…。めっちゃ嬉しかったです。
二冊目は東京堂書店で買った『革命か反抗か -カミュ・サルトル論争-(佐藤朔)』。
この本、正直私めちゃくちゃ欲しかったんです。近くに自分で行ける範囲にある図書館、本屋、古本屋、全部合わせて10箇所以外は行きましたよ。それでも見つからなくて!!
学校の授業でカミュの『ペスト』をやって、すごく面白くて色々論文を読んで。この『革命か反抗か』は別にそこまでマイナーな本でもないはずなんです。なのに周りの書店でも図書館でもなくて…。田舎に住んでいることのデメリットをひしひしと感じました。
それで、東京に行く際に絶対に買おうと思って、新刊書店に顔を出した次第です。東京堂書店は神保町にある新刊書店。辞書に関しての本を読んでいた際に「辞書の東京堂」として有名になったことを知り、さらに「軍艦(知の泉)」と呼ばれている棚があることも知ったので、行ってみたいな〜と行くことを決めました。ここのブックカバーはシックな感じで、個人的にすごく好みです。このブックカバーを開いている人が電車内にいたら、どんな本なのか気になってしまうだろうな、と思いました。
講談社の現代新書で、以前見たことがある本なのですがその時は機会がなく結局読まずじまい。せっかくまた見かけたのだから買ってみよう!ということで買ってみました。
14:30 さぼうるで昼食
そんなこんなで街を楽しく歩き、途中で昼食を食べに「さぼうる」へ。
このお店、1955年にオープンした老舗喫茶店。外観も独特なのですが、店内もどこか懐かしいレトロな雰囲気で居心地が良かったです。
このお店、カラフルなドリンクが大人気らしく7色のクリームソーダなどが用意されているのですが、私の注文したのはバジリコとアイスコーヒー。どちらもシンプルな味で、とても美味しかったです。
一人で訪れたので、ちょっと浮かないかな〜と心配していたのですが、一人客の方も結構いらっしゃって一安心。午後に行ったので並ぶこともなくおいしく食べられました。
15:30 神保町から新宿へ
食べ終わった後、最後に一息とまた書店巡り。
漫画を集めた書店を何軒か回ったり、Book House Cafeや文房堂など雑貨も多い店を回ったり。
そして最後にPASSAGE by ALL REVIEWSという誰でも本屋になれる本屋さんをのぞいてきました。
このお店、以前軽井沢ブックフェスティバルで登壇されていた方も関係している場所で、ぜひ行ってみたいと思っていたところでした。一つ一つの棚に「棚主」さんがいらっしゃって、その方々が自分で自由に本棚を作っているお店です。
このお店では二冊購入しました!
一冊目が坂口安吾の『堕落論』、角川文庫のかわいいデザインのものを購入しました。これは、「かきがら書房の本棚」から購入。
二冊目が『「昭和天皇実録」の謎を解く(文春新書)』。こちらは「原武史の本棚」から購入。もともと興味のあるトピックで、この人の本棚からは何を買おうかとても悩みました…。行ってみたいところに行けて、とても満足!いつか私も棚主に…と思うような時間でした。
そして帰る前に矢口書店の前に行って、写真をパシャリ。
神保町といえばここだろう、というイメージがあったので、避けては通れません。もうちょっと居たかったのですが、後の用事もあったのでここら辺で神保町は終わり。
最初の不安はどこに行ったのか、本当に楽しい時間でした。またすぐに行きたいです!
16:45 新宿 末廣亭
最後の方は駆け足で神保町の駅に向かい、新宿に着いたらすぐにコンビニで夜ご飯を買って末廣亭へ!!!
いや〜、やっと行けました。ずっと行きたかったんですよ、寄席に。
今まではYouTubeで割と満足できていたんですが、あさま寄席で生で落語を聞いた途端に寄席に行きたい欲がどんどんどんどん高まってきて。
やっっっっと寄席に行けました。
なんと、東京から長野に引っ越した後に寄席に行ったことはなかったので、実に5年ぶりです。信じられない…。
ちなみに寄席とは、落語や講談などの技芸を観客に見せることを目的に建てられた、行ってしまえば見せ物小屋です。東京には5つの寄席があり(今は国立演芸場が一時閉館しているため4つ)、そこで365日昼席と夜席として、2回興行が行われています。
この日は他の寄席に出ていた春風亭一之輔師匠を見に行くか、それtも新宿の小痴楽師匠を見に行くか、悩みに悩んで結局新宿にしました。
番組(その日に出演する人のリスト)がとても面白そうで、好きな方も何人も出ていたので高まる期待とともに久しぶりに寄席へ到着。間に合ったと思ったんですが、少し遅れたそうで途中から見ることになりました。
この日の演目はこんな感じ。(敬称抜きです。間違いがあったらすみません!あと、二つ噺の名前がわかんないのがあって…もし知っている方がいましたら教えてください。)
- 美よし 時うどん
- 瞳なな マジック
- 伯山 三方一両損
- 明楽 桃太郎(新作?)
- 喜之助 紙切り
- 小笑 牛ほめ
- 可竜 (おときに告白するげんちゃん、櫛)
- 青年団 漫才(医師と葬儀屋)
- 円馬 代書屋
- 信楽 新作(面接、思考を口に出してしまう男)
- オキシジェン 漫才(ラジオ)
- 三度 つる
- 遊雀 粗忽長屋
- 小すみ 音曲
- 小痴楽 宿屋の仇討ち
やっぱりめちゃくちゃ楽しかったです。すでに高まっていた期待を大きく超えて来ました。別に落語について深く知っているわけでもないですが、もう落語を好きになったのが7歳くらいの頃なのですでに10年超。
すでに噺を聞いたことのある噺家さんもいれば、ずっと聞きたかった噺家さんもいれば、無学なので名前を存じ上げなかった噺家さんもいれば…。
特に面白かったのは伯山さん、明楽さん、円馬さん、三度さん、そして小痴楽さん。みなさん個々で異なった雰囲気で、「この話をこういうふうに演じるんだ!!」っていう驚きもあれば「なんか雰囲気が面白い…」っていうニヤニヤもあれば、本当に楽しかったです。
伯山さんの講談や小痴楽さんの落語はYouTubeでずっと見ていたので、やっと見れた満足感は大きかったです。
数年ぶりに、長野から、やっと寄席に来れましたよ…。
この日の一番の目的は落語。
本当に嬉しかったです。
多分この日は大当たりで、終わった後に「あれ、寄席ってこんなずっと面白かったっけ?」とか思っていたら、周りの人もからも「今日はめちゃくちゃ面白かったね」「顔ぶれがすごく良かったね」という声が。
いつも面白いのですが、やっぱり何か噛み合わないというか、波がある日もあるんです。この日は本当にずっと笑えて、楽しかったです。
大人になっても、落語とずっと触れていたいですし、落語に関わっていたいなって思います。
難しいことはまだわからないし、通になりたいというわけでもない。
ただ、落語で楽しめるような人生を送りたいなあって思います。
幸せだなって思いながら、あっという間に4時間が過ぎ。
(一応書いておくと、別に寄席ってこんなに心構えというか、思いを持っていかなければいけないところではないです!ふら〜っと仕事終わりに寄るだけで!ちょっと敷居が高いというか、入りにくい雰囲気を感じるところもあるかもしれませんが、ぜひふらっと気が向いたら行ってみてください!)
21:00 新宿駅に向かう
次に東京に行った時も、絶対に寄席に行こうと思いながら夜9時ごろの新宿を歩き、祖父母の家に向かいました。
まとめ
ということで、この日は神田→神保町→新宿末廣亭の1日。
最高でした。
秋休み前はずっと学校の課題で追われていて、秋休み後も追われることは目に見えていたので、久しぶりに自分の好きなものにずっと触れられたなって思います。
写真で振り返っても、やっぱりあの日の楽しさが蘇ってくるかのようです。
この高揚感をうまく表せられる言葉を知らないので、歯がゆいばかりなのですが…。
この日からまた「本」熱、「落語」熱が高まって、ずっと図書館に行ったりYouTubeで見たり…。許されるなら一ヶ月に一回は本屋さんや寄席に行きたいのですが、長野県に住んでいるとそれも難しいですね。
文化を大切にできるような人になりたいなってずっと思っています。
あと、考えることを大切にできるような人になりたいなとも思っています。
学校でも、授業中の学びからさらなる楽しみを見つけられるような人になりたいなって思います。時には関係のない話を授業中にすることもありますが、この前も日本語の授業中に「なぜキリスト教を国教にする国で死刑があるのか」という問いがカミュの『ペスト』に関して話しているときに出てきて、そこから色々な場所に話が飛び火しました。こうしたところから楽しみを見出せるようになっていたいです。
神保町はある程度の知識があった方が、落語は想像力があった方が、楽しめると思っています。二つとも、単なる町、単なるお笑いといえばそのままですが、ちょっと穴をのぞいてみるとその底はどこまで行っても見えません。
こういう場所を「よくわからない」「なんか入りにくい」で邪険にせず、十分に楽しめるようになっていたいです。このラインナップを楽しめた自分に満足しましたし、将来もこのルートを楽しみながら通れる自分でいたいですし、そうでなければ悲しいです。
本が好きなんだな、ということはこの頃ずっとことあるごとに感じています。
落語も、単なる趣味といえばそれまでですし、周りに「落語が好きです!」という高校生はあんまりいません。前座噺(寿限無とか)は知っている人もいますが、それ以上となると私の周りにいる落語好きは私の両親くらいです。小学2年生の時に江戸東京博物館の子供寄席で初天神を聞いてから、波はあってもずっと落語を聞いているということは、私はかなり落語が好きなんだろうなあと思います。
本も落語も、今はまだあまりの同志がいませんが(特に落語…)、将来長いんですから、絶対どこかで語り合える仲間ができるんじゃないかなって思います。その日を少し期待しながら、今はまだ自分の中で、どんどん自分の好きなものへの愛を深めていきたいです。
なんか、落語と本に関して話していると書き終えにくくなるというか、名残惜しくなるのですが、長くなって来たのでここら辺で。すっごく楽しい1日で、この日を記録しておきたい!!と思っていたので書いて来ました。
最後までお読みくださりありがとうございました。みなさんにも、ふとしたときに戻りたくなる好きなものがあるかと思います。ぜひ、一度時間をとってそうした好きなものを追い求めてみてください。多分、新しい発見、もしくは改めて感じる思いがあるでしょう。幸せな、華やいだ気持ちになることを願って。