うぐいすの音

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『サピエンス全史 下』読みました! No.1〜宗教の中の動き〜

 こんにちは。

今日は、Voice Up Japanの方でまた新しいチームに入らせてもらいました。チャンスって、本当に一瞬でやってくるからこそ、チャンスの神様の前髪をとっさにつかむことが大切だなと思います。他にも自分なりに始めたことがあるので、数ヶ月後しっかり達成できたらここで報告できるのを楽しみにしています!

 また、昨日で連続投稿を始めてから一ヶ月!インスタグラムの男女平等アカウントもちゃんとやっています…と言いたいところなんですが、なぜかバグっていて複数投稿が数日前からできず、やむなくストップしている状態です。とっても悔しいです!!

 

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目次

 

『サピエンス全史』 本の詳細

 今回の記事は、『サピエンス全史 下』の感想です!これもまとまり切らないので、シリーズになると思います。上巻の感想はこちらからお読みください!

 

chirpspring.hatenablog.com

 

 それでは、本の詳細について。

サピエンス全史は、下巻が280ページほど。上下合わせて500ページと少しです。ページ数だけ見ると全然多くは見えないかもですが、内容はとても濃い…

読んでると割と疲れちゃいます。全部消化するのはかなり大変だと思います。

 

 

 

 ユヴァル・ノア・ハラリさん著で、訳は柴田裕之さんです。

 本は4部構成になっていて、全20章あります。上巻は11章までで、下巻は第2章の途中から始まります。

二冊を通して、三つの人類に起こった革命を解説し、人類がどう進んでいるのかについても書いています。

多様なホモ属(人類種)から、ホモ・サピエンスの台頭。そこからどうやってホモ・サピエンスが今の私たちの地位を手に入れたか、などです。

 

 下巻では、まず第3部の「人類の統一」の途中から始まります。12章では宗教について、そして13章では「歴史の必然」についてです。

 

12章「宗教という超人間的秩序」:一神教多神教

 宗教について。

ここでは、1巻で解説されてきた「貨幣」や「帝国」のように、「宗教」もまた社会を正すもので、色々な要素が「統一」されてきたということが書いてあります。

 今でこそ、世界の多くの人々が一神教を信じていますが、一神教は数千年前は完璧な少数派でした。多神教が主な宗教だったのです。

 ここで私が驚いたこと。

 

一神教は、多神教から派生したものでした。

 

 アニミズム信仰や多神教も、絶対神」のような概念を持っていることがあります。

でも、これらの絶対神は、人間のありきたりの欲望や不安や心配には無頓着であると言われます。なぜなら、絶対神の包括的な視点に立てば特定の都市が栄えようが、特定の人が健康になろうが、何も関係ないからです。

 

 だからこそ、多神教の人たちは日常的な関心ごとで助けてもらうために、力が限られている神的存在と取引し、助けを借りるようになります。こういった小さな神的存在は次第に数が増え、その状態が多神教と呼ばれるようになるわけです。

 

 そして、その多神教の神の中でも一つを強く信じる人がいれば、どうなるでしょう。自分の守護神を大いに気に入ったため、多神教の基本的な考えから次第に離れていき、自分の信じている神こそが実は至高の神的存在であると信じるようになってきます。

 至高の存在であると考えると同時に、いまだにその神とは取引ができると考えることによって、一神教が生まれてきました

 

 現に、記録に残っている中で一番古い一神教は、エジプトのファラオが

「エジプトの万神の中でも小さな神の1人、アテンは、実は宇宙を支配する思考の神的存在であると宣言した」

ことによって始まっています。

 

 このアテンの一神教が起こったのが紀元前1350年でした。その後、多神教は多くの一神教を生み出しますが、どれも局地的一神教の段階で終わっていました。

その状態から躍進したのが、ご存知の「キリスト教」です。

 

 キリスト教は、ユダヤ教の中でもナザレのイエスが救世主である」という小さなユダヤ教の中の宗派から始まりました。

この後、パウロがイエスについての喜ばしい言葉(福音)を聖書として世に広めるようになったことで、このユダヤ教の小さな宗派はのちに強大なローマ帝国を支配することになりました。

 

 一神教は他の宗教を全て偽りとみなすため、あらゆる競争相手を暴力などで排除するようになりました。これが功を奏したのか1世紀初頭にはほとんどいなかった一神教信者は、今ではイスラム教やキリスト教など、世界中に存在するようになっています。

 

多神教の中から生まれた一神教が、多神教を抱合するとき

 こうして一神教は次第にその力を強めていきました。しかし、一神教にも問題はあります。そのうちの一つが、「二元論の宗教」です。世界に神が1人ならば、なぜ万能の神が創った世界に「悪」が存在するのか、という問いです。

 多神教の場合は、善悪の二つの勢力があると考えることでこの問題に説得力のある答えを提示できました。

 しかし一神教はこの問題に答えられなくなり、最終的に二元論の世界観を一神教の中に取り入れ、「天国と地獄」などの概念を作りました。

 

 悪魔などは、実際の一神教の原理とは矛盾しますが、だからこそ大勢に受け入れられるものとなっています。聖人なども、実際の一神教からは大きく外れるものです。

 

キリスト教には多くの聖人がいます。いわゆる守護聖人と呼ばれるものの中には、通訳の守護聖人や歯科医の守護聖人、眼病の守護聖人もいれば、日本の守護聖人もいます。

この守護聖人という考え方や、悪魔という存在。これらは多神教に限りなく近いものです。

ですが、それが一神教で存在してきたのは、宣教するときに多くの人に受け入れやすくするためと本には書いてあります。

 

実は、混合主義こそが、唯一の偉大な世界的宗教なのかもしれない。

 

 

ローマ帝国キリスト教、迫害したのはどちらなのだろう

 宗教には、かなり関心があるというか、興味がある分野だったので読んでいてとても面白かったです。

宗教関連でもう一つ面白かったのは、死者の数について。

 

多神教ローマ帝国は、布教を始めたキリスト教徒に対して、信仰や儀式は認めたものの帝国の守護神や皇帝の神性を尊重することを求めました。

キリスト教がこれを拒むと、ローマ人は彼らを迫害するようになりました。ただ、迫害といっても本気のものではありません。イエスが十字架に架けられてからコンスタンティヌスローマ帝国の国教をキリスト教にするまでに行われた全般的な迫害はわずか4回。この間に殺されたキリスト教徒は数千人でした。

 

 しかし、そのあとの1500年の間でキリスト教徒は同じ宗教を信仰する人たちに殺され続けました。

 

キリスト教とは愛と思いやりを説くこの宗教のわずかな解釈の違いを守るために、同じキリスト教徒を何百万人も殺害した。 

 

 1572年8月23日、善行を重視するフランスのカトリック教徒が人類への神の愛を強調するフランスのプロテスタントのコミュニティを襲いました。

バルトロマイの大虐殺と呼ばれるこの襲撃で、1日の間に5000〜1万のプロテスタントが殺害されました。

フランスからこの知らせを受け取った当時の法王は、喜びのあまりヴァチカン宮殿の一室をこの大虐殺のフレスコ画で飾らせたと言います。

この24時間で出た被害は、300年の間帝国がキリスト教徒を殺した被害を上回りました。

 

 この部分、とても興味深く感じました。今まで、私はキリスト教の絵画にとても興味を持っていたので、エスに対するローマ帝国の仕打ちなどを絵を通じて何回も調べてきたはずです。

 それと同時に、エリザベス1世の伝記等もお気に入りだったので、ブラッディ・メアリー(血まみれメアリー:イギリスの女王、プロテスタント迫害で有名)のことも知っていました。

でも、この二つの事象を関連づけようとしたことはありませんでした。

確かに、考えてみるとローマ帝国キリスト教に行った悪害よりも、その後何百年にもわたって続けられたキリスト教の中での争いの方が被害が大きいですよね。

これは、違った視点で物事を見るといういい勉強になったと思います。とても面白かったです。

 

宗教「例:キリスト教」とイデオロギー「例:自由主義」、違いは?

 そして、ここからは納得する人も反対の人もいるかもしれませんが、自由主義共産主義、さらには資本主義などのイデオロギー「宗教」と変わりのない

「超人間的な秩序の信奉に基づく人間の規範や価値観の体型」

だと、筆者はいっています。

 

 この考え、かなり驚きのものでした。しかし、筆者は「仏教や道教は神という存在を持たず、自由主義などのイデオロギー内部には神への信仰が根強く残っている」といった趣旨のことを書いています。

各個人の自由で神聖な性質を重んじる自由主義的な信念は、各個人には自由で永遠の魂があるとするキリスト教の伝統的な信念の直接の遺産だ。

 

こういった考えを読むと、確かにイデオロギーと宗教を分けるのは難しく、イエスの福音を広めるキリスト教と、マルクスらの福音を広める共産主義者は似ているのかもしれない、と思うようになりました。

 

 

感想:知識を発展させたい!

 …最初の考えだと、第3章の内容は全部終えて、第4章のさわりくらいまでいけたらな〜とか思っていたのですが、まさかの目標の1/3しか書けてないという…

 このあと、2個か3個くらいの記事でこのシリーズを終えることができたらいいな、と思います。

 

 色々と、想像していなかった視点で話が進みます。

それぞれの事柄は知っていたことを少し発展させた、程度の内容のものも多いのですが、それらが繋がって化学反応が起きるととても面白くなりました

多神教一神教、宗教とイデオロギーなど、とても興味深いです。これから機会があれば、そういった本も読んで行けるといいなと思いました。

まずはイデオロギーについての本と、久しぶりにブラッディ・メアリーの伝記とかも読んでみたいです!

 

 最後までお読みくださりありがとうございました。次の記事もどうぞ読んでいてください!

 

 

追記

 

chirpspring.hatenablog.com

 

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