うぐいすの音

17歳の女子が運営しているブログ。本のレビューなどしていきます。

『日本のいちばん長い日』読了:人間って怖い…

 こんにちは。100日連続で書いたところで、なーんか書く気力がなくなってきているうぐいすです。本の感想以外のことが描きたい~!ネタはあるんですけど、まだ自分の中でまとめられていないため大変です

 

 とりあえず、今日はブクレポをしていきます。書くのは、半藤一利さんの『日本のいちばん長い日』についてです!

この本は、映画にもなったので知っている方も多いのではないでしょうか。この本は、私も読んでみたかったもののうちの一つです。

 

 

 

 

目次

 

 

あらすじなど

 それではまず本の情報、著者の情報、そして本のあらすじについて書いていきます。

 

本は、前身の『日本のいちばん長い日 運命の8月15日』が1965年に出版、その後、1995年に決定版として再版されました。

昭和天皇鈴木貫太郎内閣が、日本の降伏を決定した1945年8月14日の正午から、宮城事件や御前会議を通して玉音放送へ移るまでの24時間を書いた本。

戦争に関する本は、いっぱいありますよね。海外物でいうとマイケル・モーパーゴがありますし、日本でいうとそもそも教科書に多く使われています。

ですが、この本は「日本の歴史の中でいちばん長い日」が詰め込まれているものです。本当に24時間の中で起こったことを順に書いて、すごい情報量となっています。

 「日本のために」「玉砕覚悟で」「おかみのために」そういった精神を持つ人たちが、敗北と戦争続行との間で揺れ動く。そういった場面も楽しめます。

 

 著者は、半藤一利さんです。ただ、最初に出版された1965年は文藝春秋新社の社員で、営業上の理由より「大宅壮一 編」として出版されたよう。この本は英訳版も出版されています。

1995年の決定版刊行の際に、半藤一利が著者と記されて刊行されました。

 竹下正彦という、阿南陸相の自決にも立ち会った人が執筆した本より、宮城事件の裏側などをかけるようになったそう。

(全てWiki情報です。)

 

 この本は二度映画化されており、一度めが1967年のもの。二度目が2015年のもの。映画としてなら聞いたことあるよ〜という人も、いるのではないでしょうか。

 

 

 

感想

 感想を書いていきます。

まず、この本を選んだきっかけから。

この本は、中学生の時から読んでみたいと思っていました。歴史について調べているときに、興味があって太平洋戦争に関するWikipediaをのぞいたりしてたので、そのとき鈴木貫太郎(元総理大臣)に興味を持ったのがきっかけです。鈴木貫太郎は、「天皇から終戦を任された総理」として書いてあり、読んでいてとてもかっこよかったんです。だから、千葉県にある鈴木貫太郎資料館に行きたい!と思いもしました(コロナ期にもう入っていたので、結局行けていませんが)。

 そうこうして鈴木貫太郎について調べているうちに、映画『日本のいちばん長い日』で鈴木貫太郎が出てくるという情報が。その映画見てみたいと考えていた時に、友達が「それ、本もあるよね~」と言ってくれたので、どうせなら本を読もう!とずっと探していました。

地域の図書館に行っても、運悪く借りられていたり、探す時間がなかったり、もう制限を超えていたり。色々な理由で後回しにされていました。だけど、この前図書館に行ったらあったんです!嬉しかった~!

割と興味はあったけど、無理してどうしても読みたい、というほどではなかったので、何か機会がなく読めていなかったものでした。ですから、こうして読めたのはとても嬉しいです!

 

 

 それでは、読んでみての感想を書いていきますね。

この本、思ったよりも古いものでしたが、読みやすかったです。1995年に出版され、決定版として2006年に出版されたものを、私は読みました。25年以上前なら、文体も堅いのかな~と思っていたらそんなことをなく、確かに古めかしい言葉遣いも少しはあったものの、基本的におもしろく読むことができました。

 

 そして、この本は1945814日正午~15日正午のちょうど1日をそのまま記した本です。どちらかというと、小説ではなくノンフィクションだな~と思いながら読んでいたら、裏表紙の紹介文に「ノンフィクション」と。あ、やっぱりか!という形の、嬉しさもありました。

 時期的には、ちょうどこの時期ですね。今日が85日ですから、76年前の明日がヒロシマ9日がナガサキ、そして15日が終戦記念日です。毎年、欠かさずに黙祷しています。

 

 原爆が落とされ、ソ連軍が8日に満州に出兵し、もう一回原爆が落とされ

日本の命運はもう尽きたという時に、官僚たちは、政府たちは、どうやって動いていたのか。

わりと、こういった歴史の豆知識を知るのが大好きなんです。だから、よくWikiさんで第二次世界大戦中に活躍した常軌を逸した軍人さんとかも調べていたりしました。世界にも日本にも、すごい人はいっぱいいますよ。多分、人間としての構造が私とは違うんじゃないかな

だから、この本もとても楽しめました。あの「耐え難きを耐え忍び難きを忍び」の文章。あれが書かれた日に、何が起こっていたのか。知りたくないわけないじゃないですか!

 

「黙殺」と「拒絶」、阿南惟幾陸軍大将の死、二・二六事件の再来、、、知っていることも、いくつかありました。だけど、それぞれの人物の思いや行動、その出来事の前に何が起こっていたのか。そう行った、詳しいことは全く知りませんでした。特に、阿南陸相の死についてはかなり興味深かったです。時系列順になっているため誰がどの時間帯にどういう行動をしたのかが繋がりやすく、阿南陸相がどこでどういう覚悟を決めたのかなど、この長い長い24時間の中でも注目する人は多いと思います。

また、今の私にはよくわからないですが、軍人としての誇りといったものも当時は普通にあったのでしょう。自分の頭で理解できる範囲も、今とは違ったはずです。今の方が優れていると断言したいわけではなく、思考の発展の方向が全然違うんだと思います。それは時代背景からなるものでしょう。

 

 終戦を決めてから、あの玉音放送になるまで、どんな困難があって、誰がどのような行動をしたのかも、また面白かったです。

あとがきにも書いてありましたが、当時は確かに「命が軽かった」んだと思います。命が軽かったのか、覚悟が深かったのか、その両方なのか。よくわかりませんが、もう少し自分のみを大事にしてもと思うこともありましたし、簡単に「自分は死んでも〇〇を守る」という発想をしていました。でも、自分の肩の上にも国の命運が乗っかっていると思えば、それも当たり前のことなのかもしれません。

フィクションで出てくるような抜け道も、本当にあったんですね。ああいったものが実際に使われていたと思うと、かなり驚きますし、なんというか時代を感じます。

 戦争というものは~、と一括りにしていいものかもわかりませんが、人の感覚を麻痺させるんだと思います。

この本だったか少しあやふやなんですが、「なんで戦争を止められなかったの?」という問いに対して「止めようがなかった。気づいたら少しずつ制限されて止める暇がないままだった」という答えが書いてある文章がありました。そういったものを見ていると、虚しいというか、なんとも言えない気持ちになります。

 

 

 

最後に

 ということで、この本は、かなり深いと言うか、実際に戦争について考えたりしてみると難しい本だと思います。ただ、中学校で習うあの日、何が起こっていたのかを知るためには、とても面白い本だと思います。

映画も見てみたくなりました。どちらもかなり評判が良さそうだったので、楽しみです!

 

 

 読んでいて、戦争について考えることはもちろん、時代の変化と人の意識の変化をすごいよく感じました。こんなに違うんだ…。かなりビックリです。「お国のため」精神があったと言うことは知っていましたが、陸軍や軍人はこう言うことを考えていたのか、と言うことを堅い文体で書かれると、もうそのまま受け取ってしまいます…。本当に、今の私には理解できませんし、人間の怖さを感じました。

 

 

 最後までお読みくださりありがとうございました。何か尻切れとんぼのようになった気分ですが、楽しんでいただければ幸いです。興味を持った方は、是非読んでみてください!